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むー、むむむ。必要悪か?
苦手な経済モノだけど、一気に読んでしまった!
ラストが秀逸。相馬さんの筆致力に脱帽。
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題材は良いと思うが、フィクションにしただけで、何もプラスされたものはない。
ノンフィクションを名前を変えて小説にしただけで、ひねりも何もないのが残念!
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いつもながらにリアリティがある経済描写。でもリアリティがありすぎて今回はフィクションとして純粋に没入できなかった。善悪つけきれずにグレーというのも現実世界そのものだった。
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著者は社会派の小説を良く書いているが、今回は日銀による異次元金融緩和。題名からして、その出口戦略が書かれているのかと思いきや・・・
話の大部分は安倍政権と黒田日銀総裁が始めた、現代では過去に例のない程の、事実上の財政ファイナンスの有り様が書かれたものだ。しかしこの流れは事実として既に知られていること。現在も継続中の超絶金融緩和の出口戦略は無いと言って良いだろう。無責任な行き当たりばったりの政策を推し進めたが(個人的にはモリカケサクラより遥かに悪政だと思うが)、ごく一部の人達が批判しているだけ。これをどのように終わらせることができるかが、日本の未来を決定付けると思う。
その始末がこの小説に書かれたのではと、期待してしまった。つまらなくはなかったが、思ったものとは違っていた。
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この国には出口戦略がない。
なにか事を始めたら、終わりがないまま突き進み、いつかくる強制退場というExitにぶち当たるまでは止まらない。
不発弾に続くシリーズの位置づけの本作で主軸となるのが、営業から経済記者への急遽の転属となった新米記者の池内と、前作不発弾で金融会のフィクサーの古賀。
地方銀行の銀行員の自殺を端に発し、リフレ派に舵を切った日銀の国債発行の弊害について、池内が古賀に迫っていく。
高校時代の彼女が訪問し、今は駐車場の土地にマンションを建てないかという営業に来たと、叔母から池内に連絡があった。
仙台の地銀に務め、今は殆ど連絡をとっていないのに、なぜ吉祥寺の叔母のところへ。
メガバンクに務める友人に事の顛末を話すと、地銀によるなりふり構わない営業実態を聞くことになる。
そして彼女の話を断るよう叔母に伝えた数日後、その彼女が自殺した。
出版業の営業から経済記者に配置換えされて早々、この地銀の営業について取材を続けるうちに、金融史の節目で暗躍するフィクサーの存在にたどり着く。
小説であるが、背景はすべてこの2,3年に起こったことを元にしている。
「この国には考えることを放棄した人が多すぎる。言い換えれば、馬鹿ばかりです。もはや修正不可能です」
相場英雄はこういう重厚な経済小説のが読み応えがある。
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現在の日本経済の危うさを描いた作品。
そこまで関連性はないが、東芝事件を描いた「不発弾」に登場した金融コンサルタント・古賀が再度登場する。
2014年の金融緩和の決断の時に不正があったことをうかがわせる場面から始まり、時は「20XX年」に移行する。
月刊誌の営業マンだった池内は、突然現場の記者へ異動となる。
時を同じくして、池内の学生時代の元恋人が地方銀行の営業として、都内の池内の実家の所有する土地の取引を持ち掛けていた。
このシーンは何年か前にあった駿河銀行のシェアハウス問題だと思われる。詐欺として、立件されたのは駿河銀行だったが、実際には他の地方銀行も立ち行かなくなり、同じような実態を抱えていたのか?経済に詳しくない自分でも、地方銀行の苦行が伝わる。
そんな時に起きた日銀内でのスキャンダル。
そのスキャンダルは日銀だけでなく、政府も巻き込むことになり、やがて池内と古賀は接触することとなる…
「不発弾」の時も感じたが、全体を通して、難しい。
現政権や、実際にあった事件と繋げることは容易だが、そもそものからくりが難しくて、途中で離脱したくなる。
しかし、後半は新型コロナの問題も関わって来て、さらに身近な金融危機に、何とか最後まで読み通すことが出来たが、結局「ノー・イグジット」のまま。
物語の中も、現実も出口が見えないまま、コロナが落ち着いた時にいろいろばらまかれた保証金などは、国民にどんな爆弾として落ちて来るのか?
そんな不安だけが残る内容だった。
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・表紙が常盤橋の交差点から日銀の風景。
掃除屋と新米記者の二軸で物語が展開。
時事ネタと合わせた展開に、現実にも裏があるのかもと妄想するのが楽しい。
・前作「不発弾」を読んだ後の方が、人物の背景をより理解でき、楽しめる。
・「日本にとって、新型ウイルスは意図せざる形で援軍になった」今は日本にとってチャンスタイムかもしれない。
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異次元の金融緩和、行き過ぎた財政出動にコロナ禍が追い打ちをかける。月刊誌記者の池内が取材を進める中明らかになったのは、業界や選挙ばかりを気にする政治家、彼らに迎合する日銀、何より政治や経済に目を向けない愚かな国民の存在だった…。はたして日本に出口(Exit)はあるのか…。問題提起としてはいいが、小説としてはマスコミ、地銀の問題、中小企業支援広がりすぎて収集つかなくなった印象。
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コロナ禍が続く中、エムエムティー理論と財政規律、消費税など日銀による国債の無尽蔵な発行、株式の買い付けによる価格維持策、様々な問題を含みながら、出口戦略を探し続けていると言われているが、答えはどこに見つかるのだろうか?
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国の経済のひっ迫状況を描く社会経済小説。
安倍政権下を彷彿させる現在進行的な物語で、連載時機を見ると途中から新型コロナの影響も取り入れていると思われます。
国債のマイナス金利は衝撃的なニュースではありましたが、それをベースにここまで物語を膨らませるのはさすがだと思います。
主人公の一人の古賀は「不発弾」から繋がっているので続編とも言えます。
営業部門から編集部門に移動になった出版社の池内が経済素人なので、読者にも金融危機についてかみ砕いて説明されるのでわかりやすいと思います。
あの宰相の孫の財務大臣は優秀だと思っていましたが、この小説ではちょっと持ち上げすぎかも。
古賀の年齢も年齢だけに続編は難しそうかな。
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ここ数年の政権の意向、経済の実態のリアルな部分にフィクションを組み合わせた小説。超低金利で商売が行き詰まった地銀、金融緩和を日銀にあの手この手で強制する政権。副総理兼財務大臣から裏の仕事を頼まれるフィクサー古賀と経済をネタにしようとする月刊誌記者池内を中心に物語は進む。
既に知っていることが少なくなかったので「ガラパゴス」のような衝撃はなかったけれど、日銀や地銀の現実、フィクサーは本当にいるのかも知れないと思わせてくれた。小説としてはまあまあ。
ただ、副総理は現実の人物に似ていて、もしかしてこの人はこんなに優秀なのかと、(誤解?させてくれた)
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日銀の多額の国債買い入れや超低金利施策による異次元の金融緩和、ETF買い入れによる株価維持施策はいずれ国債の暴落や日銀の債務超過を招き、日本経済が破綻する。そろそろ「出口」を探らなければと思う人も多いが、新型コロナウイルス感染拡大が経済を直撃、「出口」への議論がしぼんでいるのが実状。
この小説は、そんな日本経済が抱える現状に焦点をあて、実在の首相、大臣や日銀総裁をモデルにした人物や架空の金融コンサルタントなどを登場させ、かなり過激な展開で描く経済エンターテイメント作品になっている。
主人公の池内は人事異動で初めて経済分野を担当することになった雑誌記者。仙台の地方銀行員で東京に営業に来ていた元恋人が自殺したことから、彼女が訪れていた金融コンサルタントの古賀に接触する。古賀は、バブル崩壊後、不良債権を抱える企業や金融機関の延命に暗躍し、政権の中枢から頼りにされる伝説のフィクサーだった。
池内は取材活動を進めるうち、金融界や政治家の裏と表、日銀の内部抗争、日本経済が抱える闇の部分を知ることになる。
安倍首相、麻生副総理、日銀の白川前総裁、黒田現総裁をモデルにした人物たちが限りなく実像に近い姿で描かれたり、アベノミクス、森友問題や桜を見る会などの事件も取り上げられているのが興味をそそる。特に麻生氏のモデルである磯田副総理が古賀を利用したり、裏工作をする様子はさもありなんと思わず笑いが込み上げてきた。
公定歩合という呼び名や金利の概念が消えたこと、中小企業金融円滑化法(モラトリアム法、平成の徳政令)が2019年3月末まで延長されゾンビ企業が増えたこと、金融界の裏側で経理や帳簿をごまかしきれいにする「掃除屋」が存在すること、ハイパーインフレ、金融機関の生き死にに関わる問題は報道機関もおいそれと記事にするわけにはいかないことなど、勉強になることも多々あった。
主人公・池内が経済に関しては素人であり、初歩的なことから取材に入ったので、経済通でない自分も同じ目線で金融政策の一端を知ることができたことが良かった。
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今日の日銀の政策決定会合。上限無く国債買い入れられる大規模金融緩和策継続だけではなく一段の金利引き下げも可能に!EXIT出口はますます遠く。でもメディアは本質伝えず…小説の形借りた、お勉強本。相場さん、あらゆる媒体使って警鐘鳴らしてくれないとホント日本沈没!
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日経ビジネス連載時から単行本になったら読もうと思っていた作品。いつもながらの相場節全開で現実とほぼリンクしたスタイルは読み応え十分。直近の政治経済状況を知る上で教科書に用いてもいいような内容でありながら、確りとエンタメ要素も盛り込んで読み易くしており、一気読みさせていただいた。
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同作家の小説''不発弾''で登場した、経済コンサルタント古賀遼と大手出版社の新人経済記者が日銀副総裁の後任人事を巡るクーデターで争う。
新人記者の池内は、仙台の地銀で営業をしているかつての恋人が突然訪ねて来た翌日に自殺をする。
経済素人記者は、その真相を探る為に銀行勤めの同級生やフリーライターの先輩、怪しげなコンサルタントと接触し金融の知識を深めると共に、地方銀行の怪しげな決算対策に自殺した元彼女が利用されていた事を知る。
ストーリーは、元カノの自殺究明では無く日銀と日本の財政を取り巻く状況が淡々と描かれた、フィクション経済小説です。不発弾に比べるとかなり落ちます。