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剣客商売 39 みんなのレビュー

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みんなのレビュー1件

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紙の本

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

2021/03/10 13:43

3人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書のもとになった主人公佐藤達夫氏が著した「日本国憲法成立史全2巻」(1962・64年)は、約40年前の大学時代に読んだ。日本国憲法のGHQ草案の「日本語化」から、各条項を巡る議論、そして改正にいたるまで経緯をまさに知り尽くした、当事者であった主人公による法律専門書であった。憲法成立の史実とは異なるところはないが、三谷幸喜流に私的なエピソードがところどころに散りばめられて「固い」専門書ではなく、当時の吉田茂外相がGHQに頭文字にひっかけた洒落によるタイトルにふさわしい「小説」になっている。
「みんなのレビュー」を見ると、若い人か、現行憲法はGHQ草案がベースになっていたことを知らない人もいたことに驚いた。私の大学生時代は、いわゆる「押し付け憲法」を改正して自主憲法制定を、とか、「自衛隊違憲論」など憲法改正は、まだホット・イシューであった。それから40年、安倍政権下で憲法改正が議論されたこともあり、2018年この本が出版されたのには、何か政治的な意図があったのか、と思ったのだが、昭和史の重要な出来事・人物に、「昭和史小説」という著者独自のスタイルで新たに焦点を当てるという意図のようだ。したがって、憲法改正に反対・賛成という立場を示すものではなく、当時の関係者の言動により、敗戦国であっても日本人として憲法改正に取り組んだという「歴史」を知ってほしい、ということだろう。そしてそれは「押し付け」ではなく、「日本国民の自由な意思」で作り上げた、という現行憲法の正当性を示すものにはなっている。
当時議論があった戦争放棄条項の発案者はマッカーサーであるとか、戦争放棄条項第2項「前項の目的を達成するために」は再軍備の途を残すために挿入されたとか、当時様々な憶測と見解のあった問題は、あっさりと描かれている。戦後75年、このように書いても問題とはならないほど現行憲法は定着しているということかもしれない。
憲法条文の日本語の選択・意味についてのGHQ担当者と日本側のやり取りが中心ではあるが、現在の憲法政治を見て、佐藤氏がつぶやいた言葉が気になった。日本の国体が変更されたのか、主権は国民にあるのか、天皇にあるのか、という問題に対し、政府側責任者金森徳次郎大臣が「国体」と「政体」の違い、「天皇は憧れの中心」などのレトリックを弄し、何とか乗り切ろうとするのを、憲法改正をしなければならないとはいえ、「日本人が日本の国や民族、あるいは天皇について、これほど真剣に考え、意見表明したことは、歴史上、初めてのことではないかと思うんです。…議員だけでなく、広く一般の国民が、日本について考える最大の機会になるといってもいいかもしれない。それなのに、」「(金森大臣)がやっていることは、みんなの真剣な思いを嘲弄しているだけではないか、という気がしてならないのです。とにかくこの草案を成立させるために、日本人が日本国のあり方について考える機会を奪い去ろうとしているのではないか、と。…独立を回復するには、面倒な議論は後回しにして、とにかく憲法改正を行うべきなのかもしれません。しかしこういう態度こそ奴隷根性だと言えるのじゃありませんか?」平成から令和に変わるときに、象徴天皇とは何か、また、女性天皇・女系天皇を含めた皇位継承問題、皇室の在り方等の議論はあったものの、持続性はなかったように思う。しかし、この「コロナ禍」の中、「国民に寄り添う」ことが難しくなった今、また、象徴天皇とは何かに、再び焦点が集まっている。佐藤氏の発言が、本当にあったのかどうか、はともかく、この本の一番言いたかったことではないか、と思うのである。

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