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投稿者:大阪のおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
知人に勧められて、余り期待せずに読んだが、意外な面白さがあった。「2on2」という、組織の抱える「慢性疾患」(著者の言葉)に対処する手法の解説本。
この手法は、本の終盤に書いてあるようにナラティヴ・セラピーの「リフレクティング」を取り入れた手法であり、もし企業で導入しようとするなら、そう志す主要メンバーはナラティヴ・セラピーを本格的に学んで置くのが望ましいだろう。内容に「2on2でやってはいけないこと」についての記述が含まれているのだが、そこに書かれていることを何度も読むよりナラティヴ・セラピーのエッセンスに触れるのが早道だと思うからだ。
この本には何度も「当事者研究」への言及があり、「疾患に名前をつける」などは正に「当事者研究」から取り入れられている。しかし、精神疾患や臨床心理学の予備知識なしに一般企業の社員が「当事者研究」関連本を読んでも、戸惑うことばかりであろう。良い企業人の皆さんは「当事者研究」は素通りして、それに向けるエネルギーはナラティヴ・セラピー理解に費やすことを勧めたい。
私が最も意外に思い、且つ面白く読んだのは、「2on2」で「問題を悪化させるにはどうしたら良いか」を考えるところだ。何が問題を悪化させているのか、と受動的に考えるのでなく、自分たちが問題を積極的に悪化させるにはどうしたら良いかを考えるのだ。こうして問題を反転させる設問は、大変示唆に富む。
一般企業にリフレクティングを導入しようとした長年の取り組みによる試行錯誤で、こうした大いに捻った設問が、それこそ「捻出」されたのであろう。私も企業での中間管理職経験をそれなりに積んでいるので、著者(及びこの手法の開発メンバー)の苦心の一端がこの設問から伺え、少しニマニマしつつ読み終えたのだった。
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「反転の問いかけ」は強力なツール。
「今の状況をもっと悪化させるとしたら、どうするか?」と問うとは目から鱗。
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まだ2on2を実践できていない、読後の感想として:
直前に『トヨタの会議は30分』を読んでいたのだが、こちらの本の「終章」に、トヨタイムズにあるエピソードが紹介されており、何かつながりを感じている。別物として2冊続けて読んだが、細部と思えるような「やり方」に物語は現れていて、垣間見えるところから全体像をつかみ、良いと思う方向に変えていく。いわゆるハウツー、型から入るアプローチもある。わたしとあなた、それぞれの物語を知ろうとするところから始めるのもあり。そんな受け止めが、つながりを感じた理由のように思う。
まったくの誤読の気もするが、細部を積み上げていく結果『組織が変わる』を学びとして活かしていきたい。
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1on1が苦手な人、組織向きの本と感じたが、2on2の手法は有用ではあると思う
・弱いシグナル(顕在化した問題)の重要性を理解し、積極的に対応する
・問題をすぐに解決しようとしない。慢性的な疾患を多面の視点から掘り下げる
・対話にのぞく人間は感情や主観を大切にする
・互いに分かり合えているという組織は脆弱(本質的な課題や議論から目を逸らす)
・慢性疾患を妖怪に喩えることで、問題の外材化を行なう(構造的課題に落とす)
・反転の問いかけが有効「どうすればこの問題はより起こりやすくなるか」。問題のトリガーの発見と、問題への当事者意識(自分も一因)を高めることができる
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ナラティブを客観視する方法として、1on1を発展させた2on2という手法を学んだ。
運用する側・実施する側のスキルもある程度必要になるとは思うが、有効な方法のように思えた。自身の周りでは1on1による問題発見から始めてみようと考えているが、本書にあるような壁にぶつかった際は2on2の技法も取り入れてみたい。
前著の「他者と働く」から引き続き感じることは、問題解決は当事者が主体的に取り組むから意味があるということ。そのためには問題やその背景を自分事に引き寄せる必要があり、また職場の仲間等の周囲の人間ともその文脈は共有する必要がある。これが、他者のナラティブを理解し、また他者とともに新たなナラティブを紡ぐということだと思う。
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多面的に話し合うって事だね
昨日みたYouTube大学の内容ともリンクするから
個人的にすっと腑に落ちた
こういう点と点とが繋がってより強固になるみたいな感覚は気持ち良い
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変革には自分たちだけでなく、変化の影響を受ける人たちにも私たちとして関与してもらうのが大事だと思っていたけれど、そこに気づきを与えてくれる違うナラティブを持った第三者にも入ってもらうのが必要だと感じた。第三者がアドバイスモンスターでは成立しないので立ち振舞いはとても難しそうだけど。
2on2は対話をシステムとしてうまく落とし込まれたやり方だと思う。読んでいるなかで、自分が問題の一部という意識はしていたけれど、本当の意味で問題の一部だと認識していなかったかもしれないと気付かされた。
組織も人も変えていくではなく、変わっていくものなのかも。そのくらいのスタンスと距離感の方があっている気がする。
リフレクティングは手法としてもっと掘り下げてみたくなった。
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ナラティヴ・アプローチ、より具体的には、リフレクティングや当事者研究、ナラティヴセラピーの外在化などを組み合わせて、組織のなかで使いやすい形に整理した2on2という手法を紹介している。
一言でいうと、そんな感じ。
書いてあることには共感するところも多いのだが、なんだか違和感を感じるところもある。
多分、組織の問題を慢性疾患としてあつかう比喩に違和感があるのかな?「組織が問題ではなく、問題が問題である」という立場とはやや違う感じかな?
また、「問題」の外在化として、「妖怪」のネーミングをするというのも、今ひとつ、ピンとこない。多分、深刻になりがちなテーマをユーモラスに話すための工夫だと思うのだけど、問題の外在化の表現であるはずの「妖怪」が、だれかの人格を語る表現にすり替わってしまうリスクを感じるのかな?ワークの主旨をしっかり理解する人だけでもないだろうし。
わたしは、組織を基本的には、成長する力をもった存在であるととらえたいと考えているんだと思う。そうしたうえで、それを妨げる問題(外在化された問題)があるという比喩が好きなんだと改めて思った。
あと、ナラティヴという言葉の使い方が、多分、わたしの理解と違うのも、なんだかな気持ちになる原因なのかな?まあ、ナラティヴもいろいろな使い方がされているので、その人がどういう意味で使っているのかが分かれば、それはそれでいいのだけど。。。。
全体的に「学習する組織」の「メンタルモデル」に近いものとしてナラティブという言葉で使われている?
でも、それだと、「ナラティヴ」という言葉に内包されている「話すこと」「声をだして語る」という発話行為みたいなニュアンスが薄まる印象があって、このアプローチをもって、ナラティヴ的なものと整理していいのか、わからなくなる。
もちろん、手法の名前がどうであっても、効果があれば、それでよいという視点もあると思うが、「言葉」にフォーカスするという特徴をもつナラティヴ・アプローチとしては、その辺の言葉づかいが気になってしまう。
「他者」を強調するのは面白いと思う。安易に「わかりあおう」ということではなく、「わかりあえない」を起点にするのも、「面白い」。
でも、実際のところ、わたしたちは、いいか、悪いかは別にして、「わかってしまう」んだと思っている。この「わかってしまう」のがなぜかというと、それがディスコースの働きであり、言語の機能なのだ。
「わかってしまう」ことからどう距離をもって、よりユニークな新しいストーリーを生み出すかというのが大事で、最初から「わからない」ところから始まるわけではないのだと思う。
意図的に、「わからない」「しらない」という立ち位置で、相手の話を聞くことから始まるのだと思う。
この差は、微妙だが、全く違うものに思える。
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これはウチの会社について書いた本かと疑うくらい自社にフィットした課題感。しかし肝心の解決に向けた方法論がハラ落ちせず。実際やったことないからか?
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組織をマネジメントしていくときには役立ちそう。
私には難しかった。
その中で自分の仕事にいかしていきたいって思ったこと。
◯カギは対話だということ
対話とは、わかりあうことを目指すものではない!
周りと対話して、考えを知ることから始めよう。
そして、言語化できてない思いを言語化するお手伝いができるといいな。
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前半は面白かったのだけど、方法論としての2on2の話になった途端に冷めた。
なぜ冷めたのかというと、おそらく2on2をするためには、会社をあげてしなければいけない、つまり現場でやりにくいのではないか?という疑問が浮かんだからだろう。
人事総務など、ルールを作る部門が読む本なのかな。
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思ってたよりは堅苦しくなく、読みやすかった1冊かな?
組織の「慢性疾患」(すぐ解決しないけど大きな問題)を解決するには、問題解決しようとせず、
対話にてその質や問題の本質を見ようとすべし、という一冊。
2 on 2は面白そうなのでやってみたい。しかしこれでいい方向に行くかどうかのイメージが出来ないのが少し不安。あと本書にも書かれていたが、これがどれくらいの企業に受け入れられるかどうか。
【2 on 2の内容】
当事者、当事者と関係のある人、部外者1名でαチームとβチームにわける。αが関係者、βが部外者側。各チームで話している時は口を挟まず、問題解決しようとしない。最後に見えてきた問題の本質に名前を付ける。その問題をより深刻にさせるにはどうしたらいいか?といった「反転」の質問をすることで、自分がその問題に関わる一人であったことを認識しやすくなる。
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組織の慢性疾患とは言い得て妙。
複雑な要因を解決するには、地道に一つひとつを解きほぐすしかないということか。
2on2という手法ではないが、組織の課題をみんなで洗い出しした際、問題点は同じなのにそれぞれが考える解決策がまりにも違うことに驚かされた。
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良書なんだと思うけど、他者と働く、ほどのインパクトはなかったなぁ。
2on2の実施ハードルが高いと感じてしまったからだろうか。簡単に始められるとあるが時間よりも趣旨を理解し問題から焦点を逸らせないようにすることに難易度を感じた。
2022.4.29
63
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「他者と働く」の宇田川さんの続編的な本。
※他者と働く
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4910063013#comment
「他社と働く」は名著だと思いますが、
この本では伝えきれなかったこと(誤解を与えかねないこと)を
補足するために書いた本のようです。
「対話を通じて、お互いの理解を深め、
ごちゃごちゃにからまった糸をほぐす」というのは、
前著の「他社と働く」と同じスタンスで、
前著をより深く理解するための補助教材としても使えそうです。
ただ、この本の中に紹介されている2on2という考え方は、
逆にちょっと使いにくい印象も受けました。
ですが、2on2を通じて紹介されている会話のTipsは、
とても参考になるものばかりで、例えば「反転の質問」などは、
ちょっと使ってみたら面白そうな印象です。
何れにせよ「自分も問題の一部であることを認識する」ことが大切なステップですので、
根本思想としては、「自分の小さな「箱」から脱出する方法」と同じような気がします。
※自分の小さな「箱」から脱出する方法
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4479791779#comment
この本を読んで、読んでみたいと感じた(けど、読むのを躊躇しそうな)巻末の参考文献(2冊)。
※想定外のマネジメント
https://booklog.jp/item/1/483094949X
※組織の<重さ>
https://booklog.jp/item/1/4532133378?carousel=B07DJ6VJ45