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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
近未来の世界を描いた小説を続けて読んだせいか、あり得る世界であり、ある意味現在もほとんど足を踏み入れている状態なのかも。
カズオイシグロの「クララとお日さま」、平野啓一郎の「本心」とは大きく読後感は異なるものの、恐怖感を最後まで続く物語はさすが本谷さん。
あまりオススメできないが、怖いもの見たさで、誘われてしまいそう。
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タイトルから連作短編集とか二篇が関連性あるものだと勝手に思っていたのでちょっと置いてけぼり。最初の気持ち悪い近未来な話のが好き‼︎
起こり得そうな近未来‼︎コセーとかドクソーテキとか!ええ愛とか、気持ち悪くなるくらい追求されてて好きでした。
人間の嫌なところつめこみました!な作品たち、好き
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人間のコモディティ化。均一化された中身、効率にかき消される余白。
人間を観察の対象として面白がることの残酷さ。ホームレスを記事にして炎上したあれ。
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2021/07/04予約
推子のデフォルト
ええ愛、須摩後奔(すまあとふぉん)、オフライン依存外来、その中で育つ子供は、昔の子よりひとまわり以上眼球と頭部が大きく、地球外生命体を想像させた…
その保育園の中でのオフライン思考のG.J(原人)は推子には最高のリアルエンタメだった。
マイイベント
台風が迫り目の前の川のの氾濫に警戒している中、防災用品マニアの渇幸は恐ろしいほどの興奮と喜びの中にいた。
マンションの最上階を購入し、妻のセンスで整えた「安全」な部屋から下界を眺め、“我が家は上級”と悦に入るのだった。
どこかズレまくる渇幸。違和感がものすごい。
ところが、一階に住むとんでもなく厚かましく、渇幸とは違う異質さを持った大家族が避難のため侵入してくることになる。
どっちも嫌な人たち。
でも周りにいそうな人たち。
読んでいて嫌な気持ちになること満載。
でも世の中のリアルに嫌なことばかりあるので、これを読んですかっとするのもありかも。
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著者の作品で爽やかな読後感を得たことがそもそも無い気もするが、今作も最高に最悪である。1本目の『推子のデフォルト』はサイバーパンク系のディストピアSFに子育てを組み合わせるのは何とも底意地が悪い。2本目の『マイイベント』は完全に今この時代の現実世界と地続きの物語でもっと胸糞悪くさせてくれる。ITに抵抗感の少ないエリート層への痛烈な批評だ。ただ、熱海で豪雨災害があったこのタイミングで読んだのは少し堪えたので、私は本作を“今すぐには”あなたにオススメしないです。
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社会問題を風刺しているような二つのストーリー。近い将来実際にありそうだけれど、アンハッピーエンドなので読み終えた心地は悪い。
ファンシーな表紙と「あなたにオススメの」というタイトルはストーリーと合っていないような感じがするのだが、どういうバックグラウンドで、なんだろう?
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この人の各作品には必ず頭のおかしい人がいて、そのおかしい人は少なからず自分に当てはまる部分を持っていたりする。
エキセントリックな登場人物を俯瞰して物語を進めるのがすごーく上手い。この人たちのせいでささやかな日常や価値観が壊されて行く、最後はバーン!と音を立てて壊れるのではなく、静かに壊れる(未来を予想させる)。
前編の教育に関する価値観や流行り廃りを揶揄する話、身につまされます。後半の台風がくるマンションの話も面白かった。
みんなどこか頭がおかしい。でもきっと他者からみたら私もどこか頭がおかしいんだろうな。
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独立した二作がまとまった一冊だが、どちらの作品にも通じるのは、自分の多幸感を増すために他人の不幸や苦労を消費したい人たちの、醜い側面だろうか。異質なものを観賞するときに心のどこかで感じている自分への優越感、他人の不幸で相対的に自分たちの価値を高めていく優越感。そしてそんな2つの家庭の顛末を物語として読んで楽しむ私達読者。最高に薄気味悪い物語だった(褒め)けれども、どちらの物語も、私達の十年後にもなりうるのではないか?変わらないものと変わり続けるものの間は、できる限り緩やかな繋がりがあって欲しいと切に思うのだった。
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テレビか雑誌で紹介されていた本。最近そんな本を考えないでつい読んでしまっているけど、読まないほうが良かったなと思ってしまった。
☆推子のデフォルト
登場人物の独特のネーミングに戸惑った。
効率を求めすぎること
世間一般の考え方から外れると糾弾されること
画一的な考え方をするのが楽だけど心の奥で葛藤があることをごまかして生きていくこと
突き進むとまずいんじゃないかなと薄々感じる心を隠すのが楽に生きる秘訣なのである。ということかな。
面白かったけど、読むの疲れた。
☆マイイベント
嫌な人しか出てこない。嫌な話でしかない。読後感も最悪。何のための話なのか。読みたくなかった。
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体に電子機器を埋め込み等質な子供を育てる推子のデフォルト
マンションの最上階に住み低層階をバカにするマイイベントの2編。
どちらもぞくぞくして共感しちゃう自分は二度と読みたくない
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家畜とは「人口環境下に置かれ」、「食料が自動的に供給され」、「自然の脅威から守られ」、「繁殖を管理され」、「死をコントロールされる」ものです
不断の努力
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人の嫌なところを抉り出したような小説。面白かった。
『推子のデフォルト』では、人間が膨大なコンテンツを一日中頭に入れて、考える事を放棄している。未来の話だから、少しネット依存が誇張されているきらいはあるが、全ての物事を倍速で、流し見で消費する現代の風刺というか、ブラックコメディというか。スマホ脳よりスマホを自制させる効果があった。
『マイイベント』では嫌な夫婦と、嫌な夫婦のドタバタブラックコメディ?主人公夫婦はとにかく選民思想に溢れた競争主義社会の勝者で、相手夫婦も普通に遠慮がない。全員どこか嫌なところがある。しかし嫌なだけではなくて、普通の人であるような所も多分にある。だからより一層リアルに嫌な人に感じる。
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いつ起きてもおかしくない。いや、もうすでに起きているのかもしれない暗闇が描かれています!面白かったです!
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図書館より拝借。ひさびさにほんたにちゃんブラックワールドにつかりました。氾濫する川のようにどっぷりと⁈2作ともしっかり今の時代に合っている作品となっています。
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1作目を読み終えると、タイトルまで恐ろしく感じた。
本当に起こってもおかしくない、いや寧ろもう起こっている、現実の延長線上にある物語。
2作目もやたらリアルで気持ち悪かった。
人の本質的な醜い部分を書くのが上手い作家さんだなと思った。