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DVDや写真のお手軽さが、いかに官能と美術を引き離したかが良くわかる。構図を工夫、じっくりデッサンし、習作を重ね膨大な時間をかけ手仕事で産み出した絵画には、芸術を超えた?エロを感じる。
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本の構成上、一枚に対する解説はあまり十分で無く感じるが、端的な解説はわかりやすい。
絵画に見られる性的モチーフをどのように見つけるか、のヒントを若干得られるが、他の絵に対する応用はしにくいと感じた。
美術になじみのない人が興味を持ちやすい、という点で良い本だと思う。
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西洋における官能的な美術作品の歴史。ティツィアーノ、ジョルジョーネ、ベラスケス、ブグロー、アングル・・・。ラファエルにもそのような作品があったは意外なこと。ヴィーナスがマルスと不倫関係にあり、それがボッティチェリなどの絵の題材として多く用いられたとのことは知らなかった!ジャンーレオン・ジェロームの「アレオパゴス会議のフリュネ」は物語を知っていると一層官能的な絵になりそう。官能的な作品として現代では写真に代わるポルノとして描かれた作品も残っているのはいつの時代も変わらないと思うと可笑しい。
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借りたもの。
文庫サイズながらカラー図版を多く掲載し、西洋美術史のヌード表現の変容、主題解説、鑑賞のポイントを紹介している。
読んでいるとそこに一貫して流れているというべき官能表現――性愛の歴史――に魅了される。
「愛」という抽象概念(性愛、精神的な愛、禁断の愛)の体現から、強姦、浮気、不倫、売春の描写、恋愛物語に同性愛、少年愛……
ポルノグラフィティ的な要素、タブー視されたものののぞき見的なものも否めないが、愛にまつわる悲喜こもごもが人の心を揺さぶる事を色香と共に匂わせてくる美術たち。
様々な愛が主題の物語や、寓意であればそれが何を示しているのか、その魅力が言語化されている。
その絵画が描かれた時代背景、道徳観、歴史的事件なども併せて紹介し、現代との違いや普遍なものを考えながら読むのも楽しいと思う。
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あまり美術館ではまじまじと見れないようなヌードの絵画を多数取り扱った本。
官能・ヌード≒女性となるのは長年美術界が男性によって支配されてきたこと、そして神話・宗教においても男尊女卑であるが故なのだなぁと思う。そういう意味でも興味深く読むことができる。