バレー好きにはたまらない小説
2022/03/27 21:41
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投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
深水黎一郎のバレーに関わるミステリー小説である。本書はバレーに関わる小説2編であるが、バレーに関わるというのは、一作目がバレー団のドン・キホーテの公演に、欧州委員会の女性委員長が会議のために来日し、ついでにバレー公演を鑑賞するものである。二作目はバレー団内部で発生した社長殺害事件?がメインである。
一作目を読んだ限りでは、作者の深水はよほどのバレー好きのようである。まるでバレーの解説書を読んでいるようで、バレーの基本技について詳細に解説しているのである。一般読者、とりわけミステリー愛好家にとってはここまで詳しく書かなくともよかった。これでは途中で挫折してしまうであろう。
作家が自分の思いを小説にぶつけるのは結構だが、あまりやりすぎると逆効果である。しかし、わが国のバレー人口はかなり増えてきているようだが、それでもバレー団の経営は苦しいであろう。NHKだけがバレー公演を時折放映している程度である。バレー界の今世紀のセンセーションは、何といってもディアギレフ、ニジンスキー、ストラヴィンスキーの『春の祭典』であろう。このセンセーションについても深水は逃してはいない。
通常は白鳥の湖などで舞台上を踊るバレリーナが登場するが、ストラヴィンスキーの春の祭典はバレー界に革命をもたらした。それは興味のある方が実際にご覧になることをお勧めしたい。
バレーを強力に押し出す深水の心情は理解できるが、小説の内容は面白く読めた。ただし、解説部分を除いてだが。しかし、バレー好きには応えられないであろう。ただ、世間の実情からは遊離していると思う。
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正直言って、私はこの作家の今までの作品はすきではなかったのだか、この作品は面白かった。
短編2本+αなのだけど、これは順番読むと面白さも倍増だらう。
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これはひどい。実にひどい。「ドンキホーテ・アラベスク」はともかく、「グラン・パ・ド・ドゥ」は悪夢さながら。おまけの掌編に至っては何をか言わんや。いやぁ実にひどい。ひどすぎる、いやまったく。ハハハ。
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2編目のインパクトが強い。ネタバレになってしまいそうなので多くは控えるけど、もういろんな意味で強い。面白かった。
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ふざけてる。馬鹿げてる。でも1ミクロンくらいは感心しなくもない。憎み切れないろくでなしなバレエミステリ。2話収録。『ドンキホーテ』..有名バレエ団に脅迫状が届く話。ミステリとしてはお粗末すぎる結末。バレエ初心者のためのハウツー本と思えば多少は役に立つかも。しかしこれが2話目のフリになっているとは。『グランパパドゥ』..何を書いてもネタバレになる二度読み必須のバカミステリー。読みませんが。作中の違和感がすべてくだらない新事実につながる。しかしシリーズものだと知ると他作品もちょっと気になってくるのが不思議だ。
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ミステリではないと思う。お笑い小説?
中篇2つと、おまけの超短篇が1つ。
バレエの動きと演目の解説にページ割きすぎたのか、肝心のミステリはよくある展開&結末。
蘊蓄ばかりの人=絶対一緒に観劇に行きたくない人、感性を疑います。
もう1篇に関しては何も感想がない。スベりまくりのパロディ、笑えなかった…
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まさにだまされた!!
読み応えのあるミステリーでした。
あまりネタバレ出来ないので、ぜひみてもらって
だまされみてください。
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芸術探偵が解説する、とても素敵なミステリー(〃´-`〃)♡
いやぁ、これは帯の『やられた!』そのまんまです(*´艸`)♡
表紙の可愛いイメージそのままのほんわかした雰囲気ですが、ちゃんとミステリーでした!
【ドンキホーテ・アラベスク】
烏丸バレエ団に脅迫状が届いた。
内容は『ドン・キホーテの公演を全て中止にしろ。さもなければ、舞台上でとんでもないことが起こるだろう』というもの。
海埜警部補は、甥の神泉寺瞬一郎を連れ、バレエ団へ捜査に赴く。
この神泉寺瞬一郎が、芸術探偵と呼ばれ、バレエ界にもめちゃめちゃ詳しい。
バレエに関するあれやこれが、彼の口から細かく丁寧に説明される。
私、バレエ鑑賞は好きなので、少しは知識がありますが、再度こうして改めて解説されると、知らない事や初めて聞いたパが出てきて、凄く楽しかったです。
Kバレエ(熊川哲也のバレエ団)なイメージで読みました笑
特に本書はフランス式の名称で記述がされていて、イギリス式との名称の違いもきちんと説明されていて、分かりやすい。
そんな説明を挟みながらも内容はミステリーでおもしろい。
久しぶりにドン・キホーテを鑑賞したくなりました♡
【グラン・パ・ド・ドゥ】
夕霧のいるバレエ団で、装身具盗難事件が起こる。
その後、殺人事件に発展するのだが、容疑者と思われるメンバーはいない。
聞き込みに来た海埜警部補に、夕霧は好意を寄せる。
この話、おもしろい!
まぁ、怪しげな雰囲気はあったのだが、まさかこうくるとはꉂꉂ(ˊᗜˋ*)
バレエ描写もお見事で、頭で思い描きやすく、光景が目に浮かぶ……笑
「あぁ、だからか!」と納得した所を言ってしまいたい!笑言わんけど。
素敵で可愛いミステリーでした♡