紙の本
第5章が圧倒的に良かったです
2021/06/05 14:47
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、中国勤務経験のある新聞記者。中国では今、AI産業がどのように発達しているのか、そして将来どうなるかを、中国の情報に長けた著者が的確に論じた1冊です。
ですが、個人的には最終章の第5章が圧倒的に読みやすく、爽快な内容でした。第4章までは中国AI論の話ですが、第5章は中国が生んだAI関連の偉人を写真付きで多数紹介しています。純粋にAIで成功した人物たちを紹介しており、人間臭さを感じれた、唯一の章だからです。
もちろん、第4章までも勉強になりました。第4章までを読んでから第5章を読むと、第5章の良さがより出ると思います。
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「内側から見た「AI大国」中国 アメリカとの技術覇権争いの最前線 福田直之 朝日新書 2021年」自分が駐在していた17年からの3年あまりに起きた中国の変化が書かれていて面白く読めた。Huaweiやジャック・マーの件、監視カメラだらけの監視社会や、アメリカとの半導体戦争も勉強になった。
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過剰な対中脅威論・親中論に陥らないために、中国のAI分野を取り巻く現状把握のための情報を提供。AIにおける強み=ソフトの社会実装力、弱み=ハードの製造能力それぞれについて、業界トップへのインタビューを交えながら描く。
半導体について記述している第三章を読むことで、半導体業界のわかりやすい地図を頭に入れることができた(予想外の収穫)。加えて、AI実装のための社会規制の緩和VSアントに対する共産党の強硬姿勢という一見相矛盾する事象について、習近平指導部の思想というところにまで踏み込んで解説されているなど、テック界にとどまらず、広く中国の政治・経済体制について記述されており、入門書として適していると考えたため。
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・ディストピアはユートピア?
アニメ『サイコパス』のようなハイテク監視社会がもう既に実現しているという事実に圧倒された。
しかし一般民衆は監視社会化したことによる犯罪率の低下・治安の改善を喜んでいるようである。
『1984』で監視社会はディストピアとして描かれていたが、実際は『素晴らしい新世界』や『サイコパス』のようなユートピア的社会を到来させるかも?
・半導体競争
米中間の貿易戦争、いわゆる「新冷戦」の内実が知れるのも本書の見どころ。情報化社会の維持・発展に欠かせない高性能半導体は分業化が進んでおり、中国は設計能力があるものの生産能力はなく、そこをアメリカに抑えられて経済発展に遅滞が生じているようである。
アメリカの戦略の有効性がよくわかる。
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80年代に米国に潰された日本。
次は中国が標的になっている。
中国は13億人の人口によるデータを使え欧米と比べて個人情報にもゆるい。
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中国のAIの現状を知ることができる。
【概要】
●中国のAIの弱点
●中国の監視社会
●中国の技術政策
●中国のイノベーション全般を取り巻く政治的な環境の変化
●中国のイノベーションの人材
【感想】
●中国のような専制国家は個人情報保護ができなくても問題にならず、それがAIに必要な質の高いデータの入手につながる。日本ではあり得ない。
●一方で、日本は半導体やソフトウェアの技術が優れていることから、その強みを生かした政策をとることにより、AIの競争の中で優位性を確保しなければならない。どうすれば日本は不利な状況に陥らないですむかアイデアが必要だと思った。
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『#内側から見た「AI大国」中国 アメリカとの技術派遣争いの最前線』
ほぼ日書評 Day669
帯の「監視カメラをかいくぐった貴重なインサイドレポート」は、この上ない誇大広告。
僅か2年前の本なのだが、古い、かつジャーナリストの書いたIT本は読むべきではないという典型的な一冊だった。
中国が監視社会で、ウイグルなどはそれにずいぶんやられてる。一般国民は、それでも治安が良くなるならと、西側諸国のように個人情報等というものを余り意識せず、デジタル通貨にも抵抗がない。
そんなことは、3年前には常識だったはずで、コロナ前に行った中国出張で実感していた。
中国内の新たな技術の開発者を紹介しているのが、唯一、本書ならではな部分かもしれないが、日進月歩のそうした部分を扱うならば、雑誌のような媒体が適切だろう。
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