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著者オリジナルの半獣・オメガバース?
2021/04/21 09:25
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投稿者:M★ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何のことなんだろう?と思いながら読み進むと、
著者オリジナルの半獣・オメガバース?
左右の目の色が異なるオッドアイの第二王子ルスキニアが生まれる。
特に王子のように青と銀の瞳を持つものは、不吉を呼ぶ悪魔と忌まれていた。
オッドアイの男子を産んだために、隣国から嫁いできた正妃は、子供と一緒に幽閉に。
でもこの国がオッドアイを忌む訳は、敵対する半獣人の王族の慣習を蔑む為。
その半獣人の王が統治する国に滅ぼされた後、一人残った第二王子が、半獣人の王アルアクバルに、国民の安全の保障と引き換えに嫁入りを申し出る。
嫁いでから知る、自分自身の体についてと、自分の両親の不仲と実父の非情。
BLとしてではなく、主人公が葛藤しながら成長する過程が、読み物として面白かった。
文の調子も、イラストも、主人公のキャラ設定も、「お金がないっ」とほぼ同じの健気受。
「お金がないっ」のオリエンタル・オメガバースバージョンと捉えて読めば、
著者のファンならすんなりいけると思う。
この一冊だけじゃなく、シリーズで数冊続くと、もっと面白くなるのかもしれません。
面白かった。
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▼あらすじ
亡国の王子ルスキニアは、男でありながら子を孕み、 その美貌が人心を惑わすがゆえに“娼婦"と蔑まれる希少な徴(しるし)を持って生まれた。北の塔で一人きり育てられたルスキニアは、生き残った民の命と引き換えに 故国を滅ぼした若き王アルアクバルの元へ妃として差し出される。
血に飢えた残酷な王と噂されるアルアクバルの後宮は、 しかし寵姫が誰一人いない寂しい庭園だった。 戸惑うルスキニアの前に現れたのは、見上げるほど大きく美しい漆黒の虎。発情した獣に幾晩も犯されたルスキニアは、それがアルアクバルの獣化した姿であり、自分が聖なる獣の子を宿すために求められたことを知るが…!?
孤独な虎王と黄金の鳥籠に囚われた王子が夜ごと交わる、エキゾチック・ファンタジー。
***
ストーリーの完全度:普通
トーン:シリアス
エロ度:やや高い
萌え度:普通
総合評価:★4.0
亡国の王子様(スルキニア)が故国を滅ぼした獣人の王様(アルアクバル)にひたすら大事にされるお話でした。
受けは幸薄系美人、王様は見た目的に俺様系かと思いきや意外にも寡黙系で吃驚!(笑)
口数はあまり多くないけど実直で優しいところに好感が持てました。褐色肌なのもポイント高いですね(笑)
ストーリーは最初に獣姦シーンがある以外は穏やかで甘めな 雰囲気が続くのですが、最後の方にちょっとだけシリアスな展開(戦闘系・流血描写あり)があります。
割とグロいので苦手な人は注意した方がいいかもしれません。
前回、『社畜な僕と狡猾な悪魔の幸福な結婚』を読んだ時にも思いましたが、篠崎先生は攻めが無双して敵を容赦なくぶちのめすシーンを描くのがお好きなんでしょうか…?(社畜と悪魔も結構グロかった気が…笑)
今回は作品の雰囲気的にそういうシーンは無いだろうと思っていたのでちょっと意外な展開でしたね。
それにしても、スルキニアとアルアクバルには本編でもっとイチャラブしてほしかったなぁ…。
スルキニアは常にビクビクしてアルアクバルの顔色を窺っているので(彼の生い立ちや境遇を考えるとそれも仕方ないのですが)、早くこの二人が打ち解けてラブラブになってほしいなと思いながら読んでました。
まぁ、結局この作品でスルキニアが王の子を孕むという展開も無かったですし、最終的にラブラブになったかと言われるとうーん…って感じなんですけどね(^^;)
二人が心を通わせるまでの過程はしっかり描かれているのですが、ラブラブになるにはまだ時間がかかりそう。
今後はスルキニアの方からもう少し積極的にアルアクバルに近付いてくれると良いんですけどね。何ならアルアクバルの耳とか尻尾とか勝手に触っちゃったりするくらい肝が据わってくれたら尚良いのですが(笑)
個人的にはもう少しイチャラブ度が欲しかったところではありますが、世界観もエキゾチックで素敵でしたし、続編が出るなら読んでみたいと思える作品でした。
因みに、巻末に収録されている香坂先生のおまけ漫画も楽しく読ませていただきました。スルキニアがただただ可愛かったです(笑)
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欠損した肉体を持つ者を忌み嫌う国スピルビナでも最も忌避される青と銀の瞳を持つプロスティブラとして産まれた王子、ルスキニア
神たる獣として獣の耳を戴く獣人であり民に他国に恐れられるイウサールの王、アルアクバル
二人の純愛物語
人としての尊厳も自我も与えられず生きてきたルスキニアは自分に向けらる想いを理解出来ない
アルアクバルは近寄りがたいオーラと感情を抑えるため想いに不器用
少しずつ寄り添う二人の心が会話ではなく、ルスキニアの自我が目覚めることで表現されていて素晴らしいです
儚げでありながら、心根が真っ直ぐで強いルスキニアは可愛くて悶えますし、アルアクバルの不器用な愛情にも悶えさながら楽しめました。身体の開発とか貞操帯とか、話の展開も盛り込みも凄く良かったです