紙の本
誰かが見ている
2022/02/17 15:20
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供や夫との関係や、仕事がうまくいかず、心が病んだ女性たち。千夏子のブログに相談してきた結子への悪意に、ぞっとした。優しい言葉をかけてアドバイスをするようで、彼女の絶望を楽しみ、不幸を願うなんて、毒がすごい。千夏子以外にも、毒があちらこちらから吹き込んできて、読んでいるうちに飲み込まれそうになる。
だから、そんな嵐がぴたっと止んだようなラストは、ややうまく行き過ぎのような気もしたが、ほっとした。
紙の本
繋がってから
2023/07/21 20:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
繋がってから一気に話が進んで面白かったけど
ちょっとラストが都合良すぎでは??
今まで無理だったにいきなりそんなに受け入れられるものなのかなぁ?
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繋がる人間関係,ハッピーエンドって事で…
最後は吹っ切れた感があり,其々の人生の新たなスタートに爽快感!
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最初の方はとにかく3人の女の人が辛い生活をしてる誰も分かってくれない孤独、あの人は全部持ってる羨ましいという感じの感情ばかりで辛くなっていましたが、何処となく共感できる部分も少なからずあったり。それでもその人たちのことを好きにはなれないなぁと思いながら3人が、どうなるのか気になって一気に読めた。
千夏子は自己肯定感が低くてブログで自分の価値を確かめてる、それが偽りだったとしても関係なくて。
孤独になると他の人が羨ましくみえるし、誰かに認められたいと思ったりするのはなんとなく分かる。
結子はアパレルの店長で年下の旦那さんがいていっけん誰もが羨む生活をしてると思われがちだけど
夫とは距離があり、孤独感が誰よりも強い。
誰にも本当の自分が見せられなく、千夏子がするブログに不妊治療についての相談のDMを送り、そこの返信を何よりも心の拠り所にしていた。
春花は女手ひとつで育てられ保育園の先生や自分の母親が、優しく強かったからこそ自分もそうなりたいと保育士になるが、現実は理想とは程遠く。モンペもいれば先生同士の小競り合いもありとにかく疲れている。そして母親もなくしていて天涯孤独。
だからこそ早く結婚して仕事もやめたがっているが、恋人が自分の家族のためだけに子どもがほしくそれをあてに結婚したいことを知り、また孤独になる。
とにかくこの3人とも孤独が強く誰かに求められたい欲求が強い。でもこの立場になれば誰もがなりかねないことだと思う。
読んでいて辛くなっていたが途中から
千夏子が羨んでいた全てを手にいれていそうな柚季にも悩み不安があることがわかる。
ただ彼女みたいな人や夫がいれば心は安定すると思う。自分が産んでる産んでないは関係ないし、家族になればその以上はないと思う考え方も素晴らしい。
最後の登場人物夕香は意外だった
とにかく全部繋がっていて、おぉとなる。読んでいて最後は全部すっきりするから、読んでよかったとなる。面白かった。
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・我が子を何故か愛せない千夏子
・セックスレスに悩む妊活中の結子
・デキ婚を迫る彼氏に悩む保育士の春花
・タワマンに住む優しく、できるママの柚季
基本的に上の4人の目線で描かれてます。
女の嫉妬・嘘・心の闇…よく描かれてます。
どうなるの?え?この人の本心はそこなの?と次へ次へと読みたくなる本。
そして…最後までドロドロだったら、後味わるいけど…終わり方もgoodでした。
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メフィスト賞。
良くまとまっている。登場人物みんながみんな、自分のコンプレックスを投影しながらでないと他人と関われないキャラなのはちょっと過剰な気がするけど。
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途中までは、ただただ皆違う悩みをモヤモヤと持っているだけだと思い、どこかで繋がる気はしつつも読んでいた。だけど、1つ繋がり出してから、もっと嫌な感じになってきて、気になりだし、一つのきっかけであっという間に読んでしまった。
都合がいいと言えばそれまでだけど、皆んなが少しずつ前向きになってくれて良かった。
結局は皆見栄とプライドが邪魔して、本音なんて隠して生きてる。それは家族でも。そして、人を羨む生き物。それをヒシヒシと感じてしまった。子供ですら、言えない…。
本当、狭い世界なのね。
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出てくる人達が軒並み嫌な奴で、ただただ最後の大団円を求めて必死にページをめくっていた。
あんなに性格が悪くて子供っぽい人達がいるんだろうか……?小説にこういう事を言っては元も子もないのだろうが全員然るべきところで受診したほうがいいと思う。
フラストレーションは溜まるものの、感情移入して夢中になって読んだので面白いとは思う。
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一気に読める。面白かった。
いわゆる「女の敵は女」、「他人の不幸は蜜の味」。
こういう感情って多かれ少なかれ誰でも持ってるんじゃないかなぁ。
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”子ども”を中心に進んでいく物語。読みだして最初に思ったのは、夏紀ちゃんは発達障害のある子なのかな?けど保育士さんの話を読むとそういう訳でもなく家庭環境と母親の状況によるもの?あと、登場人物全員暗くて卑屈でネガティブすぎてイライラする。妊娠したことへのコメントに対しても、”まさか自分が人の上に立つことがあるなんて…”どうして妊娠したとたんそうでない人の上だと認識したのか理解に苦しむ。思い通りにならなければ気が済まない。ブログの中での称賛を得たい見栄だけmamaのブログが結婚すれば救われると思ってる保育士が見てる掲示板で叩かれだすのかなーと想像。全員が心や過去に闇を抱えているからこそ疑心暗鬼に陥っていく様がリアル。自己肯定感の低さも異常だし、作者が女性同士の関係に良い思いをしてこなかったのかなって思うぐらい女性同士の関係に陰鬱さしかない。けどそれぞれがそれぞれの事情を抱えて、自分の中にある大切なものに気づかず他人ばかり羨んでばかりいては大切なものを失ってしまうんだなと気づかされる。自分が今いる状況や考えをしっかり見つめて話し合うことが何より大事。それを誰よりも早くできたのが柚季であってだからこそ、登場人物の誰より良い人に見えたのかもしれない。子どもを何のために産むのか、子どもにどう育ってほしいのか、一人の人間として尊重することが何より大切で、それは友達とか夫婦とか親子とか、どんな関係性であっても何より考えるべきなこと。
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どんなに表面上はふつうに見えても、
みんなそれぞれ不安や悩み、コンプレックスを抱えて生きている。ほんの少しのきっかけがその琴線に触れてしまった時、持っている闇が生活に、他人に、作用してしまう。他人と比べてしまうことも、妬みも仕方のないことだと思うけれど、それでも、だからこそ他人の痛みを理解できるような人でありたいなあ。
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メフィスト受賞作ということで気になって購入。
「自分を大切にする、それは自分に嘘をつかないことだろう」
ここに出てくる女性たちは、過去や終わったことに悩み、今より未来の幸せを求めて頑張っている。
でも大事なのはどうなるかわからない未来より、目の前のことに向き合うこと。目の前で生きている人に向き合うことだとおもった。
何かに孤独を感じている女性達が絡んで発展するお話。
最後に全ての人が繋がる流れが圧巻だった。
表紙から想像もできない温かさで終わるラストがとても良い。
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途中までは、嫌な女、意味不明な男ばかりで早く読み終わりたかった。
でも、解決に向かううちに、本音は全て素直で、丸く収まり過ぎではあるけれど、ほっとした。
パートリーダー(木南夕香の母親だよね?)の
「まだ母親になって数年でしょ?」
には、まいったね。
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子供がいるとかいないとか。
結婚するとかしないとか。
仕事を辞めるとか辞めないとか。
自分の考えとは違う価値観で悪意なく傷つけられてしまうことって多い。
とりあえずなんとなくみんなハッピーエンドになって救われた。よかった。
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夫の協力を得て不妊治療の末に授かった我が子、女の子だと思い込んでいたのに…。どうしても息子を可愛がれない千夏子、そして子育てや家事に無関心の夫。日々の生活にくたびれていた。
そんな千夏子の元に、タワーマンションに最近越してきたという柚季が「お互いの子供も同じ年頃のようだし、お友達になってくれませんか」と声をかけてくる。
百貨店アパレル店の店長・結子は5歳年下の夫と結婚したばかり。多忙な二人は夫婦関係を築けず、子供を望むのは妻だけなのかと落胆する日々。
今の顧客である夕香は憧れのキャリアウーマンだったが、出産を機に専業主婦へ。会うたびに早く子供を設けるよう発破をかけてくるが…。
千夏子の子供が通う保育園の保育士・春花は、職場のパワハラに耐えながら婚活を行い、結婚目前だった。母子家庭で育ち、1年前に母が他界してから自分の家庭をと強く望んだが相手は「子供ができたら結婚しよう」と毎週部屋に来るように。
登場人物たちと同世代女性として、誰の話も苦しく感じた。みんなの肩に手を添えて「大変だよね、キツイよね」と励ましたくなる。
これは女性にしか書けないし、女性にしか共感は得られない作品かもしれない。
自分で自分を大切にして、そんな自分を受け止めてくれる誰かがいないと、今は生きていくのが難しい時代なんだと思う。
最後は全員が繋がってお見事。ハッピーエンドでよかった。