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猫の姿態と表情は雄弁、ことばは散文詩。母の心情を描いた2作品は大傑作!やまだ紫 代表作の復刻版。
2010/09/01 15:59
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:月乃春水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
Twitter初?Twitter発!猫本フェアで大きく取り上げられていた漫画です。
■猫本フェアin往来堂書店 ウェブ本棚ブクログ
やまだ紫さんは2009年に急逝された漫画家で、80年代、新しいマンガ表現を切り開いた女性。小学館クリエイティブから復刊されたこの本は、重版の予定はないそうです。(「往来っ子新聞」第猫号 通算33号 往来堂書店発行より)
やまだ紫さんのことは存じませんでしたが、このフェアで見かけて気になったので、読んでみました。
収録作品は
「性悪猫」
野良
夢
日向
天空
ときどき日溜まりで
柳の下
さくらに嵐
山吹
腹
梅雨
残暑
八月
おーい
山の水
窓の外
ひかげ
「長ぐつ はかない ねこ」
「時間の兵隊」
「出口」
猫ギャラリー
マンガで描かれた詩─中野晴行(編集者・マンガ研究者)
猫のモノローグ、猫と猫、猫と人、猫と犬と人との会話などが、猫の姿態や表情は雄弁に、ことばは少なく、散文詩のように描かれています。
「さまざまな猫たちの姿が日常スケッチ的に描かれ、その姿には人間の日常の中の哀しみや愚痴や葛藤が見事に重ねあわされている。そして、猫たちに仮託しながら、人間という存在の不思議を少し離れた場所から冷静に見ているやまだ紫という作家の姿がある。」
と、中野晴行氏が解説に書いていますが、まさにその通り。こんな作品にははじめて出会いました。
なかでも、びっくりするほどの傑作は、母の心情を描いたもの。「山吹」と「おーい」。
こ、れ、は…!と絶句しました。
このような「母」の描き方は見たことがなく、読後の爽快感といったら!
まさに、隠れた名作です。
わたしはそれほど猫好きではないので、猫の本だからといって特にピックアップする、ということはないのですが、フェアになった経緯が興味深く、とにかく見に行ってみよう、と往来堂書店に出向いてみたのです。偶然の出会いに感謝します。
同じく復刊された「しんきらり」 「ゆらりうす色」 も、深くこころに残る作品です。
本についてのよもやま話。 <ブログ> 本のことあれこれ
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