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あいかわらずの村上ワールド。この作品を適切に評することは難しいのだが、基本的には楽しく読むことができたということは間違いない。ただし、個人的な評価としては『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』や『海辺のカフカ』には及ばない。おもに不満があるのは最終盤で、まず、表現的な問題として、「61」「62」あたりは秋川まりえ視点の文章が、あくまでも「私」が実際に聞かされたという態で綴られているのだが、そこにもお得意のメタファーなどが頻出することが挙げられる。しかし、まりえは「チシテキ」の意味すら知らないような少女で、本人がそのような修辞を使うとは考えづらい。かといって、単に話を聞いているだけの「私」がそのように表現を変えていると考えることも不自然だろう。要はいきなり「著者」が顔を出しているようなもので、物語のクライマックスというべき部分でこのような表現をされてしまうと、どうにも引っかかってしまう。この部分は非常に残念である。また、その結末の内容自体にも引っかかっていて、夫婦は元のサヤに納まりました、「私」はいまだに肖像画を飽きもせず書いています、というのは、なんだか安物の映画を観せられているようである。ではどのような結末ならばよかったのか、それを具体的には挙げることができずまことに申訳ないのだが、すくなくとも本作のラスト・シーンに違和感を覚えたことだけはたしかであるし、こういう「粗」を見るにつけ、著者もそろそろ衰えてきたのではと思わずにはいられない。
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少しずつ物語が劇的に展開していく。
イデアが現れだしてから、絵画教室の生徒を肖像画を書くことになる。そして、その生徒は行方不明になる。謎につつまれたまま、つづく。
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絶妙に登場人物が絡み合ってきて
先の展開が気になる、が
この少ない登場人物たちが
これから、どうなっていくのか
これが村上ワールドなのかしら
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途中で心折れて読むのやめてましたが、1年以上ぶりに再開。気がつけば主人公と同じ歳になってました。
この歳で嫁に捨てられるのは辛い…。
読書熱が復活したからか、再開後はすんなり読めました。
登場人物が芸術家や上流階級の人々ばかりなので、会話が世俗的ではないのが読みづらさの要因なんですかね。
伏線たっぷり溜め込んでるので、最終章に期待です!
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でも如才のない免色のことだ その車が静々と坂道を降りて視界から消えていくのを かやば草 秋川笙子しょうこ ジャガーとプリウスとでは 手中に収める必要がある まったく絵に描いたようなフロイト的解釈だ あそこは決して近づいては、ならない神聖にして不可侵な場所になっていた 嘱望 雨田ともひこ具彦 そのおかけで当時の揚子江には子馬くらいの大きさに肥えた鯰がいたそうだ 多くの画家が嬉々として戦争称揚の国策絵画を描いていたことも 小径こみち じゅかん樹幹 それは確固とした意思を持って激しく収縮し、いつまでも私の体液を搾り続けた。 蓋然性がいぜんせい
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この物語で次々と起こる不思議な現象にいつのまにか慣れてきている自分と、これでもかというくらいにやってくる次の出来事にあっとはっとさせられている。次の物語の展開と結末が楽しみ。
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キャラクターが独特で読めば読むほど引き込まれる。あーそうそうこの感じって読み進めるペースが速くなってるのを見て感じた。読み進めるほど先が気になって止まらなくなる。少しづつ物語が繋がっていくのが面白くて堪らない
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まりえの口調がふかえり、遠隔受胎のエピソードも1Q84、井戸はまだ読んでないけどねじまき鳥クロニクル、小腹空いたらチーズクラッカー、ウイスキーエッセイの島、めちゃくちゃ村上春樹作品のオマージュある。まりえの失踪あたりからすごいハラハラする。
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観念が肉体を持って現出するこの世界では空想が容易に現実を凌駕する。秋川まりえのうまく説明できないけどわたしにはわかるという物言いがこの世界の特徴をうまく言い得ている。
合理性の極致としての免色とある種イデア的思考をする秋川まりえ。免色がまりえに惹かれれば惹かれるほどまりえにはそれが不自然に思えてくる。その両極端に挟まれる私。
ノルウェイの森にあるような都会的で洗練された言い回しはないかもしれない。が、よりアクがないというかプロットに引き込むようにあえて淡白に書いている部分もあるのではないかと想像する。
ともかく、免色とまりえ、騎士団長と私の関係性がどのように着地していくのか、、楽しみ。
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メタファーを用いれば、実在とは異なる、非科学的な寓話となる。一つ間違えれば、それは唯の漫画のようにご都合主義な環境設定となり興醒めだが、しかし、村上春樹の創作には、その作り話による行き過ぎた感じもなく、寧ろ何かを包含しているのではないかと、読書への示唆的な何かを感じさせる程である。技量と言っても良いのかもしれない。
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村上春樹の長編小説、2部構成第2部の上巻です。
必然なのか偶然なのか、少女の肖像画を描くことになった、主人公。
彼女の登場により、静かな山の上で生活していた彼の身辺は、ますます大きな渦のように動きます。
妻、謎の隣人、少女、少女の叔母、そして彼に話しかけてくる何ものか。
彼を取り巻く複数の人々の動き、それに翻弄される彼の姿が、この第2部上巻では描かれていきます。
その展開を楽しむことに夢中になってしまい、前2巻以上に、ページを捲る手が早くなりました。
この勢いで、最終巻も読み進めたいと思います。
『騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(下)』
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B08N5T33GT
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あらすじ
妻との離婚話から自宅を離れ、友人の父親である日本画家のアトリエに借り暮らしすることになった肖像画家の「私」は、アトリエの屋根裏で『騎士団長殺し』というタイトルの日本画を発見する。
アトリエ裏の雑木林に小さな祠と石積みの塚があり、塚を掘ると地中から石組みの石室が現れ、中には仏具と思われる鈴が納められていた。
日本画と石室・鈴を解放したことでイデアが顕れ、さまざまな事象が連鎖する不思議な出来事へと巻き込まれてゆく。
感想 村上春樹らしい小説。娘の母とどうなったかな。
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「目に見えるものが好きなの。目に見えないものと同じくらい」
「試練は人生の仕切り直しの好機なんです。きつければきついほど、それはあとになって役に立ちます」
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結局この巻までで,主人公の為人を懇切丁寧に描くことで,全ての読者を(視点や解釈の仕方は変わるだろうが)物語を解釈する俎上にあげたのかも.
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ずっとまりえちゃん居なくなってしまいそうと感じてたけれど…一体どこに行ってしまったんだろう。ユズの妊娠がとても驚いた。村上春樹さん2作目だけど表現が素敵で好きです。