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ケンカ別れしたまま親友を失った主人公。亡き親友の妹との再会、そして渡された演奏時間36時間という前代未聞で壮大な合奏曲の楽譜。止まってしまった時間が動き始める─。人生において失うものは人それぞれ。それは目の前の夢や目標だったり、あるいは大切な人だったり。その`さよなら´とどう向き合うか。柔らかな表現と穏やかな空気で包み込んでくれる感動ストーリー。
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高校3年生の智成は、吹奏楽部の部長から、人が少ないので、入ってくれないかと誘われる。バイトの方が大事だということで断ったものの、別の後輩からも吹奏楽部に入らないかと誘われる。ただし、別の理由があった。その人は、事故で死んだ友達の妹で、「兄が遺した曲を演奏してくれないか」と言われる。でも、それは36時間という超長い曲だった。
第27回電撃小説大賞で、メディアワークス文庫賞を受賞した作品です。終始、不思議な雰囲気を放っていた作品でした。というのも、主人公は死者が見えるということですが、早朝にしか見えません。
一見ホラーな感じはしますが、当たり前のような空気感で、さも普通に書いています。なので、こちら側としては、戸惑いはありつつも、段々と溶け込めたので、とても不思議な感覚がありました。
また、36時間というとてつもない長さなのに、苦労といった描写はあったものの、死者の力を借りながら、演奏にチャレンジしていきます。
その描写は、サラリと流れるかのように描いている印象でした。個人的には、苦悩や汗水流してようやく出来た!といった表現が薄かったので、もう少しじっくりと達成感を味わいたかったなと思いました。
36時間という長い長さなので、人数が少ない吹奏楽部では賄えません。なので、夜間は死者が演奏に加わるという展開に驚きはありつつも、小説の中では、自然な流れのように表現しているので、こちらとしては「え?」の連続で、違和感はありました。
でも、小説の世界では、自然に生身の人間と死者との融合のように「普通」な表現でしたので、それが逆に文章の凄みを感じました。
演奏の裏では、相手が死んでいながらも、なかなか一歩踏み出せない人達が描かれています。しかし、演奏という長旅を通じて、一歩前に生み出そうとする人達が、ポワンとキラキラ輝いていきます。その表現が、こちら側としては温かくさせた気持ちになりましたし、じんわりと感動もしました。
色々ツッコミどころはありましたが、ホラーチックな内容ではあったものの、それが当たり前のような「普通」感が、不思議な感覚を演出してくれました。
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楽譜に込めた想いや演奏にかける想いを個々にとてもよく表現されていたと思います。
読んだ後に爽やかさの残る作品でした。
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友達に薦められて読んだ本だったのですが、予想以上に幸せな気持ちで読むことができました。
『君と、眠らないまま夢をみる』
この題名に込められた作者の想いが読み終わった後にきっと貴方に届くと思います。
また、表紙のデザインについても心に届くものがあると思います。
今回の感想が抽象的になってしまってすみません。
興味を持ってくれたら嬉しいです。
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第27回電撃小説大賞で、メディアワークス文庫賞を受賞した作品とのこと。
自分には合わない話だった。
死者のことを止者を呼び、時間が止まっているだけで
同じ世界に生きているという設定は面白いと思うし
演奏に36時間かかる曲を止者を協力して
演奏するというストーリー自体は良いのだが
ブランクがある智成がトランペットを普通に演奏しきれたり
裕美が智成にこだわったりする理由がイマイチ描かれていない。
恭介の曲がそんなに誰が聞いても素晴らしい曲だという
説得力があるほどの名曲揃いというのも
都合が良すぎるし、妹の優子も行動もストーカーじみていると思う。
タイトルの付け方や、宇宙で聞こえる曲
というのは好きな感じなだけに、
全体的に説得力に欠ける悪い意味でのいかにもラノベ
という感じで大変残念。
言葉遣いも「だけど」などの話し言葉が
ちょくちょく出てくるのも苦手。
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高校生になった智成の日常は少し変わっている。死者が見えるのだ。吹奏楽をやめ、早朝バイトをする智成は、夜明けには消えてしまう彼らとの、この静かな時間が好きだった。
だが、親友の妹・優子との突然の再会がすべてを変える。
「文化祭で兄の遺作を演奏する手伝いをしてくれませんか」手渡されたそれは、36時間もある壮大な合奏曲で――。
兄を失った優子。家族と別れられない死者。後悔を抱える智成。凍り付いていたそれぞれの時間が、一つの演奏に向かって、今動きはじめる。
「主人公たちの幸福を願わずにはいられない、愛おしい物語」(三上延)、 「これは小説でしか表現出来ない音楽だ。最後の別れはキラキラと輝いていた」(佐野徹夜)――感動と推薦の声!
「さよなら」ができない、すべての人に届けたい感動の青春小説。応募総数4,355作品から選ばれた第27回電撃小説大賞の《メディアワークス文庫賞》受賞作!
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前半はテンポがいまいちだけど、その分後半から面白さが増していきます。最後の合奏シーンで登場人物たちの心情が語られるところはじ~んと胸にきました。最後の方で曲タイトルの意味がわかって納得。