紙の本
影の者らしからぬ異例の結末。
2016/11/30 10:19
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
第一話「梅見鰤」では事件の影すらなく、料理の具体的な話が中心であるが、話の中で何故か「鰤尽くし」の話が謎かけ的に再三に渡って出てくる。あれまと思って第二話「饅頭卵」に進むと突然、10年前の悪事へと繋がる事件に遭遇することになる。初めは些細な“夜光の珠(真珠らしい)”紛失事件なのだが、どうも不自然な展開をするうちに関係者が毒殺(與助)・刺殺と相次いで殺されてしまい、一瞬にして大事件となってしまう。毒殺された與助は、10年前に奉公していた大店の女店主から一人娘の世話は見るとの約束で、大店の放蕩息子の殺人の罪を被って八丈島に島送りとなったのであるが、その一人娘は謎の他殺体となってしまう。與助は、その真相を突き止めようとしていた矢先に毒殺されてしまったのである。ひょんなことから與助の今際の際に立ち会った季蔵とおき玖は犯人捜しを決意しての第三話「吹立菜」突入である。この後、どうも料理「鰤尽くし」との因縁話絡みの大事件へと発展しそうな気配である。第三話は予想通り、料理「鰤尽くし」との因縁話へと繋がる短い一話で、10年前に先代の塩梅屋店主・長次郎と交流のあった“儀平次”(昔は南町奉行所所属の隠密廻りだったが故あって料理屋を営んでいる)が登場し、料理「鰤尽くし」との因縁話や今回の大事件への手掛かりとなったところで第四話「ひとり膳」へと繋がる。10年前の真相を探るうちに、儀平次も殺され、更には阿片であくどく遊興費を稼いでいた放蕩息子までも殺されるにおよびようやく今回の真犯人が見えてくる。それは、店の将来を心配し、放蕩息子を分家して娘に婿養子を取らせて大店を守り、更に放蕩息子にもそれなりの生活を保証することでそれ以上の悪に染まらないようにと配慮して、その世話人に頼んだ同じ薬種問屋の店主であった。真相を知った季蔵の元に烏谷が暗殺命令をとやってくるが、今回の結末は少々異なる。余りの非道さに怒り心頭に発した季蔵は、“白洲”に引き出したうえでの処罰を望み、自らが囮となって真犯人に自供させてお縄にするという結末である。ムーーー、これまでの悪人でもっと悪辣な奴が幾らでもいたのに、今回だけ何故“お白洲”なのか・・・・・・。まあ、偶には変化をつけてみたかったのであろうが、人気シリーズものとしては一つの形を守った方が良さそうだし、今回の事件では敢えて“お白洲”にという必要が無かったような気もするのだが・・・・・・。
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第十二弾
全店主の過去を含め、係わりのある事件を解決
派手さはないが料理にかこつけて背後の悪を暴きだす
登場人物の恋模様も気になるころか
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季節は春。桜か、梅か。そんな談義に花が咲く心地よい季節とは裏腹に、ぶっそうな事件が、またも季蔵を襲う。
烏谷の旦那も塩梅屋の常連も割と隅におかれた感満載で、それが、なんとも物足りないが。
コナンかっちゅうぐらい、ばったばったと人が殺されていく殺伐とした感が否めない。
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L 料理人季蔵捕物控11
事件の展開についていけず。早くも複雑でもないのについていけないのはなぜだ。盛り上がりにかけるからか。
瑠璃も死なず回復傾向だし、豪助のおき玖への気持ちも本人に伝わったようだし、もういいよそれで。って感じ。
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先代が書き残した「ひとり膳」という言葉の謎が解けずにいた主人公だが、10年前からの事件を紐解いて行くうちに、このひとり膳の謎も溶けて行く。
事件と料理の謎が綺麗に解け、脇役たちの想いも少しずつ変わって話が進んで行く。
このシリーズももう11冊なのね。
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今回は確かに人死にはあるのだけれど、事件らしい事件という感じではなかったです。
亡き先代の約定が思わぬ形で梅の季節に動き出します。
瑠璃が回復傾向でも、季蔵を認めることはないかもしれないですよね。
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料理人季蔵捕物控も、11冊目。
毎回、江戸時代には、どんな食事をしていたのだろうと、想像する。
電気も無く、娯楽も無く、唯一の楽しみは、食事では無かったのか?と、思う。
今回は、如月で、、梅づくし。
鰤の、調理法や、ハーブのマンネンロウ(ローゼマイラン)を使っていたなど、、、今の食生活よりも、色々なことを試していたのだと、考えられる。
第2話に出てくる、饅頭卵と言うお菓子も、茹で卵の黄身を使わずに、白身の方を、皮として使用して中に、こしあんを詰め
又貼り合わせる、、、等、今、店屋に無いものが書かれているところが、面白い。
今回の「ひとり膳」は、先代 長次郎が、書き遺していた、鰤づくしを、封印していた理由と、夜光の珠の盗難、殺人事件へとのつながり、、、
読み解いて行けば、なるほど、、と、思うのだが、少し、複雑になりすぎてきているのでは、、、、、と、、、思う感もある。
しかし、たんぽぽの葉のお浸しと佃煮、加賀の吹立菜などの食材に、、、、
春慶塗りも、飛騨の春慶の松花堂と能代の春慶が、あるのも、知らない事だらけ。
家にある茶卓は、どちらの物なのだろうか?と、思いながら、一服しながら、読み終えました。
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長次郎が大事にしていた松花堂弁当と、三段重の提げ弁当の春慶の塗りの入れ物。
これを使った毎年お馴染みの梅見弁当。
が、しかし三段重の方は使われた形跡がない。
その秘密には。。。
身代わりで八丈島への遠島となった手代の無念を晴らす。
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内容(「BOOK」データベースより)
江戸に梅が咲き始めた如月、一膳飯屋“塩梅屋”では、梅見弁当の準備がはじまった。先代長次郎が生前、書き遺していた「能代春慶、三段重提げ弁当、梅見鰤、ひとり膳」という言葉が気になる主の季蔵…。そんなある日、おき玖は父・長次郎を偲ぶ梅見へ出かけたが、大雨が降りはじめ、梅の木に雷が落ちたという知らせが塩梅屋に入った。おき玖を案じた季蔵が急いで迎えに行くと、屋敷内で“夜光の珠”が盗まれたと大騒ぎになっていた―。「梅見鰤」「饅頭卵」「吹立菜」「ひとり膳」の全四篇を収録。料理に支えられ生きてきた者たちの、人を想う切なさとあたたかさに溢れた大人気シリーズ第十一弾。
令和2年7月24日~26日早朝