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「スマホ脳」というタイトルに興味をそそられた。
確かに、現代病とも言える「スマホ依存」。
デート中なのかわからないが、ずーっとスマホをいじっているカップル。
ファーストフード店でおじいちゃんと一緒なのに、ずーっとスマホをいじっている小学校低学年と思しき孫。
一番驚いたのは、ベビーカーとを押しながら歩きスマホをしている母親。狭い歩道しかない、しかも蓋のない側溝がある道路でだ。
私自身もスマホ&タブレットユーザーだが、ある程度の自制心は持ち合わせているつもりだ。テレビは観ないが、本は読むし、運動もする。
デジタル機器は、これからも生活の中で重要な役割を担っていくだろう。特に歳を追っていくと、頼らざるを得ないことが多くなるはずだ。
しかし、本書にあるように、スマホを持ち、SNSを利用することで、ストレスの原因になったり、他人とのコミュニケーションが取れなくなったり、集中力がなくなったりするような状態にはなりたくないものだ。
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私は、ガラケーからスマホに換えたのが、大変遅く、まだ換えて3か月ほどです。
パソコンは1999年から使っていましたが、スマホの音声入力や、カメラ、マップ、LINEその他の機能を知るうちになんて便利なものだろうかと思いました。
そしてまだ2カ月ではありますが、友達に誘われてFacebookまで始めてしまいました。
そこで、この本の出版を知り早速読んでみました。
昨今のコロナ危機でスマホが外界とのライフラインになった今読むべき本であるとまえがきにありました。
内容を読むと、スティーブ・ジョブズの10代の子どもはipadを使ってよい時間を厳しく制限されていた。
ビル・ゲイツの子どもたちはスマホを持たない2%に属していた。
などのスマホに対してかなり否定的なことが書かれています。
私は、スマホでFacebookを(まだほんの多少ですが)使い出したのでSNSとの関係のところを興味深く読みましたが、使い方次第で、SNS以外の所でもしっかり支えられている人々は社会生活をさらに引き立てる手段となり、そうした人たちの多くは良い影響を受け、社会生活の代わりにSNSを利用する人たちは精神状態を悪くするということでした。
今は、コロナ禍で、社会生活が尋常の状態と違うのでどうかと思いましたが、使い方を間違えなければ大丈夫だと思いました。
また、今の中学生は毎日7時間スマホを見ているなどという言及もありましたが、本当かと思いました。
スマホ依存から精神障害へと移行しないためには週に二時間程の適度な運動と、7時間から9時間の睡眠をとっていればよいということもわかりました。
Facebookやブクログをやっているからといって、自分はスマホ依存ではないと思います。
10分に1回スマホをチェックしたり、就寝時にスマホを隣に置くことはしません。
これからも、適度に上手く、いいところを活用していけたらと思いました。
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すごく面白かった!
今読むべき本だったー。
今年に入ってずっとスマホ依存気味なのが気になっていたけど、この本を読んで、「デジタルデトックス」しよう。って決定的になった。
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スマホやSNSの使用で、大人や子供の精神状態や認知機能、そして脳にどのような変化が生じているか、研究成果を踏まえながら議論した本です。スマホに焦点を絞った本を読むのは初めてで、興味深く読みました。集中力を欠くなど、取り上げられている症状は思い当たる節があるものばかりで、自分も大きく影響を受けているんだなと再確認した。スマホがないとイライラしたり、不安になったり、またスマホ頼りで人の脳機能が衰えているなど、どのように付き合っていくべきか考えさせられました。参考文献が載っていないので、裏がとりにくいのは、新書ではやむを得ないのかな?
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少し読むのが遅かった、、、
この本は結構話題になっていたので、ざっくりとした内容は見聞きしていましたし、何より、やはり
『スティーブ・ジョブズの10代の子どもはipadを使ってよい時間を厳しく制限されていた』
『ビル・ゲイツの子どもたちはスマホを持たない2%に属していた』
の衝撃に勝る情報はないわけで。
けれども一通り読んで、最近の自分のスマホとの向き合い方を振り返った時、より注意が必要だと思わされたのは、手元に置いておいたり、寝室に持ち込むだけで、影響があると言う事。
脳とは本当に厄介なものだ。デジタル社会への順応(進化)は出来ないのに、通知音がしなくても目の前になくても、報酬を覚えているなんて。
とは言え、もうスマホが無い世界に戻れるかと言うと、なかなか難しい。近頃の毎年何かしらある災害(豪雨・地震)や、真っただ中のコロナ禍においても、スマホがあるのとないのとでは、情報へのアクセスが全く違ってくる。
となると、気を付けられるのは、
まずは自分がどれくらいスマホを使っているのかを数値で把握してみること、
リビングで過ごす時間は自室に置いておくようにするなど携帯する時間を減らす、
実際の人間関係・コミュニケーションを大切にする(コロナが収束するまでは難しいが)、
少しでも運動をすること(運動嫌い、出不精の私はストレッチやラジオ体操からか(笑))、
睡眠をきちんと取ること、
かな。
あとは個人的に続けてもよさそうだなと思ったのは、
手帳を紙のものにしていること(実際は、スマホとの併用だが、スケジュールの他、気づいたこと感じたことなどをフリースペースにメモったりしている)
基本的には本は紙の本を読むようにしていること(これも本の内容などによっては電子と併用だが)
これは、少しでもスクリーンタイムを減らすのには、続けても良いかもしれない。
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スマホのさまざまなサービスはは脳の報酬快楽に呼びかける仕組みとなっている。スマホを身近に置いておくだけで、脳の意識はスマホへといってしまい集中力が低下する。
スマホでsns を活用している人ほど、うつ病患者が多い。SNSで常にスマホを見ていると報酬快楽により脳への負担が大きい。そして人間の脳は脳や身体を休ませようと働き、うつ病になる。
少なくとも寝る前にはスマホを見る時間を減らそうと思う。
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スマートフォンの人間に与える影響について、様々な研究を引用しながら論じた本。人間の脳はスマートフォンのない世界で進化してきたが、ここ十数年のスマートフォンの普及は今までのどの生活様式の変化よりも急激だった。人間の脳はまだスマートフォンに適応できていない。
まだまだ終わりそうにないコロナの拡大の中で、授業も飲み会もオンラインになっている。家から出られない生活でテクノロジーへの依存は深まっている。テクノロジーとの生活をどう捉えればいいのかのヒントとなる本だろう。
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職場でみんなに勧めた。40代以上には概ね好評。若い人には受け入れ難いことが多いらしい。30歳くらいにならないと前頭葉が育ち切らない、という本書の内容の通りでした。怖っ!
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スマホとの付き合い方について見直したいと思い、この本を手に取った。
なぜ私たちはスマホに魅了されるのか、スマホがどのような影響をもたらすのかについて知ることができた。人間の脳と結びつけて記されており、とても興味深い内容だった。特に、SNSと心の健康の関係についての内容が印象的だった。
これからのスマホの使い方について考えていきたい。
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現代の必需品となったスマホ。
そのスマホが特に若者の脳に与える影響を数々のエビデンスを基に解説し警鐘を鳴らしています。
もちろん若者たけではなく、スマホを毎日のように手にしている年配の方々にも今後の健康を考えさせられる一冊となっています。
私自身、最近まで精神的に病んでいたこともあり、スマホの影響との関連性を知りたくて手に取ったのがきっかけでした。
スマホと精神的な疾患の直接的な関わりは個人によってまちまちでしょうが、スマホ起因で人とのコミュニケーション欠如や運動・睡眠不足を招き、精神的疾患に繋がることは大いに考えられます。
また子を持つ親として、若者の脳の発達にスマホが与える影響が非常に気になりました。スマホ必須の現代に生きている我が子からスマホを取り上げるのは乱暴ですが、使用時間や使い方をよく考えなければならないな、と考えさせられました。
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読みながらスマホを見たいという欲求に駆られ、あー毒されているなぁと感じながら読了。
枕の隣にスマホ置くのやめようと思ったし、アラームは目覚まし時計に変えようと思った、あとランニングまた始めようという気になったし、使用時間の制限もしようと思ったなぁ。
>>>1日30分以上もFBに今後も費やすなら、現在の二十歳が80歳になる頃には、人生の5年間をSNSに費やす計算になり、そのうちの3年近くがFBに充てられる。
ひょー人生の時間無駄にしすぎ、、、
以下メモ書き
デジタル時代のアドバイス
自分のスマホ利用時間を知ろう
1日に何度スマホを手に取り、どのくらい時間をかけているのを把握するために、アプリを使ってみるといい。そうすれば、スマホに奪われている時間が一目瞭然だ。自分を知ることが、変化への第一歩になる。
目覚まし時計と腕時計を買おう
スマホでなくてもいい機能は、スマホを使わないようにしよう。
毎日1〜2時間、スマホをオフに
毎日2時間、オフにすることを周りの人にも伝えておこう。そうすれば、返事がないという怒りのメッセージが届いたり、人をイライラさせたりせずにすむ。
プッシュ通知もすべてオフにしよう
スマホの表示をモノクロに
色のない画面の方がドーパミンの放出量が少ない。 それによってどのくらいスクロールを続けたくなるかが大きく左右される。
運転中はサイレントモードに
危険な瞬間に気が散るリスクが減る。悪いタイミングでお知らせや通話が来ると、いちばん必要なときに集中が妨げられる可能性がある。それに応答しなかったとしても、だ。
職場で
集中力が必要な作業をするときはスマホを手元に置かず、隣の部屋に置いておこう
チャットやメールをチェックする時間を決めよう
例えば1時間ごとに数分など。
人と会っているとき
友達と会っているときはスマホをマナーモードにして少し遠ざけておき、一緒にいる相手に集中しよう。そうすれば一緒に楽しく過ごせるはず。あなたがスマホを取り出せば、周りにも伝染する。取り出さないようにすれば、それが連鎖反応になって、皆があなたを見習うはずだ。
子供と若者へのアドバイス
教室でスマホは禁止!でないと学習能力が低下する。
スクリーンタイムを制限し、代わりに別のことをしよう。1日のスクリーンタイムは何分までならいいのか、分単位で推奨するのは難しいが、どうしても具体的な数字が欲しいなら、大人も子供も仕事や勉強以外でスマホ他のスクリーンに費やしていいのは最長で2時間だ。それでも睡眠、食事、職場や学校への移動時間を除けば、起きている時間の6分の1を費やしていることになる。8歳未満の子供なら1時間が限度だ。私がいちばんいいと思うのは、別のことをする時間を設けること。宿題をする、運動をする、友達に会うなど、それに集中する時間を決めよう。
よい手本になろう
私たちは相手を真似ることで学ぶ。子供は大人がしているようにする。大人に「しなさい」と言われたようにではなく。
寝るとき
スマホやタブレット端末、電子書籍リーダーの電源を切ろう
少なくともベッドに入る1時間前には。
スマホを寝室に置かない
少しでも眠れないなら置かないほうがいい。朝起きるために目覚まし時計を買おう。どうしてもスマホを寝室に置くなら、着信音を消しマナーモードに
寝る直前に仕事のメールを開かない
ストレスの対処法
ストレスの兆候を見逃さないようにしよう。これらの兆候はストレス以外のことが原因の可能性もある。不明な場合は医療機関に連絡を。
運動と脳
どんな運動も脳に良い
中でもいちばんいいのは心拍数を上げる運動だ。とはいえ、マラソン大会に出ろと言っているわけではない。脳から見れば、ただ散歩するだけでも驚くほどの効果がある。とにかく大事なのは運動をすること。それで心拍数が上がればなおよい。最大限にストレスレベルを下げ、集中力を高めたければ週に3回45分、できれて汗もかくまで運動するといい。
SNS
積極的に交流したいと思う人だけをフォローしよう
SNS は交流の道具と考えて
他の人の投稿に積極的にコメントすれば親近感が生まれ関係も深まる。
スマホからは SNS をアンインストールして、パソコンでだけ使おう。
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スマホ利用者の全員が読むべき本。スマホだけでなく人間の心理や生物学的視点から見た現代の生活が懸かれています
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「スマホが及ぼす影響は【時間を奪うこと】」
私たちの脳にある、「かもしれない」「もしかしたら」という"期待"がスマホを欲させ、さらにスマホはちょっとした「ドーパミン注射(新しい体験と報酬)」を1日に300回も与えてくれるという。
私の場合、約一年前まではSNSを開くと永遠にスクロール、ソリティアやツムツムなんかを始めてしまえばその日1日を無駄にすることもしばしば。
著者の「スマホは私たちの最新のドラッグだ」という一文にも納得の一言。
この一年で読書に目覚めてからは、スマホ内にある不要なアプリを削除、サービス等も徐々に退会していき、最近では「何か消せるものは…」と探すようにまでなった(笑)
著者も言うようにスマホは完全な悪というわけではなく、適切な使い方さえすれば人生をより豊かなものにしてくれると思う。
自分の大切な時間を無駄に過ごさないよう、今後も工夫しながらスマホと向き合いたい。
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実験や調査結果がふんだんに盛り込まれていて、推測も含まれているけれど、それをもとに主張が展開されている。
人間は環境の変化に対して、そんなに簡単に順応はできない。利益を求める人々は、人間が過去に得たかつ変化しづらい特質を突いてくる。意識して立ち向かわないと、本来の自分がやりたいこと・やるべきことを奪われてしまう。想像以上に深刻な状況だと感じた。
自分もそうだし、子供のスマホ・タブレットの利用についても真面目に管理、というとおおげさかもしれないが、対応しないといけない。
マルチタスクの項は、実験の結果があまりにも可哀想で、自分の仕事の仕方も意識して変えないといけないと思う。
睡眠障害の診断を受けた若者の数の推移についても危機感を感じる。
書名は人の目を引きやすいのだろうが、内容はそんな軽いものではない。というよりも、内容と合っていない気がする。
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【本書の概要】
人間がスマホ、特にSNSの中毒になるのは、狩猟採集時代の脳が現代社会に適応できていないからである。外敵から身を守るための感情的な反応――マイナスの感情を強く感じる、新しい情報を欲しがるといった反応――が、現代社会においてはデジタルコンテンツへの依存症をもたらすのだ。スマホ依存症によって学力や集中力が低下し、うつ病患者が増加している。スマホは長くても一日2時間までとし、週に45分×3回の運動をして病気を予防することが大切である。
【詳細】
①人間の脳は狩猟採集時代のままである
人間が誕生してから20万年の月日が流れたものの、現代のような高速の生活様式になったのはせいぜいここ数百年の間である。人間の進化はそのスピードに追い付いておらず、脳は狩猟採集時代のまま変化していない。
狩猟採集時代においては、感情は生存のための戦略であった。目の前に迫る危険に対して敵意を抱いたり恐怖を抱いたりすることが、我々の生存率を大きく左右していた。そのために、人間はプラスの感情よりもマイナスの感情(ストレス)を強く抱くようになっている。マイナスの感情の役割はもっぱら緊急避難(闘争と逃走)のためであった。
しかし、現代においては、命を脅かす瞬間的なストレスこそないものの、緩慢的なストレスが長期に渡って続く。しかし、こうした長期のストレスに人間の脳は対応できていない。長期のストレス下でも身体は闘争と逃走を優先するので、自分を取り巻く環境内での些細なエラーにも激しく反応してしまう。
また、短期的なストレスは、緊急避難以外の身体の機能(食べ物の消化や睡眠)を蔑ろにする。死を目前では生き延びることが最重要だからだ。これが現代社会の長期ストレス下において作用し続けると、精神状態や身体の調子を悪化させてしまう。
ストレスは、今起きていることだけでなく、「起きるかもしれないこと」を考えてもスイッチが入る。これが「不安」だ。不安も危険への予備動作であり、人間を死から守ってくれるシステムとして作用し、生存率を高めてきてくれていたものの、不安に晒され続けると、脳が「ここから逃げろ!」という指令を出して体を守ろうとする。これが「うつ」の正体だ。
②なぜスマホは人間から集中力を奪うのか
われわれが「〇〇したい!」という欲求はドーパミンの分泌によって引き起こされる。同時に、ドーパミンは何が重要で何に集中すべきかを伝える役割も持つ。ドーパミンはさまざまな状況で放出されるが、「新しい情報を得る」ときに多く分泌される。周囲の環境に対する情報を得ることで、生存の可能性が高まるからだ。ここでも狩猟採集時代の痕跡が見られる。
中でもドーパミンが一番分泌されるのは、報酬が貰える「かもしれない」瞬間である。ギャンブル依存症のように、報酬がゲットできる可能性を見せられれば人はいつまでも欲しがり続ける。
そして、同様のことがスマホのスクリーンでも発生するのだ。クリックやタップでネットの新しい情報を得る時、フェイスブックでいいねを告げる「通知」が流れてくるとき、人間は報酬を期待し、ドーパミンという麻薬が分泌される。
そしてこの麻薬が、我々から集中力を奪っている。
人間の脳はもともと、一つのことにしか集中できないようになっている。2つのタスクを行ったり来たりしていると、効率がどんどん落ちていくが、これはタスクを切り替えても、脳は異なる作業への「切り替え時間」が必要であり、エンジンを切ったり温めたりし続けてどんどん効率が落ちていくからだ。
この低下現象は、なんと自分の目の前にスマホが置いてあるだけでも発生する。スマホの存在自体が作業の気を散らし、集中力を低下させ、記憶の定着を阻害する。
③子どもへの悪影響
子どもは大人よりもスマホ依存に陥りやすい。その理由は、前頭葉にある「衝動を抑制するシステム」が完全に発達するのが25歳以降だからだ。
子どもとスマホの関わりにおいてプラスの影響をもたらすものとして、タブレット学習が挙げられることがある。だが、タブレット学習は紙とペンより効率が悪いという研究結果もある。例えば、子どもは数字の勉強をするとき、指を折る、字を書くというふうに身体運動と記憶を一体にして学習している。それがiPad上では失われる危険性があるのだ。
恐ろしいことに、既に子どもへの悪影響が確認されている。2011年――iPhoneが本格的に普及し始めた年――に、米国の若者のうつ病が増え、眠りが悪くなった。米国だけでなく、全体的に今のティーンは昔ほど宿題に時間を使っておらず、運動時間も減っている。
④スマホ中毒から身を守るために
スマホ中毒から身を守る方法は、スマホを意図的に遠ざけることと、運動をすることである。
スマホのスクリーンは、仕事や勉強以外では一日2時間までにする。特に寝る前にスマホを遠ざけ、ブルーライトを浴びないようにする。これにより睡眠の質が改善し、日中の集中力が上がる。
また、脳において一番大切なのは運動だ。全ての知的能力は運動によって向上する。運動とは身体のコンディションを上げることであり、コンディションが上がればストレス源に対処することが容易になる。何故ならば、脅威かもしれない対象を攻撃したり、逃げ出したりする体力がつくことで、ストレスシステムを事前に作動させる必要がなくなり不安の軽減につながるからだ。
運動の目安としては、6ヶ月で52時間、つまり週に2時間であり、より細かくすれば45分を3回である。あらゆる種類の運動が知能によい効果を与えてくれる。脳にとっては運動できれば何でも構わないが、できれば心拍数が上がる少しきつい運動が望ましい。
【感想】
スマホ依存という現代病を人間の本能の観点から探る本である。
筆者が提唱しているのは、スマホを捨てて石器時代のような生活に戻るべきだということではない。むしろテクノロジーの恩恵を認めつつ、「テクノロジーのほうが私たちに対応するべきであって、その逆ではないはずだ」と述べている。そう言わざるを得ないほどまでに、スマホが人間の欲求を煽ることで発展を続けてきた証拠と言えるだろう。
社会はかつてないほど平和になったのに、われわれ自身は未だに強く不安を感じている。飢餓に陥るかもしれない不安からカロリーを摂りすぎる、迫害されるかもしれないという不安からLINEに張り付く。本能と現代社会との折り合いをつけるためにも、���ジタル機器との関係を見つめ直す――酒やタバコのように、年齢制限を付けたり、課税したり、害を強調する――ことが、この先起こり得るかもしれないと感じた。