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上巻とは打って変わって、圧倒されんばかりの展開スピード。こちらも、詰めて、猛烈なスピードで読み通した。刑事と弁護士らがタッグを組み、奴に向かう。半ばでやっとアウトサイダーという「現象」が浮上する。そこから洞窟へ向かう場面はドラマチック(映像化されているだけに)終わってみると、些か、『なぁ~~んだ』感強いけれど、ラストの言葉が祖の情景を言い得て妙⇒「現実世界は薄い氷上のスケートをしているなもので・・一旦割れて冷たい海に落ちてしまう事は起こりうる。いいなぁ、この表現でもやっとした感覚が昇華した。だが闇に落ちても「善を目指す力もある」・・あらゆる恐ろしい事ばかり考えても正気を失わずにいられるのはその信念を信じる事が出来るから・・支える証拠もあるでしょうし。この世界の「バランスを支えようとする力の存在」、私もそれを信じたい。
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映像化されたものを良く観ていたが、原作小説を読んだのは久しぶり。ノンストップのストーリー展開、合間の洒落た会話劇等々、全く衰えない執筆力に脱帽。「訳者あとがき」によると、この作品もHBOですでにドラマ化されているそう。この作品以後も続々と新作が出版されている。すごいの一言。
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下巻の展開はザ.スティーブンキング。映像が目に浮かぶ展開&気味悪さ。こういう場面作り上げるセンスと力量は相変わらずで衰えることがなく、アイデアも枯れることがない、素晴らしいとしか言いようがありません。自主規制音満載と思われるクセある文体ですか、読んで良かったです。今作でホリーと初対面ですが、仕事できてクレバーで冷静、素晴らしいですね。こんな人と仕事したい、なりたいとすら思えました。辛そうですけど。
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殺人事件を巡る超自現象の謎に迫る物語。
ホリーが大活躍する下巻は、上巻以上に一気読みしてしまいました。
ホッジスの喪失感と寄り添いつつ成長しているホリーが素晴らしいです。
下巻だけなら「ファインダーズ・キーパーズ」のシリーズといってもいいです。
ラストの洞窟での対決は、映像を見ているようなスピード感と緊迫感と高揚感がありました。
ただ、犯人が完全な人外のアウトサイダーというのがイマイチでした。
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上下巻を読了しての感想。
キングを手に取るのは、何年ぶりかなあ…最後にマトモに読んだのが、グリーンマイルだったか。
この20年くらい、つまり21世紀に入ってから、「読む」よりも、むしろ「キング原作」の映画やドラマを「視聴する」方が多かったように思う。ミスト、アンダー・ザ・ドーム、ITリメイク版、ネトフリの単発ドラマなど。
今回、何となく、久々にキング読んでみようかな、と思いつき、割と最近の作品に手を出してみたのだが。
思いもよらない派手な仕掛けは無いものの、円熟した老齢期の作家にしか出せぬ味わい深さにグイグイ引き込まれ、一気に読了。ホラー色よりも、人間ドラマに彩られたサスペンス色の強い作品と思う。長いが、冗長とは感じない構成力、ストーリーテリング力はさすが。
「犯人を見た、証拠がある」という事実は、確かに表面的には事実なのだけれども、「事実」は必ずしも「真実」ではない、という事が徐々に明らかになるにつれ、いくらでも「表面的な事実」をデッチ上げる事のできる21世紀のネット時代を生きる我々にとって、正しさとは何か、何を信じればいいのか、という問いかけを生み出しており、作品にある種の深みが出ているように思う。
また、主軸となるキャラクターの正義の基準や行動原理が、理性を超えた現象に遭遇して崩されていくプロセス…つまりは、自分が取り返しのつかない大失態をしでかしたと気がついた後に、その事実に向き合い、方向転換をし、皆で正しい行動を取っていこうとする険しいプロセスが非常によく描けていて、唸らされた。ある意味、贖罪の物語でもあると思った。
ちなみに、ミスター・メルセデスから始まる三部作は未読。アウトサイダーは、スピンオフのような位置づけなのかな…? それでも、十分に楽しめた。
あと、美味しそうなメロンを切ってみたら中から蛆虫、というエピソードは、作品を貫く強烈なイメージ&比喩となっていて、強い印象を残す。この辺りも、キングの真骨頂。
いやー、堪能した!
ミスター・メルセデス以降の三部作も読んでみようと思う。
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久しぶりに読んだスティーブン・キングの新作。
「ミスター・メルセデス」がテレビ化もされてヒットしていたのは知っていたが、最近は食指が動かなかった、、、、
でも、読んでみると、キングらしい作品で面白い。
数人のグループが、反発もあるが、それを乗り越えて結束を固め、忌まわしいモノに対峙していく。
忌まわしいモノは徹底的に忌まわしく、そのモノに取り憑かれた人間はやはり根っからのダメ人間として行動する。でも、ちょっと抜けていて、失敗する。
というのはキング作品に通底する人物設定だと思うのだけどなあー。
楽しめました。
「ミスター・メルセデス」から始まる三部作も読んでみようかしら。
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ようやく読了!前半からの後半は怒涛の展開。分かりやすく軸がブレてないので読みやすい。が、最後はやや冗長に感じた。
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上巻があまりにも容赦なくてリアルに凹んでたのだが、ここまで徹底的に追い詰めておきながら下巻の(作中の言葉を借りるなら)人間の善を目指す力を信じる姿勢は救いであり希望だった。
こういうところ本当にブレない。
だからスティーヴン・キングの本が好きなんだよなあと再確認するなどした。
あと、スティーヴン・キングの文章が随所で本当に刺さってしまって動けなかった。
特にラスト20ページくらいのラルフとホリーのやり取り。
私にとって輝きそのもので心を鷲掴みにされてしまった。
なんでこんなドラマチックな書き方ができるんだ。
凄すぎるよ。
紛れもなくミステリー小説なのに、それよりも人と人が繋がる奇跡を大事にしているところが良いなあと思う。
暗闇を歩いていて先が見えなかったとしても、誰かとの絆が道標になる。
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テリーの死により事件は終わりを迎えたはずだった。しかし疑念と悔恨を抱えたラルフは捜査を続ける。そして「ファインダーズ・キーパーズ探偵社」のホリーを加えた調査で判明したのは、恐るべき事実だった。過去にも似た事件が起こっており、冤罪の犠牲になったのはテリーだけではないこと。さらに新たな人物が白羽の矢を立てられたということ。その陰にあるのは人知を超えた怪物・アウトサイダー。ラルフたちはそいつに打ち勝つことができるのか。
もうね、ホリーが登場したのが嬉しくて嬉しくて。ホッジズを失くした傷を抱え、不安定なところもまだまだありながら、それでも強くたくましくなったホリー。彼女には欠点も弱みも多くあるのだけれど、彼女自身がそれを受け入れうまく付き合おうとしているのが、とても心強いです。ああでもどうせならジェロームも一緒に活躍してほしかったなあ。
警告を発するアウトサイダーの不気味さ、アウトサイダーに取り込まれたあの人物の陰湿さが恐ろしいです。怪物を追い詰めるつもりで、だけれど罠に嵌められ待ち伏せされているのかも、という展開がスリリングで読む手が止まりませんでした。むしろ直接対決になってからの方が安心して読めたかも。だいたいこういうやつって、直接対決には意外と弱い気がしますねえ。
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久しぶりにキングを読了。
上巻での恐ろしい猟奇犯罪、容疑者の完璧なアリバイという流れは、ミステリ好きにはワクワクする展開で一気読み。下巻では一気にシフトチェンジし超常現象ホラーへ。
個人的には超常現象もホラーも得意ではないけど、正体不明の怪物を追い詰めていく過程はまさにミステリ。最後の銃撃戦や洞窟内でのバトルも含め、全要素が詰まった超エンタメ作品でした、大満足!!
「ビル・ホッジス」三部作は未読なので、その辺りの描写だけ薄目で見ました。笑
三部作も読んでみます。