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当たり前とされている倫理観を、正面からあっさり否定するスタイルが痛快。
現実離れしていそうで、結構考えさせられる一冊。
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根源的問いと重いストーリー、そして解き放たれた後半の爽快感と若干の滑稽さ。どうしてもラストにかけてのボルテージの高まりに目が行きがちだが、やはり随所における表現が濃厚で心摑まれる作品。
「お腹の中で、私たちは互いの体温を静かに食べていた。」
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自分を魔法少女と信じる奈月と自分は宇宙から来たと信じる少年。
この2人の小さな恋から始まる。
そして、大人になった奈月。
どこか社会から浮いていて、馴染めない。
…『地球星人』か否か。
衝撃的すぎて、しばらく感想を書けずにいました。
実に村田沙耶香さんらしい作品。
読んでいるうちに…どこか『地球星人』を離れた場所から観てる自分がいた。
正直、読んでてしんどくなるとこもあります。
が、あえての★4で。
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「コンビニ人間」の次の長編、ということにまずは少し驚く。
思えば「コンビニ人間」フィーバーのあと、遡るようにして全作を読んだ、この数年濃密に村田沙耶香を追っていたわけだ。
ようやくついていけるようになったわけだ……文庫派なので数年遅れだけど。
表面的には「コンビニ人間」の「語り手の変」からの派生。
ただし魔法少女とかぬいぐるみ(モロにまどかマギカのキュウベエじゃん)とかステッキとか食虫とか殺人とか毒親とか、作者の諸作の集大成とも寄せ集めともいえる。
(いい意味でも悪い意味でも)既視感もありつつジワジワ前進している手ごたえが、ある。
目的は「普通の幸せ」への強烈なアンチたろうとする意識。
解説で小林エリカが「これから人類のことを裏切るかもしれない」という芥川賞スピーチを引用していた。
また検索したら「応援してくれている人を裏切るような言葉を探すかもしれない」という言葉もあった。
そうだ!
突き抜けてくれ!
そこらの町にも村にも跋扈している「普通の人たち」がでんと尻を落ち着けて動かない常識という畳を引っぺがしてくれ!
読んでいる常識人を揺さぶってくれ!
というのが作者への期待。
「ポハピピンポボピア星人」というネーミングは安易なんじゃ……性的虐待というのは安易を通り越して書き割りっぽいんじゃ……という前半の隔靴搔痒を、優に超え、高らかに人肉食や単性生殖を歌い上げる作家でいてくれ! と。
作者が目論んだ「宇宙人の目のインストール」は、読後否応なしに完了している。
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村田さんの作品は完全主観でどこまでも個人的なのに、そのまま種の話などが展開されるのでスケールの変化が味わえる。
世間への反発心ではなくひたすらな違和感。
馴染めなさ。
いくつかは自分も確かに身に覚えがあるものなのに、どうしたらこんな結末になるのかという突き抜けっぷりが相変わらずすごい。
侮りからくる無遠慮さ、“正しい”に後押しされた攻撃性、それらを見抜いている冷静な視線に引き込まれてどんどん読んでしまう。
繊細な痛みとか、それを塗り潰すようなド派手な心理描写とか、もしブレーキがなければ人はこんなところまで行きかねないのかという感じが、最初の最初からブレない読み味で。
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そんなつもりはなかったはずなのに、一気に読み終えてしまった。
子どもの頃のゆびきりや、手を繋いで体温を感じていた頃の思い出の美しさにうっとりとして、読み進めていくほどその記憶の尊さを感じた。
途中でああこのままみんな地球星人として、社会に染まって生きていってしまうのかと思い寂しかったが、裏切ってもらえて良かった。
どう終わってしまうのかとドキドキしながら読んでいたが、本当に予想できない展開で、最初おなかをかかえている描写がすぐに理解できずにいたが、そうした読み手の混乱も混みで最後のシーンの混沌さが際立っていた。
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主人公 奈月が言う
「いつまで生き延びればいいの? いつになったら、生き延びなくても生きていられるようになるの?」
衝撃的な作品でした。
『しろいろの街の、その骨の体温の』の次に手にとった作品です。
自分の年代とは 離れた作家さんですが
興味深いというか 共感するところがあります。
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最後どんでん返し。。視野が狭まかったのか広かったのか。。「普通は〜でしょ」ってよく聞くけどあくまでもその人の中だけの1つの普通であって、その言葉を投げかけられた相手にとっての普通は全然違う。日本語の間違えなのか、捉え方の間違いなのかわからないけど、言葉は難しいから、受け手も投げ手も気を回せたら少し気持ちいいのかな。"常識に守られると、人は誰かを裁くようになる。"すごく共感。わたしは裁く人間じゃなくて受け取る、受け止められる人でいたい
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全員が当事者。だから、迂闊なことを口にさせない本。一方で、内省と咀嚼を迫る本。
①魔法少女について
贈与の仮面をつけた呪詛によって魂を殺され続けた奈月の生命維持装置。ピュートという聖人を偽造して、祝福を偽装するための仕掛け。同時に「おおきいおともだち」によって消費される、小児性愛のアイコンでもある。
②三大タブー
殺人、食人、近親相姦。そのタブーを踏み越えると超人になれるらしい。『木島日記』知識だけど。崖崩れで陸の孤島となった山村で食人と近親相姦にふける、っていうシュチュエーションも『木島日記』にあったなぁ。元ネタは何だろう?
③肉親の描写が書き割りっぽい
わざとなのかな?奈月の幼児性を描くため?こうまで戯画化しなければ、もっと奈月の苦悩が深く感じられるのにな。ちょっと残念。
④家族の始まりはメスの所有と贈答かららしい
山極寿一先生『父という余分なもの』によれば、メスをやったりとったりすること=メスの所有と贈答が家族の始まりなのだそうで。しかも、家族は人間にしか作れないのだとか。もう、あれだ、ホモ・デウスになるしかないな!
あと、朝日新聞の記事で印象的だったもの。村田沙耶香さんは各所で「クレイジー沙耶香」を喧伝したことを後悔してるらしい。「多様性」の誤った使い方を世に広めたと。
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASMDM3302MDMUPQJ001.html?iref=sp_ss_date_article
簡単に「多様性」とか「クレイジー」とか言っちゃいけない。わかりやすいフレーズは、わかりやすさの毒を含んでる。
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村田先生の私たちが普段当たり前に生きていれば感じない「普通」を独特なタッチで表現されている。
何度も、たしかになんでだろう。と思ったことか、、、
改めて考えさせられた。
ここまでドロドロのグロテスクな描写がされているとは思ってもみなかった。
ちょっと、グロいのがダメな人は勇気を持つ必要があるかもしれない。
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友達から勧められて初めましての村田沙耶香さん。読み終わってこれを初めて読んだことは正しかったと思った。こんな衝撃が走った作品は初めて。読み終わった時ズドーンって何かが鳴り響いた音がするくらい。惹き込まれて惹き込まれて終わり方は予想だにしなくて。言葉を失いました。
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日常生活で感じる言語化できないモヤ感を物語の中でズババ!と表現してくる読書体験は、小説の方から私の内面に迫る感じがおそろしくもあり、その破壊力が愉快でもある。子供時代にサイヤ人やナメック星人は受け入れられたのに、本作の地球星人とポハピピンポボピア星人には戦慄した。
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村田沙耶香さんの発想は、本当に奇想天外で毎回驚かされる。恋愛とか、生殖とか、社会の部品の一部とか、、あたりまえに受け入れていたことが、本当にあたりまえなのか問いただされる一冊。
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ただただおぞましくて、はやくこの小説が終わってくれないものかと思いながら読んだ。
主人公たちの世界の見方に共感する場面はあるのに、なぜこれほどまでにおぞましく思うのか。ゆっくり考えたい
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かなり変だけど面白かった。
宇宙人の目でみると、私たちの当たり前が当たり前じゃないのね。食人は無理だけど、私たち地球星人も何かひょんなことで宇宙人の目で物事を見ることができる気がした。