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図書館で。
文庫版の表紙、イケオジすぎてなんか違和感。いや、別にイケオジじゃないとも本編中書いては無いけど。もっとこう…ねぇ(笑)
謎の札束と過去の失踪事件と政治と現金強盗が色々混ざり合ってなかなか面白い展開に。個人的には最後のリーナへの襲撃シーンはやりすぎなような気がするし、あの地下室に警備システムだけで放置ってのはちょっとありえないな、と思う。
ネコちゃんが不当な扱いを受けるのも…心が痛い所…
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ヴィスティング警部シリーズ第13作、邦訳3作目にして、コールド・ケース・カルテットの2作目である。
「今回はいつもと次元の違う捜査になりそうだ」、冒頭でヴィスティングはそう独りごちる。それもそのはず、検事総長に直々に呼び出されたヴィスティングは、先般心臓発作で亡くなった大物政治家バーナール・クラウセンの極秘調査を命じられていた。彼の別邸から、段ボールに詰め込まれた530万ドル以上の、出所不明の大金が発見されたのだ。国内外に知られるこの政治家は不正を働いていたのか。ヴィスティングは部下のモンテルセン、娘のリーネとチームを組み、捜査を開始する。
事件の鍵穴にしっかりはまる鍵は果たして見つかるのか。クラウセンの息子の死、現金強奪事件との関連など、様々なことが絡んできて、最後までまったく読者を飽きさせない。今回も未解決事件ということで、前作でヴィスティング親娘を振り回した国家犯罪捜査局のスティレル捜査官が再登場する。出番はさほど多くないが、味のある役柄を演じている。
本シリーズは親娘の物語でもある。本作のリーネは報道の立場ではなく、非公式ながら捜査協力というかたちで捜査に加わる。父の指揮下に入ることで、普段とは違う父の一面に接し戸惑うものの、随所で父をも超えたひらめきを見せる。しかし…、毎度ながら捜査機密をマスコミの娘に簡単に開示して、あまつさえ捜査チームに加えてしまうヴィスティングはいかがなものかと思うが…。
それはともかく、おもしろい。次の作品が早く読みたい!
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ヴィスティングは検事総長から直々に秘密捜査を命じられる。数日前に亡くなった元国会議員バーナール・クラウセンの別荘から外国紙幣のつまったダンボールが見つかったので、それを調べろというのだ。別荘からダンボール箱を自宅の地下室に移し、協力する警察同僚も得てほどなくクラウセンの別荘が火事になる。調べるうち、数年前、空港で現金強奪事件が起き、同日別荘近くで若い男性が行方不明になっていることが分かる。この3つの事件が収束してゆく過程が読みどころ。淡々と、というのでもなく、かといってエキサイティングというのでもなく、普通態、というのかな、そういう空気がいい。
娘のリーネはシングルマザーになっており新聞社もやめてフリーになっている。またしてもリーネを片腕に、協力する鑑識官、お蔵入り事件捜査班の面々で謎を解き明かしてゆくのだが、「猟犬」の時に感じた警察外部者のリーネをひきこんで~公的秘密を教え、というところにちょっと違和感があった。元警察官の著者がこういう設定?と思ったのだが、解説には、著者は「必ずしも協力しあえるとは限らないんですけど、何かしらの必要な関係を築いていこうとする」警察とジャーナリストの関係を描きたいと語った(ミステリマガジン2016.7掲載のインタビュー)とあった。ジャーナリズムは事件当事者、警察関係者にとってはやっかいな存在だな、というのを感じるが、逆に報道が役に立つこともある。なるほど著者は現役の警官の時にそういうのを感じていたのかな、と思った。
2018「Det innerste rommet」 の英語版を邦訳したもの。
2018発表 ノルウェー
2021.3.10初版第1刷 図書館
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コールドケース4部作の2作目。今回は一気に読みました。犯人に行き当たってしまうところや訪問者が多い割に見つからない証拠品、壮絶な暴力を振るう割に殺害はしない悪人など、ちょっと詰めがな……と感じる箇所もありますが、全体として興味深く読めました。
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カタリーナ・コードで知った刑事ヴィスティング。落ち着いた渋い正統派の刑事姿と、事件の舞台となるフィヨルド周辺の透明感が好きになった。本作はカタリーナ・コード以上に深く引き込まれた。最終場面の緊張感も素晴らしい。
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ヨルン・リーエル・ホルストのヴィスティング警部、未解決事件シリーズ第二弾。
検事総長直々に、死んだ政治家の家から出てきた高額な紙幣の謎解きを依頼されるヴィスティング警部。秘密の指令のため、必要最小限のメンバーで事件に臨むことが求められる。娘のリーナ等と共に捜査を開始するが、前作で出会った正反対の捜査方法で事件に迫る国家犯罪捜査局のアドリアン・スティレルも絡んできて。。。
今作も読みやすく、ページターナーなところは相変わらず。単純な事件かと思いきや、複数の事件が絡んできて非常に登場人物が多くなる中、収まるところに手堅く収める。派手さはないが、警察小説のお手本のような作品。
コールドケースを扱うシリーズといいつつも、前作以上に現在進行形のサスペンスもあり。読み応え十分。鍵穴に合う鍵さえ見つければ、とんとん拍子にことが進む、納得の題名。