紙の本
有名外国人レスラー10人を、一気に振り返られます
2020/11/19 15:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
カール・ゴッチさんやザ・デストロイヤーさんなど、かつて大活躍した外国人プロレスラー10人を、一気に紹介した1冊です。
プロレスに詳しくない私でも、楽しんで読めました。それにしても、著者のプロレス好きさがヒシヒシと伝わる内容でした。
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昭和の時代から変わらぬフミ斎藤テイスト。なんの暴露もなく、新事実もなく、ただ、多くの人が知らない在りし日の名レスラーのプライベートを、気になるリングを降りてからも含めて紹介してくれている。愛情溢れる素敵な本だと思う。
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斎藤文彦による日本でも活躍した外国人レスラーの一冊。
全て故人なので20世紀に活躍したレスラーが対象なのは当然ながら、自分はリアルタイムに見てた選手が多く、レスラーとして活躍してた時代と晩年とのギャップに、涙を誘われれた。
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フミ・サイトーこと、斎藤文彦の
新刊ノンフィクション。新書でリリースされるプロレス
本、というのは最近ではあまり無かった気がする。書店
で見掛けたのではなく、Amazonのリコメンドで購入。
登場するのは10人のガイジンプロレスラー。羅列すると、
“神様”カール・ゴッチ、“白覆面の魔王”ザ・デストロ
イヤー、“大巨人”アンドレ・ザ・ジャイアント、“人間
風車”ビル・ロビンソン、“爆弾小僧”ダイナマイト・キ
ッド、“人間魚雷”テリー・ゴディ、“殺人医師”スティ
ーブ・ウィリアムス、“刺青獣”クラッシャー・バンバン
・ビガロ、“皇帝戦士”ビッグバン・ベイダー、“暴走戦
士”ホーク・ウォリアー。10人の共通項は「故人である」
ということ。
この10人にはそれぞれ大いなる思い入れがある。である
からこそ、淡々と描かれる各人の「終わりと始まり」は、
びっくりするくらいスッとコチラに入ってくる。彼らが
リングで闘う姿は今も鮮明。フミさんが書いている通り、
ファンが思いを馳せているウチはずっと彼らは生きてい
る、と僕も思う。
極めて冷静な文体だが、行間から滲み出る愛情を誰もが
感じる筈。プロレスとかそういうのは関係無く、フミ・
サイトーのような文章は僕の理想。こういう文章を書け
る人になりたいなぁ・・・。
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まず初めにことわっておくと、私はプロレスないし格闘技には全く興味がなかったし、ちゃんと観たこともない。
強いて挙げれば『キン肉マン』は好きではあるが、それはプロレスが好きというのとは違うしプロレス的表現やエピソードには実はピンと来ていない。
ただ何となく、知らない事を読んでみようと思い手に取ったのが本書。
結論から言えばものすごく良かった。
おおよそ60〜80年代くらいまでに活躍をした、10名の外国人レスラーについて人柄・内面性をメインに、丁寧にさらっている人物伝集。
大抵の人物がパッと大きく華やかに開くが、やがて注目が離れては静かに散っていく生涯を送っており、また、えてしてその素顔というのが「レスラー」というイメージからは少し違った、豪放でありつつもどことなく素朴で繊細な、好もしい人達ばかりである。
職業の性質的には’アイドル’に近いのだろうか。
現代のようにSNSで私生活をオープンにしてきてはいないので、ミステリアスな部分や計り知れない部分が多々あり、その分、著者だけが知ることが出来た・過ごす事が出来た彼らの’素’の描写には血が通っている。息遣いのような、温もりを感じることができる。だからこそ、読んでいて心が揺さぶられるのだと思う。
この点、いまはSNSでリアルタイムに’今’を発信することは可能だが、そこに’生きている感’を見出すことは案外難しいのではなかろうか。
私は確かに、10名のレスラーの魂のバトンを受け取った。
使われている肖像写真も、良いものばかりだと思う。
個人的にはアンドレ・ザ・ジャイアントとバンバン・ビガロが好き。
1刷
2021.7.9
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斎藤さんの文章は、自分が中学か高校時代のどっぷりプロレスにハマっていた時、週プロの記事を読んでて好きだった。なんか、おしゃれでアメリカの雰囲気が漂ってて、憧れていた。
読んでてあの頃のスーパースター達が皆、早死にしている事にショックを受けつつ、彼らのプライベートが知れて興味深かった!
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著者のプロレスエッセイは何作か読んだことがあるが久々に読んだのが今作。
誰をとっても日本のプロレスシーンから切っても切り離せないレスラーを取り上げてはいるが、著者の好みや距離感の近しいレスラーほど、無味乾燥な描写よりペーソス漂う著者独特の文章が増えていて読み応えがある。
鬼籍に入ったレスラーのみを取り上げているせいもあるだろうけれど、ここに挙げられたレスラー以外を見渡しても、現役を全うした後に余生を幸福に過ごしたレスラーのなんと少ないことか。
それだけ(精神的にも肉体的にも)過酷な職業だと言えるのかも知れない。