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新証言と膨大な資料を駆使したノンフィクションです。
今なお謎が多い、この事件の真相に迫ります。
関係者に取材し、多くの新証言を得て、田中角栄を葬った真犯人に迫ります。
今だから語れる、ロッキード事件の真実。
読み応えありました。
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ロッキード事件とは何だったのか、様々な関係者がどんな人物だったか。時代やメディアの潮の流れは何を求めていたのか。人物像や時代背景から事件を掘り起こしていく。
日本の立法・司法・行政の縮図のようにも見える
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田中角栄元首相が捕まったロッキード事件の検証。これを読むと、田中角栄は犯人ではなく、真犯人は別にいることがわかる。多くの関係者が鬼籍に入り、事件はほとんど風化してしまった中、著者はさまざまな仮説を投げかけ、多面的人事件を検証していく。その様がとてもおもしろく読むことができた。
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都下M市図書館で借りだしたとき、そのあまりの分厚さに、「京極夏彦かっ!」と心の中でツッコンだ本作。600ページに迫らんとする圧倒的な文量だけど、思わぬほどサクサクと読み進められた(ほぼ半分まで一日で読み進めたくらい)。
偏に、田中角栄という稀代の人物の魅力、著者初?のノンフィクションながら、次々と謎解きが進むかのような展開と、行き詰まりそうになると、小説家としての力量を存分に活かした妄想で、45年も前の事件に新たな解釈と視点を加味していく。
読み飽きることなく、一気に読了できる力作だ。
結果として、謎は解明されることはない。がしかし、過去、何度も、数多の人間がさまざまな角度から検証してきたこの事件に、現代(いま)の視点からの解釈を加味したのは意味あることだと思う。
曰く、
「政治家・田中角栄の息の根を止めたのは、別にあった。
世論だ。」
卑近な例ではあるが、TOKYO2020では、誘致から準備の段階で、いや、開会の直前まで、関係者の多くが世論のヤリ玉に挙がり、社会的に葬られてきた。ロッキード事件の当時よりも、世論の切っ先は、その鋭さを増していることを、本書は警告していることも読み取れる。
角栄逮捕の為に、総理大臣の職務権限を無制限とした法解釈に対し、当時中央大学法学部の教授だった橋本公亘の「ロッキード裁判の法律的問題点」と題した論文を紹介し、
「冒頭で、橋本は米国連邦最高裁裁判官を務めたオリバー・ウェンデlル・ホームズ・ジュニアの言葉を引用している。
― 大事件は、難事件と同じように悪法をつくる。」
と、法治国家とも思えない、危うい日本の司法の在り方にも問題提起をしている。
そして、なにより
「角栄を犠牲にしなければならない必然的理由があった、のではないだろうか。」
と著者が追及を進める先に、見え隠れするのが、「70年代の米国は日本をどう見ていたかという視点」と、今なお、日米の間に重くのしかかる安全保障の問題だ。
著者はこう記す。
「ロッキード事件では置き去りにされたPXLにまつわる疑惑を解き明かさなければ、防衛問題における重い呪縛に、我々はこの先も何度も苦しめられるかもしれない。」
つまり、70年代どころか、過去から今までずっと変わることのない、アメリカの日本に対する姿勢、— 要は、端的に言って、単なる属国としか見ていない ― と、角栄逮捕の騒動に隠された、アメリカという国家を挙げての軍需産業の複合体の存在の危険性に他ならない。 それは、対日本だけの問題ではなく、今だ、地域紛争がなくならない世界情勢の背後に、隠然たる存在感を放っている。
45年前の事件の再検証で示した、今の日本への大いなる警鐘が、本書の肝だろう。ノンフィクションでなく、著者の妄想が過ぎる部分が多すぎれば幸いと願うのだが・・・。
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ロッキード事件を扱ったノンフィクション。
たくさんの資料、取材から真相を推測していく。
凄いボリューム、これで2500円はお得。
知っている人は知っているんだろうが、
ロッキード=田中角栄=アメリカの策略
なんて簡単な話でないことが、よくわかる。
金に塗れていたことは疑いないと思うが、こと
ロッキードに関しては、有罪ではないと思われる。
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誰が田中角栄を葬ったのか?検察捜査の金字塔といわれる元総理の逮捕。発生から40年、今だからこそ明らかになる真実とは。近年になって、政治家としての角栄が再評価されている、「ロッキード事件において田中角栄は、本当に有罪だったのだろうか」との疑問に鋭く切り込む作品。550ページ越えの大作。
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2021年になって本書を発表した著者のロッキード事件へのこだわりを感じる。導入編として、ロッキード事件がそもそもどういった事件だったのかについてのおさらいがあり、ロッキード事件をリアルタイムで知らない自分にとっては、大変助かった。そして、ロッキード事件について、田中元総理が関わった収賄事件、という程度の認識しかなかったが、見事にその認識は正されることなった。アメリカの立ち振る舞い、司法判断に対する世論の影響など、現在進行中のできごとを考える上でも、重要な視点をもらえた。扱っている題材の性格上、仕方がないが、後半部分は他の著者からの引用が多く、実際に著者本人が直接知りえた情報、話などが限られていたのが少し気になった。
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児玉ルートとその先に中曽根がいる。丸紅ルートよりもこちらが本命で、自主エネルギーを目指した角栄はトカゲのしっぽ切りで、キッシンジャーにハメられた。
児玉ルートが本命であった事は納得性があるが、こちらは証拠がなく立件できず、丸紅ルートに絞ったのだろう。
角栄の政策をやや否定的に扱っているのが意外であった。
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500ページ超え。
図書館で借りたのだけど、2週間で読み切るのはなかなか大変だった。難しい内容ではないのだけど、分厚いんで気が負けるというか、なかなか読み進んでいる気がしなくて、返却期限が気になるし…
田中角栄のロッキード疑惑をめぐる本。
ロッキード事件と言えば、戦後最大の政界の闇と言っても過言ではない事件。
裁判の頃、朧げに記憶あるけど、幼心に「無罪になればいいな…」と思っていた。理屈はない。ただ、直感だけど、田中角栄がそんなに悪者に思えなかったのだ。
おじさんになった今では、政治にどういう正しさを求めれば良いのか、よくわからなくなってしまった。
この本を読み進めていくうちに旅客機選定のための賄賂の5億円なんて、たいしたことないじゃん…と感覚が麻痺してくるのが怖い。
ただ、現在よりも、昭和の頃の方が、政治が国を動かしていたな、と。
この頃の政治家の金銭感覚に比べると、今の政治家はずいぶん清廉潔白になった気がするけど、国民の政治への期待も小さくなったよね。
この本読んでの感想だけど、ロッキード事件でいちばん悪いのはN曽根さんだね…。きっと。あと、S藤さんもそうとう…
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中曽根はキッシンジャーが田中をやったのは失敗だったと言った書いている
キッシンジャーは田中角栄が嫌い
中曽根は5才年下のキッシンジャーを師と仰ぐ
丸紅が渡した4億円は政治献金
児玉はCIA 小菅刑務所で日系アメリカ人通訳福田太郎がスカウト、福田が児玉をロッキードに紹介した 福田1916ソルトレイク生まれ二重国籍、早大S14卒、満鉄勤務、終戦後拘束後、巣鴨勤務。76/6死亡
福田太郎にインビューした毎日新聞板垣記者76才に会う
ロッキードの窓口、シグ片山は領収書作成
ロッキード東京支配人鬼俊良
P-3Cの導入には21億円の賄賂?
中曽根は対潜哨戒機の国産化を支援したが米国製輸入に
中曽根は金で動かない政治家
児玉が21億円を懐に入れたことになる?
児玉に渡したかのようにしてロッキードがニクソン渡した選挙活動費用
日本は米軍基地があるので現金持ち出し簡単
アメリカの法律では外国で企業が賄賂を渡しても罪にならなかった
佐藤栄作の暗躍については関係者は一笑した
ロッキードは世界中で賄賂をばら撒いていた
イタリアでは疑惑の元首相は過激派に誘拐され遺体で発見
オランダの殿下が戦闘機選定の立場があり疑惑
ドイツでは国防大臣の悪事が露見したが賄賂の証拠なし、法務省の調査終了
田中角栄辞任後の三木首相が元首相を逮捕を後押したのは、キッシンジャーの想定外
賄賂を受け取った高官を田中角栄にしたのは揉み消すのを期待
中曽根は自分に疑惑がかからないように
MOMIKESHIを米国に依頼
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刑訴法321条1項、2項
第三百二十一条 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
一 裁判官の面前(第百五十七条の六第一項及び第二項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
② 被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
③ 検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
④ 鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
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600ページ近くの大作。各種資料、証言を多面的に分析してしっかり評価していく手法は納得感があり、且つ良く考えさせられた。田中角栄という政治家、中曽根元総理の知らない面が良く理解できた。他の見方も確認して行きたいが、ことロッキード事件に関しては、角栄はやはり無罪なのではと感じられた。全日空の逮捕者も一般人故、あまり取り上げられないが、無罪とすれば、あまりに不運、、冤罪は絶対避けなければ。
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ハードカバー、600ページ近い大作。本屋で見かけて気になり、図書館で予約から半年近く待って、ついに読めました。
著者名から、勝手に小説かと思っていたら、ノンフィクションでした。
自分の、田中角栄・ロッキード事件の予備知識は、
「日本の戦後を知るための12人 池上彰の〈夜間授業〉」を読んだときに、その12人紹介されているうちの一人が田中角栄だった、というくらい。
そのため本書は「細か過ぎた」というのが、感想。
しかし、難しくて理解できないというようなことはなく、関連書籍を読んでいけば、本書で得た知識と繋がって来るところが多々ありそうな予感がします。
以下はネタバレ。結局は真相は全て不明だが…
・アメリカからしたら、角栄逮捕まで進展するのは予想外だった
・ロッキード社は、ニクソンに多額の献金をしていた。その恩もあり、アメリカはロッキード社を守るためなら、日本の政治家・官僚を犠牲にすることは厭わない
・そもそも、ロッキード社からニクソンへの献金を、日本経由で行った(企業献金が禁止されたから)という見方もできる
・本丸は、全日空機ではなく、自衛隊機。角栄ではなく、中曽根or佐藤栄作or児玉誉士夫
・アメリカからしたら、「角栄の名前出しておけば『日本人はさすがに元総理は逮捕できないだろう』と、事件をうやむやにしてくれる」という読みがあった。しかし、それは外れた
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個人的には、戦争を除けば昭和史最大の闇だと思うロッキード事件。小説家があえてノンフィクション作品として執筆した力作。
田中角栄の失脚、陰謀論など、丹念に公開された情報を検証している。
トライスターの購入でなく哨戒機P3Cの方が機数も金額も桁違い、日本に限らずアジアでは一般的にリベートの存する世界。
やはり筆者の主張するように田中角栄は嵌められたように思える。
圧倒的なボリュームの大作で思いのほか読むのに時間がかかってしまった。またいずれあらためてじっくりと再読してみたい。
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やっぱり想像以上に、読み終わるまで時間がかかってしまったな。小説家がノンフィクションを書き、そのテーマがロッキード。自分が小学生の頃の事件だし、角栄さんも知ってはいても、そもそもリアルタイムではないし、最初に本屋で見かけた時もその分厚さもあって読みたいとは思わなかったのだけど、上記の宣伝コピーを何処かで見かけてやっぱり読んでみようと思い手を染めた。
だからこそ、こんなに、角栄だニクソンだキッシンジャーだ、中曽根だ沖縄だ、なんだかんだとテーマを拡げ過ぎてるように思えた。もっと誰かの視点から見たドキュメンタリーのようなもので有れば、もっと感情移入もできたろうし、面白かったように思う。
でもおそらくは、そういう一面から見たのでは気づけない事件だからこそ、終始、突き放したような視線で書かれているのかもしれない。
いずれにしても、面白さ云々は別として、この事件がどういうものだったのか、再認識することができたように思える点は、読んで良かったのだろう。