　邦キチが邦画について正論を唱える、衝撃の記憶喪失回を含んだ Season5 である。

　邦キチにだけは「人気漫画の安易な映画化はなぜ？」とか「叫ぶシーン以外ぼそぼそ喋ってるのはなぜ？」なんて言ってほしくなかったよ……。
　ド正論だけども……。

　それはさておき、今回も邦画レビューが面白おかしく描かれているが、それにも増してドラマ部分が目立ったのがこの５巻である。
　恐るべきことに、普通に部長＆邦キチの二人で海に行ったりしていて（05本目「喝風太郎!!」）、その青春ぶりにネットをざわつかせていた。
　バッチリビキニを着こなして、部長とキャッキャする邦キチはあまりに眩しい……。
　みんなの弁当を作る邦キチ（02本目「今日も嫌がらせ弁当」）では女子力を見せつけるシーンなども収録。
　まあ、つぶさに見るとかなり男前な弁当の内容ではあったが（笑）、そこはご愛嬌だろう。

　それに加えて記憶喪失回では触れてはならんことに触れること度々。
　今巻は読者の心胆を寒からしめる、なかなか味わい深い巻であった。

　もちろん、レビューも楽しく幅広く。
　「ドカベン」や「劇場版家なき子」のようなお前はいつの時代を生きてるんだ……案件もあれば、「エクストリーム・ジョブ」や「今日も嫌がらせ弁当」のような普通に人気作も含まれている。
　あえて触れていくスタイルの「ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない第一章」なども、邦画洋画の闇（というほどではないが）に触れていて大変楽しい。
　例え続編が予告されていても、To be continued...であっても続きが出るとは限らない。それが商業の厳しい掟である。

（どうでもいい余談だが、ちょうど関西ローカルの番組で某芸人コンビが「ネタがなかった当時、大会の規定時間を埋められないからゆっくり喋ってなんとかした」というエピソードを話していた。
　というわけで、ジョジョもワンチャン、マジで尺埋めるためにゆっくり話していた説があるかもしれない）

　というわけで、今回もまた楽しく、物語的にも興味深い描写多数の一巻であった。
　文句なしに星五つで評価したい。次巻も楽しみに待ちたい所存。