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嘘はついちゃダメ
2022/03/26 18:55
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投稿者:matsuzaka - この投稿者のレビュー一覧を見る
著名ジャーナリストによる、トランプへのインタビューと各種調査・情報収集に基づき、トランプが大統領になってから2020年7月までの動きをまとめたもの。
著者のトランプへの質問が鋭く、トランプの回答についての検証も丁寧に事実と照合。
事象が小分けになっているので、ちょこちょことぶつ切りに読んでも面白い。つまり、どこを読んでも面白い。
私は、トランプはいろいろダメだと思うが、
(金儲けのためや、金を持っていれば、何をやってもいい、なんてことはありえない。社会共通の価値観、社会で決めたルールの遵守、個人の相互尊重、倫理観、道徳感、責任感、知性など、必要なこと大切なことは山ほどある)
もちろんトランプが大統領の期間の業績というのもあると思う。
ただ、その業績はトランプじゃなくてもできたものかもしれないし、トランプにしかできなかったものなのか、その仕分けは必要。
(ちなみに、日本でも同じ。安倍菅100%なんでもダメという論調は能が無い。ちゃんとやった部分があればそれは評価すべき。それでも、政治倫理的なコアの考え方が賛同できないというのであれば、理由を明確にして批判すればいいし、落選させればいい。)
それでもトランプがダメだと感じることは、
そこに「それはやっちゃダメだろ」という事象、理由があるからで、
トランプに関して受けるその一番は、「嘘はついちゃダメ」ってこと。
頻度と内容がとにかくひどい。二枚舌も含めて。
嘘や二枚舌をやられると、その人がからむことは、ほぼ間違いなくトラブルになる。
私のような一般民だってたまに仕事や私事で運悪くそういう人に当たるとものすごく困るし疲れるのに、アメリカの大統領が嘘や二枚舌(しかも無戦略)、よく世界が4年間もちこたえたもんだと思う。それこそ奇跡。
もう一つ、本書の中で繰り返し語られる、トランプのダメなところは、「煽ってはいけない分断を煽った」ということ。
たしかにそう。そんなことは社会として許されるべきではなく、それこそ「何でもあり」になってしまい、少し大きな視点、将来視点を持てば、すぐに破綻し、社会全体としてのコストが増大することは火を見るよりも明らか。過去の歴史が証明している。
社会全体を見ず、特定の団体の利益ばかりを優先しては、個別団体の自己主張ばかりが跋扈し、譲り合わず、当該社会全体が退化するだけ。
最後に、トランプは、前述の「分断を煽る」ということを含めて、自分が「選挙に勝つこと」およびそれによって自分にもたらされる権力を第一に考えているということがダメ。
ただ、この「選挙に勝つこと」というのは、全世界どこの議員にとっても必要なことのため、トランプに限らず、票を入れてくれる人の言うことを聞きたくなるのが議員のサガ。
それでも、どんな議員も、当選して仕事をする予定の行政単位の社会全体が中長期的にも最大に幸福になるように政策を立案して実施することを壮大かつ緻密にビジョンとプランとして選挙民に語って、その政策の必要性を選挙民に納得させ、それをもって票を得て当選すべき、と思う。
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前作よりは上
2020/12/21 09:00
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投稿者:Masaru_F - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作は正直がっかりだったが、本作では筆者の本領が戻ってきたように思う。前作は本人へのインタビューが無かったから?明確にトランプ氏は大統領不適格者だと切り捨てている。でもその人に4年間政権を任せた後でも、7000万人もの国民が投票すること。そんな人に選挙で負けてしまうヒラリー・クリントンの徳の無さ。改めて感じました。
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【「いいかね」トランプはいった。「国を運営していると、意外なことばかりなんだ。すべてのドアの向こうにダイナマイトがある」】(文中より引用)
トランプ大統領本人に対する複数回のインタビューも行いながら、トランプ政権の内幕を描いた作品。発売されるやいなや全米で大ベストセラーとなりました。著者は、前作『Fear』でもトランプ大統領について記したボブ・ウッドワード。訳者は、米国関連のノンフィクションの翻訳を多数手がける伏見威蕃。
歴代の大統領を取材したウッドワード氏のトランプ大統領評ももちろん興味深いのですが、それ以上と言っても良いほどに読ませるのは娘婿のクシュナーによるトランプ評。側近中の側近が語る内容だけに、思わずなるほどと膝を打つ言及が多数見られました。
アメリカのメディア界はトランプ特需とも言える4年間だったんだろうな☆5つ
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「私は人々の怒りを引き出す。怒りを引き出すんだ。つねにそうだった。それが長所なのか不都合なことなのかはわからないが、なんであろうと、私はそうする。」ドナルド・J・トランプ
彼が放った言葉は、2017年から2021年までの間に世界中の人々が感じていた疑問――ドナルド・トランプとは何なのか――について端的に、そしてこの上なく明快に説明するものであった。
彼の言動を見た人間は誰でも怒りを覚える。左派にとっては彼の支離滅裂なヘイトスピーチに憎しみを覚えるからであり、右派にとっては、自分達が心の中で感じている被差別的な感情――左派が平等とグローバリズムをうたっていながら、その実足元にいる同郷の人間を顧みないことに対する嫌悪感と劣等感――を、頭の片隅に思い起こさせるからである。
トランプはそうした両岸の人間の間に効果的にくさびを打ち込み、4年間をかけて米国を分断した。イスラム人の入国拒否、グローバリズムからの逆行、パリ協定からの離脱、WHOからの脱退騒動、コロナ禍でのロックダウン、BLM運動、そして大統領選挙。多くの分野において、人々は2つの価値観のうちのどちらかに居場所を決めることを強いられた。一つの国に暮らす同じ人間であるのに、両岸にいる人々は友人として混じり合うことはない。まるでこの国には白と黒の2種類の人間しか認められないように、人々は自分の収まる場所を強制的に決められた。
だが、これは果たしてトランプが作り出した分断なのだろうか?
私はそうは思わない。オバマ政権下から、いや、それよりもはるか昔から、アメリカは「自分が望む世界を望む人々」と、「その逆を望む人々」で二分されていたのではないだろうか?
そしてもしそれが真実であるならば、ジョー・バイデンはアメリカの治療薬足りうるのだろうか?彼もまた、トランプとは正反対の立場で、自分が望む世界を望むがままに実現しようとする人間である。アメリカ社会の間に生まれた裂傷は、単に肌のカラーチャートを細かくすれば解決する問題なのだろうか?
2020年11月4日、多くの米国民が自らの運命を決めるため投票所に足を運んだ。結果は僅かにジョー・バイデンが勝利。あと4年の追加課税を免れたリベラルは、新たな指導者の誕生を心から歓迎した。
投票用紙には二種類の言葉が書けたが、もしかしたら、意味するところは両方とも同じだったのかもしれない。
「どちらに分かれる?」
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ニクソンを失脚させたことでお馴染みの大ジャーナリストの作品。民主党系のワシントン・ポストに今も在籍しておりトランプに対してはアンチなはず。そのバイアスがかかっているはずだがニクソン以後の大統領全てに直接取材を行い、著作もいくつか出してきたジャーナリストがどうトランプを描くのかに興味があったので手にとってみた。作者はこの前にも一つトランプをネガティブに書いた作品を出しているのだが作者も驚いたことに本作に関しては17回も直接のインタビューを行い、金正恩と交わした書簡も開示されるなどトランプ側もかなり協力している。前半では初代の重要閣僚...国務長官(ティラーソン)、国防長官(マティス)、国家情報長官(コーツ)がいかに解任に至ったか、が主に描かれ後半はコロナ対応が主に描かれている。それぞれ非常に興味深いエピソードが語られているのだが...特に北朝鮮との対応でトランプが過激なツイートを行うたびに神経をすり減らすマティス長官の話が読んでいて辛かった。イラクやアフガニスタンで実戦を指揮していた元将軍は200万人を焼き殺すようなことをしなければならないかも、と一人で教会で何度も祈ったという...。後半のコロナ対応の話も興味深く、日本になぜか多いトランプ支持者というか盲信者(アマゾンのコメント欄見てびっくりした)以外の人にはおすすめできるかな。とても興味深かったです。
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かなりの長編だが、ニュースで見聞きした事象と登場人物だったので、興味深く読み進められた。また、翻訳本にありがちなわかりにくい表現が少なくて、読みやすかった。
過去の名誉や現職を捨てて、馬鹿なトランプをコントロールしつつアメリカのために尽くそうとしたティラーソンやマティス、コミーの辞任劇は本当に可哀想だったが、前例をぶち壊し、直感で判断するトランプ流も、北朝鮮との戦争を避けるのには機能した?かもしれないし、、、評価は難しいところ。。
トランプはどうしようもない人間だが、周囲の専門家が高い倫理観を持って職務にあたる姿は、日本のダメ政治を見せられている人間としては、羨ましかった。。
それにしても、わがままなトランプにこれだけイヤらしい質問をし、うまく聞き出し、本にできるボブは、本当にすごい!
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とってもヨカッタ.
これぞジャーナリズムなのかなという気がする.
トランプの直面してる問題を0距離で伝えてて読み応えある.
彼らが国際問題を、他の国をどう捉えてるか、トランプという極端な人物がいるからか、他のアメリカの中枢にいるであろう人たちのリアクションがむしろ面白い.
こういうおじいちゃんいるもんな.
私の所属する組織にもいます.
マティスとクシュナーの印象は変わった.
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時期的には「恐怖の男」とかぶる時期もあるが、本書はトランプ本人のインタビューを17回実施したり、金正恩との親書のやりとりの公開等取材対象の材料が広がった。
テイラーソンの就任経緯や解任、マティスの就任経緯や辞任といった重要閣僚についてはより両方の立場から描かれている。
北朝鮮との子供っぽい罵りから、親書によるおだてに乗ってまんまと手玉に取られるパフォーマンス大統領の愚劣な対応ぶりに唖然とする。
また本作で最大のテーマはコロナウィルスとの長く深刻な対応のやりとりだ。
医療専門家たちの助言に基ずく対策から経済再生にかじを切る中で感染拡大,死亡者の増加への判断に対するビジネスライクな割り切り方に国民性の違いを痛感する。
攻撃的な行動は大好きで得意だが、防御的な政策は苦手で不得意な有様が如実に描かれトランプの本質の大きな1面がよくわかる。
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ボッブウッドワードが描くトランプ大統領の政権運営のドキュメンタリー。トランプ元大統領の個性が前面に出ているが、北朝鮮、ウクライナ、サウジアラビアといった現在、話題の国とのやりとりも興味深い。