ちゃんと読んだら、思いっきり慕わしく感じる物語だった。
2020/12/09 00:11
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
そういえば、きちんと読んでなかったと手に取る。強風の要注意日「二百十日」でもある9月1日に、都会からのやってきた転校生の名は高田三郎。彼は、村のこどもたちが、まだ着物姿にはだしという暮しの中に、鼠いろのだぶだぶの上着と白い半ずぼん、赤い革の半靴とういでたちでやって来て、いきなり異彩を放つように見えた。
その不思議な風貌と転校してきた日にちが重なり合って、彼は、「風の又三郎」と呼ばれるようになるのだが、そこまで読んで「又三郎サマ」は、農家の人々たちから日々聞かされた風のカミサマの呼び名だ!と思いいたる。いきなり、慕わしい物語となった。
鮮烈な風の又三郎
2018/08/04 17:18
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投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
影絵作家藤城清治さんの『画本 風の又三郎』を購入したのがきっかけで、本編を読んでみようと思った。
収録作品の中では『風の又三郎』が、子どもたちの体温を一番感じられる物語だと思う。不思議な転校生を、風の子どもとしてすんなり受け容れてしまう嘉助たちの素朴さがいい。今は失われてしまった子どもたちの風景に、郷愁のようなものを覚える。
子どもと山男との交情を描いた『祭の晩』も好きな一編。朴訥で優しい山男の姿が目に見えるようである。『なめとこ山の熊』は、生きるために殺生を重ねる哀しみを描いた物語。『土神ときつね』は、人ならぬものたちの恋情を映し出した一編。
上記の他の収録作品は、面白さがよく分からなかった。自分の感受性が摩耗しているためだろうか。
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たしか、読書感想文に素直に「よくわからなかった」と書いて、先生に笑われた。確かに感想ではあると。
もうそろそろちゃんと読めるかな? 表紙の絵がいいね。
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少年と村の子供たちとの心象風景を
現実と幻想の交錯として描いた秀作の物語です。
どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ
ある風の強い日…
谷川の岸の小さな小学校に、不思議な少年が転校して来ました。
地元の子供たちに少年は、「風の神の子 ではないか?」
という疑念とともに受け入れられたのでした。
さまざまな刺激的行動の末に、学校を去っていきました。
どっどど どどうど どどうど どどう
風は まだやまず、窓ガラスは雨つぶのために曇りながら、
また がたがた鳴りました。
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谷川の岸にある小さな小学校に、ひとりの少年が転校してきた。小学校の子供たちは落ち着かない気持ちに襲われながらも、少年にひかれていく。少年の周りには、いつも不思議な風が巻き起こっていた・・・。表題作のほかに、賢治世界の多彩な顔を楽しむことのできる作品集。
ひとつひとつの物語は、読み終わったあとにどこか物悲しい気持ちにさせられる。出会いがあれば別れもあり、それは時として悲痛をともなうものになる。生きとし生けるものすべてが持つその感情を、作者は繊細なまでに、しかしはっきりと描いているように思う。
「童話」という括りにはもったいないと感じるほど、彼の作品には深い情愛が刻まれている。
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やっぱり、何度読んでも宮澤賢治は肌にあわんなあ(^_^;)
東北弁を文字化されても、なんにも伝わってこない。
全体的にリズムが肌にあわないらしい。話が流れていかないや。
私にとって東北は外国です。
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うぅ。これも、私が持っている版は古すぎて、表紙の絵が違うのだが…まぁ致し方あるまい。
ほんと、ブクログで、版まで選べるようになったら最高なのにな。
さて。
宮沢賢治久しぶりに読んだ。
こんな話書く人だったんでしたっけ(笑)。
なんか、面白かったのは、
①言葉づかい。今の時代からしたら超絶変。これは、別に「旧仮名遣い」とか「古語」とか言うのではなく、口調は現代語なのに、もう使い方がことごとく違うと言うか。文章のつなぎが不思議。
②この文章が分類される世界は?というのが規定しきれない漢字が面白かった。
童話、というには、ちと難しくないか?笑
と思いつつも、途中、イメージがイソップ童話になったり、日本昔話になったり、怪談話のようなものになったり。
でも、もう一つ面白かったのは、童話的な要素が多大にありながら、もっと人間のドロドロしたところが(小説のネタ的な)埋め込まれているところですねぇ。
イソップ童話+人間の性(さが)=宮沢賢治童話
と言う感じでしょうか?笑
又三郎は、風の神様みたいな、たぶん村で昔から言い伝えられている存在。ある日突然やってきた外国人みたいな転入生とその又三郎の存在を重ね合わせたお話。
これを1話目にして、そのほかいろんな短編が寄せ集められている一冊です。
※私の、古いから、こんな「改編」とかじゃないし、かつ、ガラスのマント、なんていう不思議な副題も付いてないっす。
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たまたま返却棚にあったのを図書カウンターで見つけて、すごく久しぶりに宮沢賢治を読んだ。
子供の頃に全集を読んで以来かな、ちょっと今の自分には楽しめなくて途中で挫折してしまった。
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「風の又三郎」
どっどどどどうど
色々な短編作品があったけど、「土神と狐」の三角関係的な話が面白かったな。