紙の本
日本人が長く読み継いできた幕末史の第一級証言を、イギリス外交史研究を踏まえた新訳で読むことができる貴重な一冊です!
2021/05/04 13:06
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、イギリス大使館の駐日公使を務められ、また『アーネスト・サトウの明治日本山岳記』や『アーネスト・サトウ公使日記』などの著作もあるアーネスト・メイスン・サトウ氏の作品です。同書は、攘夷の嵐が吹き荒れ、政局が緊迫する文久2(1862)年、一人のイギリス人通訳官が日本の地を踏み出したことから始まる物語です。西郷隆盛ら雄藩・幕府の要人、果ては天皇、あるいは市井の人々との出会いを重ね、日本文化の奥深さに魅了され、そしてときには命の危険を乗り越えながら、筆者は日本史上の最大転換点を目撃します。日本人が長く読み継いできた幕末史の第一級証言を、イギリス外交史研究を踏まえた新訳で読むことができる貴重な一冊です!
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アーネスト・サトウといえば『遠い崖』という、朝日新聞にずっと連載されていて、今では朝日文庫から全10巻にまとめられている日記抄がある。
この本は、そのサトウがイギリス外交官として幕末から明治の日本でさまざまな立場の人と交わった記録を、丁寧な解説付きで紹介している。
誰もが良く知る維新の志士や天皇、公家なども登場するので、興味深い。
これを読んで『米欧回覧実記』を読むと面白いと思う。
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1、明治維新、岩倉具視の執拗なる警戒心は徳川派(反新政府派)へ強行に殺戮行動が行われたこと、また徳川派の逃亡者からの嘆願書においても厳しい沙汰をしているなど、余程の小心者だったのか。
2、英国、仏国含めた諸外国公使たちの「中立」の立場は新皇帝派と徳川派(反新政府派)に対して米国戦艦の引き渡しも新政府の最終終戦宣告が出るまで試行する事なく、最後は岩倉に対して「中立宣言」を中止明言したことは疑問が残る。
3、結局、幕末〜明治維新で様々な事件を起こした武士たちの夢は同じだったのか。攘夷と言っていた新皇帝派も新政府になると一変交易を開始するなど幕府側にいた多くの優秀な人材が新政府側の武士によって斬首されたのは誠に残念だった、と思う。
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大河ドラマ『青天を衝け』に触発されて手に取った本。
有名な岩波版ではなく、最近発行された講談社学術文庫版。岩波版を読んだことがないが、本書は訳者解説がまず素晴らしい。内容の詳述は避けるが、もし講談社版を読むのであれば、まずは訳者解説から読むことをお勧めする。それにより、サトウの著述からくみ取れる内容がより深みを持ったものとなると思われる(私はクセでどの本でもまず「まえがき」と「あとがき」を先に読むのだが、それが今回は功を奏した)。
この本は、もちろん歴史的な価値もあるのだが、単純に「160年前の我々の祖先がどう考えていたのか」ということを理解するために有効であるし、また、若き外交官の青春譚(尤も、同時代に書かれたものではなく、後年の回想ではあるが)としても読みごたえがある。
日本の政府による日本のキリスト教徒への処遇に対する考えを除けば、サトウ氏は特定のイデオロギーから日本を切り取ることはあまり見受けられず、その意味でも心穏やかに読書を楽しむことが出来た。
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新しくできた兵庫津ミュージアムに行ってきました
現代らしく展示の工夫がされていて見応えがありました
本を読むように展示を読みました
美しく配置がされていて気持ちよかったです
ミュージカル仕立てのムービーはツラかったのでパスしましたが
展示映像は多すぎず分かりやすいですね