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神奈川県で現役で林業の会社を経営されている方が、
丁寧に林業、その問題点、人材育成にかける作者の林業というライフワークを解説した本。
実務的な本ではなく細かい作業などの解説はないので、林業に興味を持った人が読むには手に取りやすい。
持続可能な社会を目指す中で、樹を植えればいいというものではなく、水や生態系など多くの自然環境に寄与する森林と付き合っていくために林業の意義を強く感じさせてくれる。
業界として縮小を続けるも、止めどない自然環境を相手にする林業のなかで、人材を育てるが早いか、3Kの現場に自動化の波が押し寄せるが早いか。
厳しい自然環境を見極め、それを扱う熟練したスキルを求められる林業の環境は、現状お金にならない分野として自動化からも放置されているのだろうか。ドローンの活用などその辺はわからなかった、、
林業に山積する問題点は多い、、、
人里離れた深い山の中や急坂で自然を相手に作業する林業が、人の住む環境と自然の仲立ちをしているが、
国内の林業従事者の減少は深刻であり、手入れの行き届いてない山は水を吸収できず気候変動による災害も深刻度は増加。
安価な外国産の木材が出回るも、国内の材木は間伐されず、伐採しても運び出し、運搬にコストがかかる。
また、林業の担い手も育てるのには時間と資金を要し、危険が伴い薄給。
導入された森林環境税も、規模面でも、適当な分配という面でも問題あり。