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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い進化の話、例えば「クリサキテントウ」というテントウムシが、なぜわざわざ、すばしこくて捕まえにくくて、まずく、さらに数が少ないアブラムシしか食べないように進化したのかとか
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クリサキテントウが栄養が多い普通のアブラムシを食べないで、栄養の少ないアブラムシを食べるのか。その理由が分かっていく過程が楽しい。
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スズメバチにうまく擬態しきれないアブ、他種のメスに求愛してしまうテントウムシのオス。一見不合理に見える生き物たちのふるまいは、進化の限界を意味しているのか。それとも、意外な合理性が隠されているのだろうか。1970年代に生物学に革新をもたらした「ハンディキャップ理論」「赤の女王仮説」から、教科書には載っていない最新仮説までたっぷり紹介。わたしたちの直感を裏切る進化の秘密に迫る!
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『ざんねんないきもの事典』の大人バージョン的な本。
一見不合理に見える生き物たちの振る舞いにも訳があることを教えてくれる。
「初期の生物は無性生殖をしたはずなのに、なぜ有性生殖は無性生殖に卓越したのか。」という、進化生物学の未解決の大問題を主テーマとして新しい説を解説しているのが特徴的かな。
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【目次】序章にかえて――進化はどれほどすごいのか
第一章 進化の捉え方
1 適応と制約のせめぎ合い
2 適応をめぐる歴史と哲学
第二章 見せかけの制約
1 産みの苦しみをいかに和らげるか
2 昆虫と植物の共進化
第三章 合理的な不合理――あるテントウムシの不思議
1 蓼食う虫も適応か
2 禁断の恋―異種のメスを選ぶオス
3 不治の病―あえて抵抗しない戦略
第四章 適応の真価――非効率で不完全な進化
1 無駄こそ信頼の証―ハンディキャップ理論
2 役立たずなオス―性が存在する理由
3 ハチに似ていないアブ―不完全な擬態
終 章 不合理だから、おもしろい
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一見すると不合理な点も、丹念に調べれば合理的(進化論的)であることを説明している。思っていたほど、興は乗らなかった。最後に出てくる、有性生殖の理由は、まだ未解明なんだな。最後のまとめがよかった。あえてありきたりの説明を避けたのが本書だったのか。
・進化の過程は消えてしまっている。
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ほかの生物に似せてるのはわかるけど、実際あんまし似てない生物。
メスの気を引くため、天敵からも目立っている華やかなオスの彩色。
遺伝的な病気の意味不明な苦しみ。
なんで淘汰されなかったのか不思議でしょうがない。そんな不合理な進化に対する、妥協のない探求を紹介してくれています。
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第1章 進化の捉え方(適応と制約のせめぎ合い;適応をめぐる歴史と哲学)
第2章 見せかけの制約(産みの苦しみをいかに和らげるか;昆虫と植物の共進化)
第3章 合理的な不合理―あるテントウムシの不思議(蓼食う虫も適応か;禁断の恋―異種のメスを選ぶオス;不治の病―あえて抵抗しない戦略)
第4章 適応の真価―非効率で不完全な進化(無駄こそ信頼の証―ハンディキャップ理論;役立たずなオス―性が存在する理由;ハチに似ていないアブ―不完全な擬態)
終章 不合理だから、おもしろい
著者:鈴木紀之(1984-、横浜市、生物学)
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メモ:単一性生殖と両性生殖の比較の謎が未だに説明できない!(所説は有るが有力なものが無い)ってのが面白かった。
単純に生存戦略:効率から考えると、両性生殖の方が分が悪く地球上から駆遂されてしまうはずが、何故か進化の水準の高い生物ほど両性生殖が圧倒的に多い。
生物学的な定義で言う ”セクハラ” の定義ってのも面白かった。「オスは無駄な生き物」ってのは身につまされるが、本当に無駄って訳じゃない。セクハラが昆虫の世界などにも見られる種の生存という視点から見た必然!って説には、さすがに情けないような思い。理論的な説得力はあるし、とても興味深く読めました。
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なぜこの生き物はこんな不合理な、または不思議な、無駄な外見や暮らし方をしているのか…。生き物を見ているとそう感じることは多々ある。
この本では、そうした不合理の中に合理性を見いだす方向で様々な学説が紹介される。
クリサキテントウはなぜまずく栄養もないアブラムシを食うのかということを求愛のエラーにむすびつけて説明するなど、なかなかに面白く、不合理と一笑に付していたような物にも合理性があるのだとはっとさせられる。
有性生殖の、無性生殖に対するメリット、デメリットの話題で出てきた、モンキチョウも「セクシュアルハラスメント」(進化学の専門用語であるが)をする、というのが印象に残っている。
一見変な生き物に出会ったときの見方が変わる一冊です。
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「一見すると不合理に見えて、つい制約のせい(進化するにも制約があるから、これが進化の限界なんだよ)にしてしまう現象についても、データを集め深く思考することで、実は進化による適応の結果でその不合理に見える現象が維持されている」ということを扱った本。
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ナミテントウとクリサキテントウについての話が中心。クリサキテントウは松の木につくアブラムシしか食べない上、ナミテントウに比べていろいろ不利らしい。生物の世界でなぜオスとメスが必要なのか、という疑問にもせまる。
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生物には自然淘汰による適応が働いているにもかかわらず、なぜか不合理に進化しているように見える場合がある。これを、進化による適応が「制約」によりうまく働かなかった結果である、と断ずるのはたやすいかもしれないが、著者はそうではない、という。「一見すると不合理」に見える生物も、実は進化による適応として説明できるのではないか、そういう立場から研究を進めれば明らかになる適応もあるのではないか、というのが著者の立場である。その観点から、様々な具体例が説明される。例えば、捕まえにくく美味しくもないマツオオアブラムシに特化したクリサキテントウは、実はマツオオアブラムシ以外のアブラムシを食べても成育できる。その観点からクリサキテントウの生態を説明することはできないのだが、著者は、クリサキテントウがナミテントウに混じると、異種を見分けることができず交尾してしまい繁殖できなくなってしまうという仮説を説明する。それに至るまでの過程は大変にスリリングである。
その他、オスという子孫を増やすのに役に立たない個体を持たなければならない有性生殖に対して無性生殖は2倍の効率で子孫を増やせるが、それにもかかわらず有性生殖が優勢なのはなぜか、擬態が完全なものにならないのはなぜか、と興味深い進化の事例が、具体的に説明されている。非常に面白い科学読み物だった。
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本書を読んで、ぼくも「適応主義者」だったんだなと気づいた。生き物の形質や行動は環境にぴったり適応するために進化したもので、そうは見えないのは単にまだ研究が進んでいないから、とする見方だ。実際にはそうは見えない例がいくつも見つかっている。
本書では捕まえにくく、うまくもない種類のアブラムシを選んで食べるクリサキテントウの例が出てくる。普通の捕まえやすい、おいしいアブラムシを食べても問題なく成長できるのにどうしてだ? という疑問を著者は実験を通して解明していく。その過程はスリリングで、まるでよくできたミステリーを読んでいるみたい。その結論もびっくりで、これは本書にて。
それにしても、これは不適応に見えて、一回りして大適応と言えるんじゃないだろうか? 進化ってすごいなあ。
生物好き、自然好きにはこたえられない一冊。
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自分は分子生物学の研究してるので、ちょっと専門外の進化とか生態とかに興味を持って手に取った一冊。
「一見不合理な形質や行動をする生物も、別の見方をすればとても合理的に進化している」という仮定のもと、色々な昆虫の進化について紹介されていて、非常に面白かった。