明治兜割り みんなのレビュー

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投稿者：雨読　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

「明治兜割り」
「野に死する魂」
「剣光三国峠」
「うそつき小次郎と竜馬」
「紀伊のはやぶさ」
「近藤勇、江戸の日々」
以上の短編六作から成っています。
「明治兜割り」は幕末の幕臣で直心影流の榊原健吉について描かれています。
剣豪で酒豪でもある健吉の実直な生き様を描いています。
明珍鍛えの南蛮鉄兜を剛刀の同田貫で斬り割った話は有名である。
「野に死する魂」は西郷隆盛の生涯を描いています。改めて偉大で敬愛された人物像に触れることが出来ました。
「剣光三国峠」は、もと紀州藩士で剣術家でもある佐武広命について描かれています。西南の役で官軍方であった佐武中尉は三国峠の進撃において、上官の命令と部下の命の狭間で苦悩するが、奇跡的な作戦が功を奏し、官軍に多大な功績を残すことになった。
「うそつき小次郎と竜馬」は、陸奥宗光について描かれていますが、若い頃は嘘つき小次郎と呼ばれていたらしく、周りからは嫌われていたが、坂本龍馬は彼を上手く使いこなし、剣の腕はダメであった小次郎であるが、龍馬の死後においても出世していくこととなる。
「紀伊のはやぶさ」は、紀州藩初代藩主、頼宣の家臣で大番衆の菱川文太夫について描かれています。余り史料が残されていないが、よほどの武芸者であったようで、この著書で初めて菱川文太夫を知りました。
「近藤勇、江戸の日々」は、後に新撰組局長として活躍する近藤勇の若き頃のことが描かれています。幼少期よりその素質を備えていたのだと感心しました。

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投稿者：719h　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

臨場感溢れる撃剣場面が持ち味の著者による、
短篇集です。

おすすめは、何と言っても
直心影流の榊原鍵吉を扱った表題作。
さわりは、既に上のお題の欄に
書き尽くしてしまいました。

著者がこの幕末の剣客について書いたものは、
管見では、本書よりも創作要素の少ない、
「日本剣客列伝」中の一篇だけです。

刀と聞いて心がときめくような人なら、
一読して異様な有能感を覚えてしまうこと
間違いなし。精神の活力剤としてどうぞ。