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ケイトレ王国の戦いに勝ちほぼモンゴルの平原統一を成したテムジンは、王名チンギス・ハンを名乗る事になり西遼その後の同盟金国をも視野に。。
一方唯一領土を保ったメルキト族のアインガは山に籠る旧族長のトクトアとの会話で色々考えジャムカとの共闘の誘いを断念する。
滅ぼされたタイチトウ氏族長のタルグダイは妻のラシャーンと共に南に逃げて商船商いに身を置く。
ジャムカはナイマン王国のタヤン・カンと共闘しテムジン軍に挑むも戦いに破れながらテムジンに一矢報いる。最後は、ジャムカ軍のみでホーロイ、サーラル共々破れて死す。最後まで孤立しながらも反金の意思のもと盟友テムジンに挑むジャムカがカッコ良い
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いやぁ、今回は、せつなかったねぇ。「チンギス・カン」となって、テムジンは饒舌になった。歳をとったということかもしれないけど、よく話す。寂しさを紛らわそうとしていたのかもしれない。その理由は、読めばわかるだろう。
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北方謙三氏の作品、楊令伝、岳飛伝、そしてチンギスカンと大作を読んできた。実に彼らしい男っぽい文体さらに男の世界を描いて楽しい!テムジンいよいよ本書でチンギスカンと名を改め活躍、登場人物も多く多彩で読み応えがある。次も楽しみだ。
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ジャムカが死んだ。
戦場で友を失うことあるが、友でありながら敵として殺す胸中は如何に。
ジヤムカの玄旗は、チンギスと共に。
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シリーズも9冊目。
ずっと最初から心酔していたので改めてココがとか、この人物がとかは意見せず、ただただ物語の世界に沈んでゆきましょう。
いろんな生があり、死がある。
9冊目でも。このままどこまで突き抜けてゆくのか、全体のストーリーの回収時期に来ているのか分からないけれど、次の巻を楽しみの待つ時を大切にしたい。
今回は最大のライバル、ジャムカの死が痛い。私のイチオシのキャラ、トクトアの周囲にも新しい風が!
まだまだ楽しみが続く。
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ケレイト王国に続きナイマン王国も倒しチンギス・カンの称号を冠する。西夏へ侵攻し金国をも視野に入れるチンギス、かつてのライバルだったとジャムカと決着をつけ、向かうところ敵なし。草原勢力図が大きく変わり世代交代も進む。時の流れを感じる巻。
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ケレイトとの戦い。自分で戦を率いず、初めての弟に任せた戦い。しかしそれこそがテムジンの隙。。。
タルグダイとラシャーンの暮らし。何となく羨ましい。
タルグダイの強さ、本物を感じる。薄汚い奴を完膚なきまで叩きのめす。気分がいい。
カサルと山の民ボレウ。カサルは勝者の顔などせず、服従も求めず、そして仲間にする。傷つけることもない。嘘もない。誇張もない。事実、真実だけを頼りにだだ心を掴む。心を掴む。心を掴まれた人を使って。いいなぁ、ここ。
そして因縁のジャムカとの闘い。結果は…
はぁーーー、読み応えあり。
北方謙三さん、これまで図書館で借りて読んですみませんでした。この巻からは自分でお金を出して買ってます。次も買います。
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テムジンは王となる。盟友との戦い。その生き様。ここで物語が終わっても文句なしだが、まだ続く。
”鉄のあるところにテムジンあり”は面白い。
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テムジンがようやくチンギスの名を冠した。もうモンゴル大陸での地位は絶大になってしまったためか、戦が淡々と描かれて淡々と勝利してしまっているのが少しだけさみしい。
タルクダイとラシャーンの海辺の生活がなんともいい味を出していて、しかしながら少しずつ熱を帯び始めているのがいい。初頭で活躍したトクトアの生活もいまだに描かれていてうれしい反面、誰もが齢を老いて年月が経っているんだなぁとしみじみ思う。ジャムカの最期がまた切なく、そして男の世界、というよりはこれぞ北方節と言ったところか。英傑が次々に没していく様はまるで水滸伝のようで広大な大地と歴史が多くの英雄を生み出し、それぞれの歴史がこうして大長編を生み出しているんだろうな。
北方さんの小説は読みやすく無駄なくわかりやすい。なので一冊一冊はすぐに読めてしまい、今から読み始めようかなという人も、既に9巻でたじろいでしまうかもしれないが杞憂に終わる。読むとすぐ終わる(笑)。
中身が空っぽなわけではない。カサル軍ではないが、”風通しがいい”のだ。
次はいよいよ金国か?まずは西夏か。
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チンギスカンを描く歴史小説の9巻目。
モンゴルを統一してようやくチンギスカンとなりました。
前巻のケレイト王国に続きナイマン王国も撃破するし、すでに西夏にも手を出し始めています。
旧敵の他国での穏やかな生活が陰影を深くしているように思います。
本巻の一番のメインはジャムカとの決着です。
史実通りのラストは解釈も含め泣けました。
次巻からは旧敵の最後や次世代の成長が描かれていくのだと思います。
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サイドストーリーで膨らませすぎないで欲しいなぁ~ナイマン王国のタヤン・カンを誘き出し叩くのはカサルの役目で、テムゲとジョチは兵站を切るのが役目、テムジンは見物だがジャムカの斬撃を受けて深手を負った。タヤン・カンは死んだが、キルギスの流れを汲む天山のボレウが率いる歩兵隊は故郷に帰した。傷が癒えたテムジンは、オノン河畔のクリルタイでカンに推戴され、チンギスの尊称を得た。西夏支配下の陰山は鉄の鉱石を求めて奪い、西夏の中興府を叩いた。ボロクルを西へ向かわせ、出てきたタヤン・カンの弟であるブイルク・カンの中にはジャムカが居るはずだが、誘いに乗ってこない。カサルはボレウの許を訪ね、ジョチはケムケムジュートのハカス族を叩きに北へ赴く。チンギスは同盟している金からの朝貢要請をゆんわり断り、メルキトのアインガは不戦を決め込む。二度目のブイクル・カンとの戦いでは、ジャムカの奇襲も阻まれ、一対一でブイルク・カンがチンギスに倒されると旧ナイマンの部下は投降し、ジャムカも最後の別れを告げに来て、皮にくるまれて騎馬隊に踏み殺された~ナイマンが滅んだのが1218年、次はホラムズ朝の20年で、西夏を滅ぼすのが1227年で、その1227年にチンギスは死んでいる。今見ている年表だとチンギスの称号を得たのは1206年となっているが、北方先生の新解釈だろうか??2代目を嗣ぐのは三男のオゴタイなんだよね、大丈夫かなぁ
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本巻の読了スピードは手探りの一巻同様、半月近くかかってしまった。
一つには、大きな動きが少ないことが挙げられる。最大のクライマックスは、冒頭のナイマン族との戦いのサイドでジャムカに急襲されたテムジンが大怪我を受けつつも、最後にジャムカを討ち果たすところ。その描写自体はジャムカの落日を現すように呆気なく終わってしまう。
それ以外は、比較的まったりと話は進む。
以前のジャムカの同盟相手の一人、ダルグタイは、貿易商となった妻ラシャーンと共に、引き続き南宋の港で満ち足りた生活を過ごす。かつての腹心ソルガフの忘れ形見も貰い受けて子供も持つ。
もう一人、アインガは、メルキト族をしっかりとまとめ、モンゴルに攻め込む口実は与えず、不戦防戦の態勢で国を豊かにする。トクトアは老いを感じつつも山での生活を続けていたところ、ジャムカの息子であるマルガーシが舞い込む。因縁あったジャムカの息子とは知らぬまま、マルガーシを鍛えていく。
カサルはナイマンとの戦いでテムゲ相手に歩兵で勇戦したキルギス一派の山の民の懐柔に向かう。テムゲは陰山の支配権を確固たるものとすべく西夏と戦う。
テムジンは、来るべき金との戦いの意図を隠さず、コンギラト族の領内を回る。
さて次巻の展開が気になるが、次はやはり対金戦か?
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チンギス紀 九 日輪
北方謙三
∞----------------------∞
テムジンはチンギス・カンとなって、兄弟も兄の考えていることが捉えられなくなってきていて、もう神的存在となっている感じがする。テムジンとボウルチュの会話がちょっとおふざけ感あって面白くて好きなんだけど、チンギス・カンになっても変わらなくて嬉しい。
トクトアのところでマルガーシが修行してるシーンも好き。母親が居なくなってから1人森に入り獣と戦いながら3年もの日々を過ごしてた。あの母親に甘々に育てられてても、心はシャンとしてた。負けることは死を意味するほど悔しいことだと気付いたマルガーシは、父親譲りの前向きで負けん気の強い性格のようなので、トクトアに鍛えられてどこまで強くなるか楽しみだ。
トクトアにしろタルグダイにしろ、周りからは引退したおじいちゃんのように見えるのに、戦うととんでもなく強い。
実は、ジャムカがマルガーシのことを早々に諦めていることが分かった辺りで、私自身ジャムカに興味が無くなってたのだけど、この物語の中でも結構影が薄くなってた気がする。
チンギス・カンとの対決の最期は、革袋に入れられてそこを二百騎が疾走するって言う。斬るんじゃないのか。
食べるものも、外の文化に触れ合うことで色々変わってきているのが面白いなと思う。
2023/03/19 読了 (図書館)
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感想
草原の民として敗れていったタルグダイやジャムカ、トクトアなど様々な視点で描くことで、チンギスがどのような人物であったのかを考える良いスパイスになっている。
人の上に立つ人ほど孤独になっていくのかもしれない。草原はほぼ平定された。一つの時代が終わった寂しさがあった。
あらすじ
テムジン軍のカサルは2万でナイマン王国軍7万を徐々に領内に引き込み、兵站を切ることで弱体化させ、打ち破る。テムジンは戦に直接関わらなかったが、ジャムカに迫られ、急死に一生を得る。
西夏から奪った鉱山を守るため、テムゲに西夏の首都を襲うように命じる。領地が大きくなったこともあり、テムジンは長老達からチンギスという尊称を与えられる。
ナイマン王国の残党を倒すため、チンギスは出動し、ジャムカの影を感じる。
草原の雄となったチンギスは、兵5万を集めてナイマン王国の残党を倒し、遂にジャムカを討つ。
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第九巻。
モンゴル族を統一し、さらにケレイト王国を滅ぼしたテムジンは、その先にあるナイマン王国との戦に臨むことに。
一方、ナイマン軍の中に潜んでテムジンを討つ機会を虎視眈々と狙っていたジャムカは、テムジンのわずかな隙をついて急襲しますが・・・。
ジャムカに大怪我を負わされたものの、ナイマン軍に勝利し、さらに領地を拡大したテムジン。
モンゴル族の大会議(クリルタイ)で“カン”に推戴され、“チンギス・カン”という名を得ることになります。
本書の帯に
「我が名はチンギス」
とありましたが、本文中でチンギスがこの台詞を言ってはいないものの(今後の巻でこの名乗りをするかもですけどね)、ついに“テムジン”から“チンギス”になったということで、私のレビューもここからは“チンギス”でいきたいと思います。
急に余談ですが、“我が名は・・”といえば、『も〇のけ姫』の「我が名はアシタカ」をつい思い出してしまいます。カッコイイ名乗りですよね!
閑話休題
そして、チンギスに重傷を負わせたものの、結局討てなかったジャムカ。
もう軍としての戦云々ではなく、ひたすらチンギスだけを狙う暗殺者のような感じになってきましたが、そんなジャムカの運命は後述させていただくことにしまして・・。
そのジャムカの息子・マルガーシが、かつてジャムカの宿敵で森に隠棲しているトクトアの元に瀕死の状態で連れ込まれ、彼の元で傷を癒し鍛錬をするようになるという展開に。
今はまだお互いの名前以外の素性は明かしていないのですが、この運命のいたずらのような出会いには感慨深いものがあります。
それにしても、前巻のタルグダイもそうでしたが、トクトアの元には“瀕死”の者がよく運び込まれますよね。
思えば、狼のダルドや猟師の御影もトクトアの元で怪我を治していたし、この森の住居はすっかり“身体と心の癒し所”になっているようです。
さて、トクトアの元でマルガーシが鍛えられている頃、ついに彼の父・ジャムカの最期の時がやってきます。
敵同士になってしまったものの、チンギスとジャムカはやっぱりかけがえのない“友”だったのだな・・と思わせるような、哀しくも美しい二人のお別れシーンには思わず目頭が熱くなりました。
チンギス軍の将校たちが、ジャムカに敬意を払っているのも良かったです。
とくに秀逸だと思ったのは、ジャムカの最後の台詞・・
「さらば、わが」
・・そう、敢えてここで止めているのが何とも見事で、流石北方さんだなぁと感心しました。
黒貂の帽子の似合う、魅力あふれるキャラだったジャムカ・・・彼の玄旗を受け継いだムカリや、遺児となったマルガーシの今後の成長を天から見守っていてほしいですね~。