紙の本
行動慮法の基礎部分
2015/10/22 10:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たい - この投稿者のレビュー一覧を見る
面接における、人のふるまい、言葉などを、山上先生の行動療法の観点からはどのようにとらえるか、ということに講義の力点が置かれているようです。行動療法における一つ一つのタームの解説、技法の解説はあまりなされていません。
お話をうかがったことがなかったので、ふーんこういうふうに理解しているのか、と興味深く読めました。口語体で平易なのですが、タームではない独特の言い回しがくり返されていて、その点は注釈か、さらに解説がほしいと読みながら思いました。
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褒めて強化するというが、その言い方は間違い。褒めることが強化子になっているかどうかは、結果を見なければわからないから。強化は、その結果が前の反応をどう左右しているかで正の強化になったり、負の強化になったりします。でしから、それがどちらかになったのかは、あとで言えること。その影響の仕方で強化自体が変わる。
クライアントの希望に沿った目標を立てること。当たり前だ。
想像力を働かせて聞く。とにかくよく聞くこと。
不安になったときにゼロ百思考になっていることが多い。ゆっくり深呼吸してクライアントの顔を見たらよい。
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今までの行動療法のイメージが間違っていたことに気づいたし、
行動療法的要素は説明が分かりやすいし、これから色々組み込めるような感じがする。
関わり方について勉強になった!また時間をおいて読みたい。
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行動療法の「行動」って何?「具体的にとる」ってどういうこと?そんな疑問を解消し、臨床に活かすための考え方を提供してくれます。
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行動療法のというより、心理療法および面接の総論をわかりやすく述べられた本。優れた人は難しいことをいかにわかりやすく説明できる人であることが実感できる本である。
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行動療法とはどんなものなのか、イメージを掴むのに最適な本だと思いました。文体は口語体で親しみやすく読みやすかったです。
行動療法の役立て方はもちろんのこと、臨床で気をつけることや、心構えなどにも触れられており、行動療法を用いた臨床活動をしたい人だけでなく、臨床に携わる人全般にも価値のある本だと感じました。
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臨床は技術である。技術には練習が必要である。目の前にあるものを扱うのが臨床。精神活動を含めて、刺激に対する反応全てが「行動」である。行動を具体的にとることがクライエントを理解するということ。理解なしに共感はない。
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・たとえば「その子は、ある先生の授業のときに乱暴が多い。『先生の授業は好きじゃない』と言っているように見える。この先生と相性が悪いのかしら」と想像して、先生の授業はどの授業でもいつも乱暴があるのですか」と質問してみる。質問は、聞くこちら側が頭をいっぱい使って、向こう側がハイとかイイエで答えられるような質問の仕方をするといいですよ。逆に、クライエントのほうがいっぱい頭を働かせなければいけなくて、セラピストのほうが頭を働かせない質問というのは、よくないです。役に立ちません。
・不安になったとき、ゼロ百思考になっていることが多いんですよ。「治さなくてはいけない。でも治せない」と考えるでしょう。そうではなくて、「自分が手伝えるところは少しはある。どこかに少しはあるはず」と思うこと。若いうちは、「絶対に、全部、何もかも、完全に」と思ってしまう。理論についてもそう。そんなになりがちです。けれども、わからないことはいっぱいあるし、そんなにきれいには見えませんね。
・問題解決は、クライエントの問題理解とセラピストの問題理解とが二等辺三角形みたいなところで進んでいく。クライエントがこれだけわかったら私もこれだけわかる、私がこれだけわかったらクライエントもこれだけわかる、というようにして進んでいくように思います。絶対にことらが先というわけではないね。このように進んでいくと「問題は何々のせいだ」というような見方は、でなくなりますね。そして、クライエントも、そして治療者も元気になっていく。
・受講生 私が関わっている事例で、クライエントは来談などとてもできない状態だと思っていた。ところが、そのような状態で来てくれた。そのことが嬉しいというのがあって、そのことを言ったんです。具体的に治療をどう進めるかという考えはほとんど私のなかにはありませんでした。「来てくれて嬉しい」と言うのは良くないのでしょうか。
山上 その人がここにやっと来てくれたという、そこに目を向けて声かけをしたらどうですかね。嬉しいというのは素直な感情かもしれないけれど、クライエントは治療者が喜ぶために来るわけではないでしょう。そうではなくてクライエントが必死の思いで来た、この治療の過程の一生懸命さに、まず注目してあげたらどうでしょう。「大変でしたか?」とか、「頑張って来られたのですか?」とか。来たことを労うのであればそのことに関係した感情を労わないとね。治療者のために来ているわけではないので、間違えないように。穏やかに対応するの。一生懸命の気持ちで来たと思えば、クライエントのその気持ちを大切に扱うことが必要なのです。こちらの気持ちを直接もちだすとちょっと変よね。
・それからね、治療ではセラピストが進みすぎないことが必要なの。私はいつも、治療では「這えば立て、立てば歩めの親心」は非治療的だと言っています。這ったら、「ああ這った」と患者が這ったところに止まって考えればよい。あるいは、這わなくても、そこに居るだけで、そこのところで、良かったと思う。そんなところが必要です。
・治療の組み立ての二つ目のポイントは、大まかに��ここのところが変わったらいいかな」というような治療の対象化をすることです。よくわからないわけだから、わかった分だけ、大まかに治療の対象化をする。「…なればいい」、というようにですね。これは、クライエントの言葉で発されたことをセラピストが反復するだけですね。セラピストが勝手に言うものではないですよ。もしクライエントから何も言葉がなければ、「こうなったらいいの?」とクライエントの気持ちをセラピストが汲み取って聞くことはあるかもしれない。
そのようにして、クライエントの気持ちを少し整理する、そして安定の方向に向ける。そーっとですよ。「あなたの問題は何なのか、わかるようにしましょう」というのは一つの枠づけですが、これではますますわからなくなってしまうことも少なくないのです。
・彼は確認を始める前から緊張していることがわかったので、落ち着いて確認を始めればパニックが軽くてすむのではないかと考えました。また、彼は確認を止めようと努力していますが、その努力がかえって興奮を高めて叫び声になり、さらに興奮が強まっているところがありました。その観察から落ち着いてゆっくり確認できれば少し良いのではないかと考えました。そこで私は彼に、「深呼吸を三回ゆっくりと繰り返してしよう。落ち着いて気持ちがゆったりなったと思ったら、それからゆっくりと確認しよう。ゆっくり確認したら、一回でいいと思うよ」と言いました。
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臨床とは何か…困っている人たちとどう向き合って一緒に歩んでいくか、というようなことがわかりやすく書いてありました。福祉の現場、相談という部分でも大いに参考になり、技術が上がるのではないかなと思います。
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「心理療法家は技術職である」という言葉に強く感銘を受けるとともに同意。心理療法家はその人の人格で治療するのではないのだ。「日々の臨床の忙しさを言い訳にしてはいけない」ということなど励まされることも多い。ここ最近で読んだ心理療法の本の中でベストの内容
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行動療法講義というけれどそれほど行動療法じゃなかった。一般的に役に立つTIPSというか心構えが多いので、いいのか悪いのか。