紙の本
がんと検診とわたし
2023/05/31 00:40
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
医療には医療の
患者には患者の
それぞれの思惑がある。
「命を救う」という名目には
他の何物にも代えがたい強い強制力がある。
そしてそれは作中で語られる「被害者の権力」にも同様。
それでもみなさま、長生きを望みますか?
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医者の一族土岐氏についての短編集。
「希望の御旗」の冬司と信美夫婦のお話は可哀想でした。積極的医療を突き詰めるとこんな結末なのか…と。
長生きも積極的治療もしたいと思わないのでそれぞれのお話に納得共感出来て面白かった。絶対長生きしたいと思っている人はこの本を読んでどの様に感じるのかなぁとも思う。
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祝葬 真令子 ミンナ死ヌノダ
希望の御旗 忌寿
早死にする一族。彼らは不幸なのか?それとも……
精神的にも肉体的にも健全ならば長生きも良いだろう。
けれど、目が耳が足腰がそして脳みそが
長年の使用にミシミシと悲鳴をあげていても、
長生きしたいか?
適当なところで ハイおしまい と言っても良いかもしれない。喜 が 忌 になる前に
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久しぶりの久坂部羊だ。『無痛』か『破裂』以来、それほど読んでなかったとすれば、10年以上のご無沙汰か。
土岐一族という早死にばかりの医者家系のそれぞれの物語、生き死に、葛藤、諦念というところをオムニバスで。全体では、医療の意味、というところを、ややぼかしつつ提示するような作品。
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早死する医師一族、なぜなのか?というミステリー要素と、医師の人生観が大筋。6章ぐらいで、それぞれ主人公(視点)が違うのが意外にしっくりきて、続きが読みたくなる構成だった。最後は2060年の話だったりも意外。長生きがいいのかどうかという、絶対的答えがないテーマだから、最後はそりゃそうだよねって落としどころだけど、おすすめの医療小説
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いわゆるクオリティ・オブ・ライフがテーマでしょうか。同作者の「神の手」「廃用身」も似たようなテーマだったように記憶していますが、病気との向き合い方を他人に決められてしまうことの嫌悪感を「希望の御旗」にて同じように感じました。
対して「ミンナ死ヌノダ」の覚馬は、検査も治療もしないことを自ら選んで死んでいったわけですが、その様子はとても満足そうに映ります。
本書はこうした終末期医療に対する問題定義がメインかと思いますが、ラスト直前に出てきた誤診と医師の労働環境に関する問題についても作者は訴えたかったのかな、という気がしました。どちらの点についても、いろいろ考えさせられたり興味を持って調べたりするきっかけになったことは、良かったと思っています。
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夭逝な医師一族各人の物語を通し,長生きの功罪を繰り返し描く.医療の本質とは一体どこにあるのか,鋭い刃を変わらず読者に突きつける.
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生きるとか死ぬとか医療とかってなんだろう。
平均寿命って今は85歳ぐらいですかね?
90歳以上の治療のための医療費は、全種類自由診療にしたらどうだろう。緩和の医療費は現行で。
長生きは裕福な老人の特権?別にそれでいいような。
子どもからの老後の医療費をあてにして、1人あたりの金額の負担を減らすために子だくさんとかになって少子化もマシになるかも。
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信州にある大病院経営の土岐一族は、代々医者の家系であるが、その大半が早死にしている。この一族の4代に渡る物語。正直最終章までは、もう投げ出そうかと思っておりましたが、最終章はだいぶ未来の話になり、超高齢化社会を映し出す。それまでの章はこの最終章への前振りにも思える。
一貫として「長生きすることは幸福なのか」というテーマで一冊の本を書き上げているところも素晴らしい。
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超高齢化社会、人生100才まで普通に生きる近未来小説。
現役ドクターが描く専門用語も多いストーリーだけど毎作品考えさせられる。本当に
長生きは幸せなのか?簡単に死ねない時代ってなんか恐ろしいかも
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患者の死期治療に関してこうだと思っていた考えが、自分や身の回りの人間が死に直面することによって揺れ動くお医者さん側の心情がわかります。お医者さんは誰しもこういったジレンマにハマるものなのでしょうか。考えさせられる本であり、すっと読める本でした
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代々若くして死を迎える医師の家系土岐一族。
祝葬・真令子・ミンナ死ヌノダ・希望の御旗・忌寿
の5つの短編集のように描いているが、4番目までは土岐一族の一人ずつが主人公で、死までの物語となっている。長編好きの自分には、気持ちよく入り込めないばらばらな世界だった。
希望の御旗は、この作者の『悪医』にもあるように、ガン治療(根治を目指す治療と、治療によって命を縮める矛盾)の難しさを改めて感じる。
最後の話、忌寿で、西暦2068年の世界にとんで、一つの大きな物語として納得できる気がした。
病の診療、死、寿命、長生き、それらを考えさせるこの作者らしい作品。
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小説というよりお医者さんが思う本音
長生きがいいという時代が終わりどうやって死を迎えるか、考えなければいけない時代になる
わざと不健康な暮らしをして寿命を縮める時が来るかも…
がんを切って意識を戻さず亡くなると訴えられ、何もしないで亡くなると何故手術しなかったか、訴えられる
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ミステリー仕立てだけど延命処置と高齢社会のSFでもある
楽しかったというより、自身の行く末を考えてしまう物語だなぁ。死にたくはないけれど、自身を見失ってまでと思う。できないことが増えてきて、新しくできることがなくなっていく。何か新しいこと考えないとなぁ。
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うーん、医者にはなりたくないなあ、と思った。いや、なれないけど。
現在から過去に遡り物語がつながったと思ったら、近未来の話になったのはなかなか面白い。