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慶應(同じ!)出身の元厚労省、現在は起業した異色官僚の方が書いた本です
この本にも書いてありますが、彼は現役官僚の時から自分の仕事をブログなどで発信したり、積極的に現場を見に行くなど、いい意味でステレオタイプの"官僚的"な人とは一線を画した方です。
肝心の中身についてですが、彼のTwitterなどのSNSをより濃くしたって感じです。
彼が今もSNSで発信している、"官僚の働き方改革"、たしかに現在の官僚の働き方は非人道的ですし働き方改革をすべきだとは思います(民間の働き方改革の旗振り役である厚労省が不夜城状態ですし)。
ただし、そもそも官僚は東大法学部の集まりのガチガチのエリート組織でありそういう面に憧れて官僚になる人も少なくないため、働き方改革で余った時間を現場視察などに使ってくれる現場思考の官僚はそんなに多くないのではとも思ってしまいました。
著者のような方なら使ってくれると思いますが、少々その点は楽観的すぎる気がします。
著者はTwitterで、官僚の面白さについても書いたと述べていますが、もう少し法案を作る際どういうことを考えたかとかどういう議論があったかなども書いてもらえると臨場感があってよかったのではないかと思いました。
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このテーマの本として、今まで読んできた中で、一番まとまっていて、問題の構造化や対策の方向性についての提言などが、最もクリアだと感じた。特に、女性、高齢者も等しく働くことのできる社会を追求する上で、今のままでは、組織として体をなさず、期待される役割や使命を果たすこともできなくなる、というのが重い。短時間勤務も、本人にやる気があるのなら(ある程度の)長時間勤務もあってもいいが、無定量無制限の呪いをなかなか拭うことのできない官僚の仕事では、独身・男・中堅に超過度の負担がかかるだけだ。ダイバーシティの議論では、この組織としてのマネジメント困難が論じられることが少ないので気になっていたところである。きちんとメッセージにできている論はあまりなかったので、著者には今後期待したい。
30年くらい前に、当時の厚生省の「中の人」の告発として、宮本という人の著作がいくつかあったが、そのころと官僚のしんどさは全然変わっていないし、むしろきつくなったように見える。
pp29-33にある、「典型的な仕事の様子」は、極めてリアル。ITでコミュニケーションのバリアが低くなった分、情報のやり取り密度は組織内で加速度的に上がっており、その一つの細胞としてはたらくマネジャーも担当者もたまったものではないだろう。
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この本を通して、官僚がどんな仕事をしていて、働き方の実態と、どれだけ非効率なやり方をしてるのかがわかtら
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面白かったけど、24時間土日なく働ける人を、「エリート」と評価しちゃダメで、むしろ弊害だよね。平日の夜も土日も、子どもの面倒見たり家事したり、仕事したくてもできません。
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業務改革・定員増要求の一本足打法でがんがんバットを振り回し、自打球骨折になるのではないか、どのような出口戦略を見据えているのか、いつも懸念。
いずれにせよ、たとえば、最後の提言案の中の「民間とのパートナーシップ」について、問題意識は共通したものを持っていた。
今後も深く考えていきたい。
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◯色々な本やネットを見ても、国家公務員は大変だ大変だとしか書かれていない中、具体的に何をやっているのかを示しながら、大変さの本質を開示していこうという姿勢が見られる一冊。とても面白かった。
◯どう面白いのかと言えば、おそらく霞が関でしか使われないであろう専門用語や、一般には不可解ですらある形式主義を事細かに紹介している点。改善しようにも大企業病よろしく、直せないのだろうなと感じさせる。
◯解決策の具体性、とりわけ国会議員にも提言している点も特徴的。議員と公務員の関係性が一般には見えにくいため、どのように扱われているのかが大変わかりやすく、議員という性質上根深い問題が抉り出されている。国ごとの政治体制が異なるため、一概に比較しにくいと思うが、他国と比べてもちょっと公務員と議員の仕事上の関係が近すぎるのではないか。
◯ただこの本を読んでて一番感じたのは、やはり役所に残って後輩達を助けてくれる道を、なんとしても歩んで欲しかったなということ。
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元厚労官僚による著者による、ブラックな霞が関の現状について書いた本。霞が関で働いた経験のある人にとっては特に真新しいことは書かれていないが、2019年9月まで20年弱厚労省で働いた筆者の主張には説得力があり、こういった霞が関の状況について書かれた本が少ない現状において非常に画期的。厚労省ならではのやりがいや困難も記されており興味深かった。
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霞が関のブラック問題はSNS上でよく見て興味を持っていたため、改めてしっかりと学びたくて購入。結論から言うと、日本をこれから少しでも良くしていくためにも、全国民に読んでほしいと思える内容。官僚の働き方を改革し、仕事のやり甲斐を向上させることが、日本を良くすることに直結することは疑いようがないだろう。
まず本書を通して、普段官僚がどのような仕事をしているのかということへの理解が深まった。昔よりも業務が増えているのはどこも一緒で、それだけ世の中の物事に対応するスピードが上がっているということだと思う。しかし霞が関は、それに対応してきてこなかったツケが今きてしまっているのだろう。
また、最近よく言われる「官邸主導」というのが、どういう経緯でそうなって、どういう意味なのかがわかったのも良かった。ここから学べるのは、何事も方針だけ決めるのではなく、橋下徹の言うところの「実行プラン」が伴わないといけないということ。霞が関はこれが圧倒的に足りていないのだろうが、これは大きな組織ではどこも同じなのではないだろうか。
自分は霞が関の住人ではないけど、半公務員的な組織で勤めていることもあり、殊更共感できることが多い内容でした。中でも特に、ペーパーレス化の話や、それに対応するためのデジタル機器の整備の話が。。
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霞ヶ関のリアルが描かれている。
ブラックさに若手が辞めていく。志望者が減る。更に若手が減るという悪循環を断ち切らねばならない。
コロナ禍でオンラインを駆使した働き方改革が進みつつある。コロナが収束した後も、この動きが続くことに願う。
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久しぶりの本庁勤務。霞ヶ関では無いけれど、部下は深夜まで毎日残業。業務効率化、議会対応、何よりステイクホルダーへの説明責任を果たすための広報、山積する課題解決には気持ちの問題より、周囲の理解だと思う。
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霞ヶ関がこんなにもブラックだったとは。
著者の写真に胡散臭さを感じたが、読んでみると、政治と行政の有り様についてよく考えているなと感心する。
・「年金ほど将来の少子高齢化の見通しを先取りした上で財政的な裏付けを含め設計しているのはない。医療や介護の方が危ない。」という指摘には正直びっくりした。
・「役所の広報が分かりにくいのは徴税権に甘えているせい、片手間に考えているせい」という指摘にはうなずける。
・政策の中身とともに税金で飯を食っている国会議員と官僚に「くだらない仕事に時間を使うな」と声を上げて。
・官僚たちの日々も「与野党のケンカを支える」から「国民のための政策を考える」に変わっていく。
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元厚生労働省キャリア官僚の著者が、連日深夜に及ぶ国会対応など、ブラック企業も真っ青な霞が関の過酷な労働環境の実態とそれに伴う長期離職者の続出などの霞が関の崩壊寸前の状況を紹介し、官僚が政策をつくる仕事に集中できるようにし、官僚を本当に国民のために働かせるためにどうしたらよいのかについて具体的に提言している。
著者の問題意識はまさにそのとおりだと思うし、著者の示す処方箋も、即効性があるかはともかく、いずれも取り組むにしくはないことばかりだと感じた。著者の言うとおり、「今の霞が関に必要なのは、昔からの惰性でやっている非効率なやり方を変えて、官僚が働いている時間の多くを、国民のための政策の検討や執行に費やせる環境作り」であり、「霞が関の仕事を徹底的に効率化して、国民の生活と直接関係ない作業を全部やめさせること」である。また、これは霞が関だけではなく、地方公務員にも当てはまることだろう。
また、法律改正や政策の現場との交流などの著者の官僚としての経験談を読んでいて、改めて政策をつくるという官僚(公務員)の仕事の魅力を感じた。官僚の仕事の本来の魅力が発揮されるために、本書で提言されているような官僚の働き方改革が必要だ。
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キャリア官僚の病んだ精神性、それだけはわかった。ブラックといいながらやりがいを語る。人手不足を指摘しながら増員とは素直にいえない。深淵に食い込む前にバランスをとる。退官しても抜けない思考癖。「財源は税」霞が関に深く浸透した勘違い。政府の財源は税ではない。通貨発行権を持つ主体が財源など考えなくてもよい。有限なのは労力と時間。それを有効活用して国を豊かにするのが官僚の役割。それができるならお金はいくら使ってもよい。緊縮脳に染まり自らを苦しめ、国も貶める。辞めてもなおの官僚の実態。読んで悲しいだけ。お勧めしない。
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主に主張されていること
官僚は政策を作ることが仕事。
国民の生活をより良くするために良い政策を考え、立案したい。
その為には専門家の意見を聞いたり、関係各所との調整を図ったり、実行後の十分なシミュレーションをしたり とにかく時間が必要である。
しかしいまの官僚たちは日々の業務に追われてそれができない。諸悪の根源は国会対応という、いつくるかわからない国会の質問対応集を作る作業が国会開催中は毎日、定時後であったり、深夜、土日問わずつねに「第一優先で」入ってくるから。
第一優先というのはプライベートひっくるめて。おかげで家族サービスもできない。
加えてペーパーレス化など働き方改革もすすんでおらず効率的でない業務をする事でさらに時間が足りない。
激務、サービス残業の末、若手はどんどん辞めていく。人員が足りないのか?もっと増やす必要があるのか?
いやその前に業務効率化をして最適な環境を作ってからでないと無駄な税金の投入になる。
古い慣習は早々に捨てるべき。そして官僚には本来の仕事である国民にとって良い政策をとことん考えて(時間を費やして)作るということに専念してもらわなければ、霞ヶ関は崩壊する。
感想
エリート人生を送ってきた、優秀な人達がこんな使われ方をしているなんて、霞ヶ関とはなんてもったいない組織なんだろう。
でもそんな、ブラックさの実態が世に見えにくかったりしていることも事実。職員の労働実態の見える化は是非していってもらいたい。恥ずかしながらいまだに公務員て定時で帰れるんでしょ、とか思ってた。
著者の方の霞ヶ関を良くしたいという思いがとても伝わる本だった。これ以上優秀な人材の無駄遣いをして欲しくない。永田町も霞ヶ関も、これからの日本のために是非とも変わっていただきたいと思う。
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霞ヶ関の実態を赤裸々に述べているだけでなく、日本の政治システムや官僚の仕事内容までしっかりと書かれている。驚いたのは筆者が官僚の仕事にパッションを持っていたことだ。愚痴をツラツラと書いているのではなく、官僚の仕事に魅力を感じているからこそ出てくる意見だと思う。予想以上に読み応えがある新書だった。