紙の本
大好きなタイムトラベル
2021/05/10 08:09
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投稿者:BHUTAN - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸のそれも吉原に落ちたタケ。
蔦重に歌麿、北斎‥と、知った顔が登場。
江戸の暮らしに現代人タケは慣れていく。
むしろ塩辛や煎り酒を使った料理で、皆を楽しませる迄になる。
今ここにいる江戸人。面白い。
吉川弘文館「本郷」に、著者の車さんの「江戸のメディア王」の一文が載っています。
単なるお楽しみ小説としてではなく、蔦重について史実に沿っているのだなと、再評価です。
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蔦屋重三郎の伝記小説、と思い込んでページを開いたらまさかのサラリーマン登場。よく見たらカバーに東京タワーもあるしタクシーも走ってる。
ということで、部長の椅子に手が届こうか、というところまで順調に泳いで来た広告代理店の営業マンが突然の転落でお歯黒ドブにハマって江戸時代の吉原に転がり込み、蔦重の下で過ごした三ヶ月間のお話。
意外なことに江戸時代の細々とした描写が丹念に時代考証されているらしく、随所に「へぇ」と思わせる小ネタがちりばめられていて楽しい。
蔦重の言葉も何だか現代の成功した起業家の話を聞いているみたいで「ふんふん」と妙に納得させられて面白い。
最後の手紙は、(色々分かってスッキリするんだけど)なかった方が余韻が広がったんじゃなかろうかと思った。
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202103/この作者さん、確か前に読んだ『勝山太夫、ごろうぜよ(https://booklog.jp/item/1/4592831365)』が面白かったな…の記憶があり買ってみたらこれも面白かった!主人公の男性に若干イラっとするとこもあるけど笑。いわゆる「蔦屋重三郎モノ」で、ビジネス指南も入れつつ、史実とSFをうまくエンタメ化していて、じーんとさせるとこもあり、テンポ良く読めて楽しめた。タイムスリップ話なのでファンタジー許容できる時代物好きな人にはお勧めの一冊。
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近年読了した書物の中でも特筆すべき面白さ.綺麗な和文体で紡がれた文章に,間違いのない江戸言葉が乗せられ,化政文化が生き生きと描かれ,グイグイ引き込まれる.タイムトリップ物ではあるが,本来日本人が持っていて,明治以降捨て去った独自の文化文明の凄さを感じずにはいられない.
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面白い作品
江戸時代にタイムスリップしたサラリーマンが 当代切っての辣腕出版業を営む男に助けられ 人生の意味 生き方 まで見つめなおす。時代小説と 生き方本が組み合わさったような作品。この作者の別の作品も読みたい。
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主人公が江戸時代にタイムスリップして蔦重こと蔦屋重三郎とともに過ごす日々を描いた作品。設定としてはおもしろかったですが、蔦重の「教え」そのものはなんだかあまり響かなかったです。
蔦重はこの時代にあって時代の流れをよむことに長けたマーケッターといえるでしょう。その才覚を生かして歌麿や写楽を売り出した点は興味深いですね。ただ、こういった構成ですとどこまでが史実でどこからがフィクションなのかと気になってしまいます。巻末の断り書きのとおり、すべてフィクション、史実もフィクションとして織り交ぜているということなのでしょうけれども…。
時空を超えて人と人がつながるというロマンはあるのですが、現代に戻った主人公・武村が蔦重の手紙を読んで感動しているところはちょっとわかりやすすぎて、読み手の気持ちがさめてしまうかな~、と思いました。
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時代小説だけどポップでおもしろかった。いろんな教えが載ってたけど苦手な人にほど丁寧にっていうのが1番刺さった。
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55歳で依願退職を強要されたサラリーマン、武村竹男(タケ)は、お稲荷さんの怒りを買い、1780年代の吉原にタイムスリップしてしまいます。
そこで出会ったのは、出版界の風雲児、蔦屋重三郎(蔦重)でした。
20代の体に戻ったタケは、蔦重のもとで働き、浮世絵師、喜多川歌麿、葛飾北斎らとも交流しながら、蔦重に叱咤され、ものづくり、商売、人生の極意を学んでいきます。
「それと、いい機会だから教えておいてやる。天分に甘えちゃならねえ。人ってのはたいがい、得意なモンや好きなモンで大きな失敗をするもんだ」「好きだから、得意だからできて当然だと思ってなめてると、足元をすくわれて痛い目を見ることンなる」 ー 357ページ
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広告代理店の55歳管理職が会社から退職を迫られ、吉原にてやけ酒を食らい気を失う。そして気がついたら江戸時代の遊郭吉原にタイムスリップ。そんな彼を助けたのは蔦屋重三郎だった。蔦重の元で、まだ無名の喜多川歌麿や仲間たちとの交流で、主人公のいわば人生のやり直しが始まる。
大元の設定はSFになっているが、浮世絵(錦絵)の黄金期を迎える江戸時代の生き生きとした風俗の描写が素晴らしい。それだけでも十分に楽しめるのに、蔦屋重三郎の口から出される言葉の数々が主人公の成長を促す実用的かつ感動ストーリーに仕上がっている。
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オーディオブックで。
江戸の粋と人情と知恵の話。
不器用だけど、蔦重のようなリーダーが
いたら組織は発展してするだろう。
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2023.2.27
4月から転職が決まったタイミングだったので為になりそうだと思い手に取った。
色々勉強になったけど、人には分相応というものがあり、人それぞれ幸せの尺度が違うという事は本当によく分かる。
蔦重の葬式には本当に多くの人が集まったろうなぁ。憧れるわ。
歌麿と最期は笑って昔話でもしてくれてたらいいな。
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アートが特別なものではなく一般に楽しめるものにどうしたらなるかなというところからオススメされ拝読。
ビジネスの上で人とのつながり方とか改めて再認識。
ストーリーとしても面白く、人物もよく描かれていた。単なるタイムトリップストーリーじゃなく、歴史、版画や当時の生活がよく描かれていて、楽しくよめた。最後が少しあっけなかったかな。という思いもあったけど、締め方も良かった。
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2023.3.27読了
時代小説はあまり興味がなかったので、タイムスリップものならと入門書の気持ちで手に取った。
しかし、意外にぐんぐん読めてしまった。
次々と新しい事を始め、それでいて慎重な面も持つ蔦重の生き方には学ぶ所が多い。
多少説教臭く感じるところもあるが、ストーリーを追うのが止まらないのであっという間に読み終わった。
次に読むのはまた時代小説というのもいいかもしれない。
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物語としてとても面白い。かつ、学びもあるすごく好きな書籍。
環境や他人のせいにせずに己の天分を仕事にする努力をすること。
恩送り、何かを捨てて新しい何かが入ってくるスキマをつくる。得意なことに甘えない、人は得意なことで成功も失敗もする。人生の上がりを決めて逆算する。そこに向けて一歩ずつ登れば確実に上がりに辿り着く日が来る。相手に騙されないためには相手がどうなれば幸せになれるか考える。
断る可能性があるものは間をおかずにすぐに断る。
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再来年の大河ドラマは蔦屋重三郎をモデルにするらしい。恥ずかしながら、「誰?」という感じだった。だから大河ドラマのニュースも「ふーん」くらいで、読んですぐにすっかり忘れていた。だけど、大河の題材は本屋で必ず宣伝されている。この本も派手なポップの下に平積みになっていたのを見かけて思わず手に取った。
仕事でポカをしたおじさんが江戸時代にタイムスリップして、蔦重、こと蔦屋重三郎のもとで鍛え直される、というお話。
蔦屋重三郎についての知識ゼロの人間にとっては、彼の周りにどういった人間が集まっていたのかを学ぶのにはうってつけの教材といった感じ。タイムスリップ物に対する苦手意識はないつもりだけど、それにしても全くと言っていいほどのめりこめず。その原因はなんだろうと不思議に思いつつ読み進め、自己啓発小説的な雰囲気が私には合わなかったのだと感じた。「はい、ココ注目!」とずっとリードされ続ける感じに抵抗したくなる自分を抑えつつ読了。
蔦屋重三郎への興味を持つきっかけにはなったので、彼に関する他の小説があればまた挑戦してみたいとは思う。