紙の本
千年を生きるのは
2022/01/16 13:09
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品 正直言って瑕疵はある。
祈りの中で逝った彼女とそれでも彼女のために千年を生きると言い切った彼の存在で全てを許せる。
それでいいのだと思う。
紙の本
傑作とまでは言わないが楽しく読めた
2021/09/20 20:45
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
まるで冒険ファンタジーRPGのようだと思って読んでいた。上巻・中巻とそんな感じで読み続けた。でもやっぱり稀代のストーリーテラー宮部みゆきである。知らぬ間に物語世界に引き込まれていた。読後感も爽快だった。傑作とまでは言わないが、楽しく読めた。
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細かなストーリーの展開にとやかく言いたくない気もするが、最後の場面では、ミツルとワタルの直接対決(対話)がぜひみたかった気もする。
ミツルは、そんなに悪いことをしたのだろうか。確かに、ワタルのように、目の前にいる人たちのことを気にかけ、悩んで結論を出す方が、読者にとっては感情移入しやすいのかもしれない。でも、ミツルの苛酷な経験のことを考えると、彼の意志の強さは相当なものがあったとも思うし、また、むしろワタルのような「旅」の仕方が悠長にも思えてしまう気もした。
もちろん、ワタルも父の幻影?を惨殺した場面など、精神的にハードな「旅」をこなしてきて、最後には父を憎んでいる自分自身とも戦い自覚を得た。
それも必要な過程だったと思うが、ミツルの姿勢もやっぱりもう一つの対等な正解なのではないかと自分には思えてしまった。だからこそ、ミツルは自滅するというより、ワタルと最後は互角に戦ったり対話してほしかった気もする。ただ、そういう場面があったとして、ミツルを論破してほしい、という意味ではないのだけれど。
また、オンバ様もかなり初期からの伏線の割には、対決にやや物足りなさも感じる。オンバ様の正体の抽象度が高かったからだろうか…。
(あと、なぜ大松香織は魂を抜かれてしまっていたのか?)
ワタルの最後の答えは、実のところ中巻で既にワタルが口にしている。決して安易な答えにはなっていないと思うが、千年に一度の機会でなかったら、ワタルがこんなに悩むことはなかった。ハルネラでなかったらどんな答えだったのか。
親の離婚から始まって、2つの世界の危機、人柱になる可能性など、選択の構造そのものはわかりやすい図式なのかもしれないけれど、大人でも答えを出すのは難しい。でも、これから死ぬまでずっと人生の中で繰り返し難問に出会うのだと思う。悩んで、苦労して答えを出していく過程自体が貴重なのだ、というメッセージ。むしろ、シビアで大人な「答え」のようにも思うけれど、読んで良かったと思う。
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深い作品に出会えた。
ただの冒険ファンタジーではなく、しっかりとしたテーマが私に次々に突き刺さってきた。
(自己啓発.哲学?)
自分の命、他人の命、自分一人の人生、多勢(他人)の人生、運命という旅をしながら成長していく主人公、自分が変わる事で周りが変わる、自分が強くなる事で周りが幸せになる。亘少年はそれを実感しながら旅を続ける!
しっかりとした世界観に登場人物の個性や感情 壮大なストーリーに大きな勇気と優しさが伝わってくる、3冊に渡る長編であるがあっというまに読み終え余韻にひたる「本を読むっていいな〜!」とつい口にする自分がいた。
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現世に影響されるという幻界。ワタルが旅し、成長させた幻界が、崩壊しようとしている。ワタルは、自分の運命を変えることと幻界を救うことのどちらを選択するのか?小学5年生には重すぎるとも思える。憎しみを越えた先に未来がある。
一気読み必至ですが、SNSなどで拡大した、現在の分離対立をも表しているようで、考えさせられる。
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ファンタジー小説であるが子供向けではなく、大人向けの物語だと感じた。主人公の亘は小学生であるが、直面する現実は大人が読んでも重く、胸が痛くなる。もし自分がこんな現実に直面したら、乗り越えられるだろうか。そう思う程に。それは亘がいい子だから余計に感じた。読んでいて嫌味など全く感じさせない主人公。小学生らしい純粋な視線で情景や心情が描かれている。終始応援したくなった。
亘は幻界の旅を通して出会いや別れを経験し、精神的に強く成長していく。幻界で出会うキ・キーマやミーナなどのキャラクターも魅力的で、彼らとの友情や絆を強く感じられた。
最終的に亘は、不運な自分の運命を変えるのではなく、幻界の世界を救うことを選ぶ。自分の運命を都合良く変えても、自分が変わらなければまた悲しいことや辛いことが起きても乗り越えられないから。
この物語は現実と向き合い、そっと背中を押してくれる勇気の話。ブレイブストーリーというタイトルの通りに。
長いストーリーだったが、この本に出会えて
良かった。読んで良かった。そう思える。
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やっとたどり着いた感じ。宮部みゆきの描くファンタジー小説というのは、現実世界との関わりを軸に描かれているのだと思った。10年以上前に書かれたものだけれども、このコロナ禍に生きている私たちに刺さる物語だと思う。きっと、いつの世にも通じる勇気を与えてくれる物語なのだ。
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冒険が終わりました。
色んなことがあったけど、キ・キーマやミーナ、カッツに支えられながら闘ってきたワタルはやっぱり魅力的な人物だったんだろうなと思います。
ワタルは女神に叶えてもらう願いを幻界を救うことにしたけど、それは同時に自分を救うことにもなっていて、それをワタル自身がわかって、なおかつ強くなっている姿に感動しました
またどこかでワタルが仲間と出会えてたらいいなぁ。
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上巻では、小学生の亘にはあまりにも辛すぎる試練に読んでいても辛くなり、ファンタジーの部分が始まっても現世が気になって仕方ありませんでした。
しかし中巻になるとファンタジーの世界にのめり込み、スケールの大きな大冒険を、映像を想像しながら楽しく読み進めました。
そして下巻になると、仲間の生死に関わる事件が次々と起こり、最初に現世で起こった事なんてちっぽけに感じる程になりました。
自分では世界がひっくり返るような辛い出来事だと思っていても、世の中にはもっともっと辛い事がたくさんあり、それに比べると自分に起こった出来事なんてちっぽけに感じることがあります。
生きていれば、辛いことを全て避けて通るのは難しい。
乗り越えるには、自分が強くなるしかない。
それを改めて実感しました。
読んでいる途中は辛く感じる事もありましたが、読み終わってみるとどこかスッキリとした気分になれました。
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今さら恥ずかしいですが、アニメ化されているのを知らずに読みました。
アニメの予告をyou tubeで見たが、全く違和感なかったことに驚きでした。
ワクワクドキドキで読めました。
時代もの、現代物も書ける改宮部みゆきさんは改めて天才だと思います。
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出だしがかなりキツいのだけれども、
幻界にきてしまったらあとは一気読み。
旅の仲間との出会いと別れ。
自分の運命を変えるためにやってきた
ワタルとミツル、ふたりの旅人の運命を追う、
壮大な物語。
現実だけではなく、幻界でも割と残酷な運命に立ち向かうことになるんだけれども、そのへんが容赦ないのはやっぱり宮部みゆきさん。
児童書版もあるけど、設定が重すぎるので、
おすすめするなら中学生以上かな。
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読み進めるうちにどんどん惹き込まれて、一気に読了。結末がどうなるんだろうと気になっていたけれど、読み終わってみると、その通りそれが正しい答えだよなと心から思える。
自分の運命を変えることは、その事象そのものを変えることではない。その事象を乗り越える強さを身につけることなんだと、心から勇気をもらった。幻界の中でたくさんの嬉しいこと、辛いこと、悲しいこと、様々な経験をしたワタルが、それ自体を宝物だと思えたことが本当に素晴らしい。色々な人の助けを借りながら、困難に立ち向かい続けたことが素晴らしい。これはファンタジーの世界だけではなく、現実でもそうやってたくさんの経験を積んで生きていくことがどれだけ重要かということ。大人にとっても力になるし、子どもにも是非読ませたい。
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まさに主人公・亘のブレイブ(勇気)ストーリーという名に相応しい内容だった。
壮大な世界観のお話で、壮大過ぎて最後の方私が忘れているようなことも、作者がきちんと伏線回収してくれて、なんて親切。
それにしても、亘の台詞や考え方はどう考えても小学5年生に思えないほど大人びていたというか、やや無理やり小学生っぽい描写にしている感じもした。
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宮部みゆき、昔から大好きだけど何故かブレイブストーリーは読んだことなくて、大人になった今の時点で初めて読んだ。今読んでよかったなぁと思った。
両親の身勝手な行動のせいで不幸せという状況に陥って、肉親を憎まざるをえなかったり、悲しみを覚えなきゃいけなかった亘。その人を憎いと思う自分自身を受け入れられないという気持ち、その状況を受け入れられないという気持ち、やり直せるならやり直したいという気持ち、すごくよくわかる。
でも、亘が最後に気がついたように、自分の運命を変えることも過去を変えることも人間はできず、ただあるがままを受け入れて、憎しみも悲しみも認めてあげるしかないんだな。いくら過去を変えたとしても、やはり悲しみはこれから先もあるし、でも同じくらいの幸せもあるかもしれず、それは生きてみないとわからない。
中学生、高校生の同じような苦しみをもつ子供たちはこの話に勇気づけられたんだろうな。大人も自分を顧みることができると思う。
読めてよかった。
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幻界の話が長すぎる。現実世界の話を上巻であれだけ深掘りさせといて、オチはだいぶあっさりし過ぎていて拍子抜け。
ワタルは心を変えて憎しみも受け入れて再スタート!、、、みたいな感じかもしれんけど、ミツルが本当に報われない。最後どうなったん???引越しで終わらせるのはさすがに雑では?あんなに心を殺して幻界に臨んだミツルを、どうか救ってあげて欲しかった。ミツルは真っ直ぐで素直で頑張り屋さんで、本当は妹思いの優しい子なんです!!!孤独で寂しい思いもしてたろうに、妹を取り戻すために必死で死ぬ覚悟で挑んでたんです!!
ミツルの少しでも救われた描写を見て安心したかった、、、かわいそすぎる、、報われない、、、
エピローグでの現実世界の描写にもっと内容の濃さが欲しかった。ほんとに。モヤモヤが残る最後だった。上巻の深掘りされたものを色々と置き去りにして終わった感じ。設定に厚みがあっただけに残念。