紙の本
仏教を通してミャンマーという国を読み解いた書です!
2017/10/30 08:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、今や軍政から脱し民主化のもとで急激な社会変革を遂げようとしている東南アジアのミャンマーという国について書かれた本です。しかし、本書が他書と大きく違う点は「仏教」という視点を中心に同国を見ていることです。出家比丘の修行と生活、ミャンマーの人々の功徳を積む心、現代の僧侶の考え方など、王朝時代から現在までに変わらず息づく仏教信仰による精神文化を見ることでミャンマーという国を再発見する良書です。
紙の本
読み物として面白い
2014/12/18 10:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:babbab123 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミャンマー仏教に興味があるので読んでみたが、ミャンマーの仏教事情などが面白く紹介されており興味深く最後まで読むことができました。
ミャンマーに興味がある人にお勧めします。
投稿元:
レビューを見る
仏教は中国伝来のもの、アジアは仏教国家が多い、という漠然としたイメージしか持っていませんが、著者はミャンマーで主家僧侶となった日本人。
ミャンマーとは、かつてビルマと言われた国。日本人には『ビルマの竪琴』が連想されます。
あの作品は、僧侶となった兵士が主人公で、映画ではオレンジ色の布を身にまとった主人公が琵琶で「埴生の宿」を奏でるシーンが印象的ですが、ミャンマー比丘当事者の目からすると、かなり不自然な設定なんだとか。
比丘が楽器を演奏することはないし、腕に金輪をしている修行僧もいないそう。
突っ込みどころ満載の小説なんだそうです。
作品執筆にあたっての下準備って大切なんですね。
これまで、ビルマとミャンマーの国名の違いがよくわからずにいましたが、ビルマは英語で、ミャンマーは文語だそうです。
ビルマ=ジャパン、ミャンマー=ニッポンのような違いだとの説明に、納得がいきました。
現在の首都はネーピードーだそうです。
聞いたことがない地名ですが、2006年にヤンゴンから遷都していたのだとか。
日本では出家と言えば、俗世間から仏世界に入ることを意味しますが、ミャンマーでは、出家は二種類あるのだとか。
はじめから比丘になれるのではなく、その前に沙弥として出家するそうです。
沙弥は、王子様だったお釈迦様が馬に乗って城を出て出家修行者となったことから、化粧をして豪華な衣装を着て馬に乗り、出家するのだとか。
日本の修行僧とはかなりイメージが違います。
ミャンマーはテーラワーダ仏教。日本人は、仏教の一つの潮流だととらえますが、テーラワーダ仏教徒にとって、大乗仏教は別の宗教で、仏陀の教えではないそうです。
著者は、ミャンマーで修行している間、別の宗教から改宗し出家したと褒められたそうです。
浄土真宗以外の宗祖は出家者の妻帯を認めていないのに、日本では僧侶は一般的に妻帯者であるため、その点を疑問に思うテーラワーダ仏教徒が多いとか。
そう言われると、その通り。日本の仏教は、政治が絡んだために、さまざまな矛盾を抱えているのが現状です。
今では、日本のお寺では「寺コン」なども開催していますが、テーラワーダ仏教では、僧侶はいろいろな相談事を受けても、男女の仲を取り持つことはできないそうです。
その辺りはやはり厳格です。
出家者はミャンマーでは非常に尊敬されており、バスには年配や身体の不自由な方に加え、お坊さん優先席があるそうです。
また、お坊さんの影を踏まないように、在家の人は道で立ち止まったりするそうです。
インドにヨガビザがあると聞いて驚きましたが、ミャンマーには瞑想ビザがあるのだとか。
著者も瞑想ビザで渡航したとのことです。
日本にはないビザなので、おもしろいですが、これを利用して修行に訪れる人は多いのでしょう。。
テーラワーダ仏教と大乗仏教は、たしかに違いが大きいことに気づきました。
両方の仏教の特色がわかる著者だからこそ、比較しながらの紹介が可能となっています。
サンガ社出版の本は、テーラワーダ仏教に根差したものが割と多いため、知らないことの多い、違う視点からの仏教紹介を新鮮に感じられています。
投稿元:
レビューを見る
瞑想合宿でお世話になった元出家比丘・西澤さんの本です。ミャンマーでの比丘生活が詳細に書かれていて、興味津々に読ませて戴きました。今まで謎に包まれていた比丘の生活やミャンマー仏教そのものが、まるで概ね知ってしまったかのようにイメージする事ができるようになりました。瞑想ビザたるものの存在も知り、瞑想修行へ行く場合の垣根が少し低くなった感じです。ちょっとだけミャンマー行きが近づいたか!?