紙の本
天離り果つる国 下
2021/06/01 11:51
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投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐々成政に嫁いだ紗雪が、妾の小百合らの陰謀で囚われの身となる。
信長が本能寺で討たれ、その後を勢力を伸ばす秀吉は、柴田勝家を攻めさせるが、津田七龍太に勝家の正室であるお市を救い出すよう命じるが、自害を止められなかったことで処刑されてしまう。
しかし九死に一生を得て白川郷で匿われて療養を続ける。
そして囚われの紗雪たちを救い出すことを試みる。
津田七龍太は紗雪を腹違いの兄妹と思っていたが、実は従兄妹であったことを知り結婚できることに喜ぶ。
白川郷の命運は非常に厳しいが、幾多の困難に内ケ嶋氏理や七龍太たちが立ち向かう。
そんな中で巨大地震で帰雲城もろとも白川郷は崩壊し多数の領民も犠牲となる。
その後は・・・
戦国の謎多き帰雲城を題材に面白く描かれていました。
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いやぁ、面白かったです。かなり気に入りました。主人公2人の周りの人達も秀逸。おおさびと兵内がかっこいい!「わだまつ」もまたいい味出して最高。これ、きっとドラマになると思います。NHKの時代劇で大々的にやって欲しい。年末に今年指折りの作品に出会いました。数年前に訪れた雪の白川郷を思い出しながら読了。感謝。
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叶わぬ恋と思っていた紗雪が兄妹でないとわかり七龍太の感慨はいかに。秀吉の好色は知っていたがこれほど嫉妬深く卑劣なおとこに興醒め。
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白川郷に金山があったなんて!虚実の境目がわかりませんが、とにかく楽しい時代活劇。本願寺崩れの武闘派僧や比叡山のアサシンとか奇想の敵役が跋扈し、下巻では若き柳生宗矩も登場するなどサービス満点です。私的には佐々政成の冬の立山連峰縦走シーンを描いてくれて嬉しい。一説には当時の佐々は70余歳。あまりに超人的な雪山行です。登場人物が多いので巻頭とかに略記があったら親切でした。
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もう掘り尽くされていると思っていた信長、秀吉話を飛騨白川郷に着目して描いているのが面白い。大軍を相手にするために、一つの城に全軍を集め、敵が移動したら、空っぽにして移動するなど、黒田官兵衛の弟子なので策士として力量を発揮する。その腕を徳川家康に買われ、白川郷を中立地区にすることに成功する。さらにメインは野生児の紗雪姫と主人公七龍太との恋で、気が強い姫は何かというと七龍太にビンタをくらわせ、七龍太をぶっ飛ばす。まるで漫画のような扱いで、楽しい。そのくせ猛烈に愛しているのでお似合いなのだ。ところが途中であたりは異母兄弟という話になって、姫にそのことは話せず、別のところに嫁がせるなど、韓国ドラマ風になってくる。それは事実が解明されると解決されるのだがそこまでエンタメしなくてもと思う。
登場人物が多い上に、一人に名前がいくつもあって、呼び方も色々で、混乱、面倒になる。
縄田さんの『ときに読者を興奮のるつぼに叩き込み、ときに読者を泣きに泣かせる。その筆致は、柴田錬三郎か隆慶一郎か。怒涛の展開の連続だ』はないと思う。だまされた。
本の雑誌2020年度時代小説ベスト10 1位
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いつの間にかすっかり悪役になった秀吉。飛騨攻めの結末は思いがけない展開で、これでいいの?と思ってしまった。でも最後はハッピーエンドで良かったかな。七龍太の出生の秘密は何となくそうかなって思っていた。ぜひ映画化して欲しい作品。
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飛騨の国、白川郷を舞台に、名だたる武将らとの戦いを描く。白川郷を狙うは、信長、秀吉、上杉、武田、佐々…まさに戦国武将総ざらえの様相。対する白川は、内ケ嶋藩主と紗雪姫に配下の武士、竹中半兵衛の弟子津田七兵衛ら。史実の中に消え去った「帰雲城」と貧しくとも平和な白川郷を舞台に描かれる戦国フィクションの傑作。
銀英伝で、韓流ドラマで、いぶし銀じじい大活躍で…盛りだくさんの読ませ所を散りばめながら、風呂敷を畳んでみせる宮本昌健の筆力さすがである!
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面白かった。
まあ、言われてみればそういうのもありかと思ったし、もう一つクライマックスがあればなお良かった気はするのだが。
気持ちよく読了。
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七龍太、紗雪という、とても魅力的な架空の人物を、史実にうまく落し込み、素敵な物語に仕上がりました。
作者の力量に脱帽。
二人と従者たちのやり取りが微笑ましく、何度も声を出して笑ってしまいました。
清々しい読後感でした。
作者は信長を持ち上げ、秀吉を貶めている感があるけど、他の武将たちも含め、好色な人間を好まないのかな?
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下巻を読みました。
歴史が好きな人なら、白川郷にはこういう物語があったのかと興味深く読むことが出来ると思います。
登場する帰雲城も現存すれば天空の城として、一大観光地だったでしょうね。
天才軍師の弟子、津田七龍太と姫の恋もどうなるかと思っていたのですが、なるほどと思いました。
大河ドラマになって欲しい本です