電子書籍
政治と鉄道
2022/04/18 06:34
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治と鉄道の関係について明治時代から2021年の動向まで語られる。明治時代の官選知事が強権的に鉄道・道路整備をした明治時代から立憲政友会の建主改従・立憲民政党の改主建従の距線の違い、戦後の陳情と自民党の関係、そして近年では地方が主体となりLRTを導入したり、逆に長崎新幹線やリニアに通過県が難色を示したりといった問題まで取り上げられており勉強になる。
紙の本
鉄道ファンでも、そうでなくても読み進めやすい1冊
2021/05/11 15:00
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
鉄道への知識のある鉄道ファンなら、読み進めやすい1冊です。ですが、鉄道ファンではない方々でも、読み進めやすいと思います。政治を中心に文章を読み進めればいいと思うからです。
第1章の「長崎新幹線と佐賀県」、第2章の「中央リニア新幹線と静岡県」は、今現在の新幹線整備問題のトップ2項目なので、ぜひ目を通していただきたい内容です。
また、個人的には第3部にも目を通していただきたいです。
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明治から令和までの鉄道と政治の歴史をまとめた本。
古今東西、我田引鉄の歴史も多く出てくる。
鉄道建設は全体最適を求めるべき、ただし建設範囲が広いほど利権が絡みそれが大変と感じた。
一方、富山など地域鉄道は成功している事例もある。
リニア静岡、新幹線佐賀の話は地元に対し鉄道会社が細やかな説明、根回しを怠ったことがあったのではないかと。
原敬内閣の時に広軌構想が否決されているなど、鉄道マニアの私でも新たな発見がある本。
鉄道マニアにはお勧めです。
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リニア、九州新幹線…なぜ整備が迷走しているのか?「我田引鉄」の時代から高度成長、コロナ禍の鉄道経営まで、交通政策の歴史と未来
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中央リニアの静岡工区、西九州新幹線の佐賀県内のフル規格化。
これらの計画がなぜ頓挫しているのかを、第一部で解説する。
その後、第二部で明治から現在に至るまでの鉄道と政治の関わりをダイジェストでまとめる。
第三部で、成功している事例(万葉線、富山ライトレール、福井鉄道)と、これからのLRT計画(宇都宮LRT)、そして災害復興についてが書かれている。
内容としては、第一部だけが読む価値アリ。
あぁ、道理で工事が進まないのね、ということが分かる。
第二部での新しい発見は、明治期では軌道化が道路整備の代替手段だったということを知った。
当時の道路は舗装はおろか土の道で、雨のあとはぬかるみで馬車が動けなかったとある。
当時の道の往来といえば、人か馬車。
自動車なんてものはなかった。
しかし、道の舗装には大量の砂利が必要となる。
ここで、軌道化すればその軌道の幅だけを砂利で埋めれば良いので、軌道化こそが道路改良だったということになる。
この事例が、千葉県営人車軌道だったという。
へぇ。
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我田引鉄と揶揄されるように鉄道は政治と結びつきやすい。そんな両者の歴史と近年の現況を概観した一冊。
政治家が地元に鉄道を引くのは明治から昭和にかけての定番。都市伝説も含め多くの逸話がある。
しかし、前提となる「鉄道=地域の発展」という発想が近年は崩れているという。長崎新幹線の通る佐賀県、中央リニア新幹線の通る静岡県から見ればタダの迷惑施設となっている。一方では富山県内や宇都宮市のLRT整備のような新たな公共交通のカタチも見え始めている。
本書はそんな政治と鉄道の関係を明治から現代まで概観した一冊。国と地方の関係の変化や小選挙区制制などによる政治家の小物化(ビジョン提示から御用聞き、大衆迎合)など政治から見た視点が多い。
鉄道マニア向けというより地方自治の教科書的な内容。
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●は引用、その他は感想
題名は「鉄道と政治」だが、内容は政治が主で鉄道を含む交通政策の歴史が従。一般的な我田引鉄も述べられているが分量的にはかなり少ない。
●道路整備と空港整備には特別会計が設置され、いずれも中期整備計画を立てて計画的に整備が進められた。それに対して鉄道は、特別会計も国の整備計画も存在しなかった。鉄道の整備は、国鉄による長期投資計画による新線建設や改良があったが、これは国鉄という一企業の内部の投資計画であった。私鉄についても同様で、各社が個別に設備投資計画を策定し、それを集計する形で民営鉄道協会が中期計画を公表した。