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紙の本
浅田次郎氏による感動の時代小説です!
2021/05/03 13:02
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『中原の虹』、『終わらざる夏』、『帰郷』、『天子蒙塵』、『大名倒産』、『流人道中記』などの作品を次々に発表されている浅田次郎氏の著作です。同書は、激動の明治維新期になって、突如「武士」という職業がなくなり、行き場所をなくした岩井五郎治は、遺された孫のために命も誇りも投げ出す覚悟を決めるという物語です。やがて訪れる最期の時、町人として明治を生きる孫に、五郎治がのこしたある遺品を送ります。人生、そして時代に始末をつけた、侍たちの物語です。表題作ほか全6篇に書き下ろしエッセイも収録され、読み応え抜群です。
紙の本
明治維新後の生き場を失った侍たちのそれぞれの物語
2024/04/13 01:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミミン - この投稿者のレビュー一覧を見る
浅田次郎先生による、ほんの100年少し昔のこと、生き場を失った侍たちのそれぞれの物語。既に浅田先生には新選組3部作、江戸末期の旗本・大名の旅路3部作があるが、本作はそれらに続く時代の短編エッセー6話を収め上梓されている。
登場する侍たちは、明治以降の官吏として上手く転身できずに、各々の立場で侍として居場所、終わり場所、終わり方を見つける悲愴な物語となっている。
元旗本、旧会津藩士、旧徳島藩士、幕府御徒士天文方、長門清浦藩士、(仇討禁止令と彦根藩士)、桑名藩士と戊辰で官軍とならなかった武士の各々の話である。そんななかでも、涙ながらも最後にはそれぞれのなんとか納得のいく落としどころにもっていくのが浅田節なのではと思う。
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