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碌にあらすじ知らないまま読んだので、思っていたのと違って少々戸惑った。
少しばかり、ファンタジック。でも嫌いじゃない。
川越には行ったことはないけれど、『活版印刷三日月堂』よりも踏み込んで、川越の魅力が伝わってくる。
登場人物が割と多めなので、忘れないうちに次巻へ。
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川越の街並みや古民家はテレビで観たことがあり馴染み深い。
古くて情緒溢れる街並みだけに、ちょっと不可思議な現象が起こるのも不思議ではないように思える。
建物には、かつてそこで暮らした人々の記憶が宿っている。
建物の中に居て微かに感じる息遣い、話し声、歌声、掛け声。
それはかつて暮らしていた人達が、確かにそこに居た、という紛れもない証。
建物はいつまでも覚えている。
例え人は亡くなっても、その建物がこの世から消えない限り永遠に。
神秘的で、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる物語だった。
舞台が同じ川越ということもあり『活版印刷 三日月堂』とのリンクが楽しめた。
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①この本を選んだ理由
このシリーズの最新刊が出たニュースをきっかけに。
②あらすじ
両親を早くに亡くしている大学院生の遠野が木更津から川越に引越しをすることになる。
川越に引っ越すことをきっかけに、新たな出会いがあり、物語が進んでいく。
③心に残ったこと
…
④感想
ふわっとした感じで話が進んでいくのが、読んでいて心地よさを感じる。
このまま後続も読んでいきたい。
⑤登場人物
遠野守人
木谷先生
島田さん
松村果歩 べんてんちゃん
安藤さん
佐久間さん
藤森さん
他…
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歴史を重ねて趣のある古民家に手を加えて再生し、商売を始める人たちが我がまちにも増えている。こうした店がもっと軒を連ねてくれれば、城下町として魅力を増すのだけれど。と、読むほどに川越市をうらやましく思う。実際に昨年訪ねて、菓子屋横丁ほか散策して楽しめた。この小説そのものは、主人公ほか登場人物の人生の背景を縷々紹介されて…ま、これからいろんな広がりがあるのでしょう。
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家の声が聞こえる大学院生の守人。 川越の古民家で管理人としての暮らしをはじめる。 家の声はかつて暮らしていた人や建物の思いなのか。 誰かに見守られているように、暖かくなるお話。 同じ川越を舞台にした、活版印刷三日月堂のシリーズに出てきた喫茶店の名前が出てきて、繋がってるんだなと。
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主要人物のポテンシャル(魅力?能力?)がこれからもっと発揮されそうな気がするという意味で、本作はプロローグ的な印象を受けました。
続きがとても楽しみ。
三日月堂とのリンクもさらに増える?
川越、行ってみたいなぁ。
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幼い頃から『家の声が聞こえる』不思議な力を持つ大学院生の遠野守人。家族との縁が薄い彼に、大学の先生からの紹介で川越の菓子屋横丁にある古民家で住み込みの管理人をすることに。早速家主や先生と古民家に入った守人は、そこで家が歌っているのを聞き…。
予想していた内容とは違って守人はその不思議な力を人前で披露することはないし、家の歴史や過去の物語について謎解きすることもない。この辺りが私の好みとは少し外れていて物足りなかった。
ただ二話どちらの物語も温かなものだった。
家は大事にされればそれこそ何百年と生き続けるのだから、その中で幾世代も、幾人もの人や家族の人生を見守っている。
その人生では楽しいこと嬉しいこと幸せなことがある一方で辛いこと悲しいこと苦しいこともある。
二話とも家が守人に悲しみや苦しみの声を聞かせるのではなく、温かで楽しい声を聞かせてくれたのが印象的。
守人が両親の死をきっかけに家を出ることになった幼い頃の想い出のシーンでは、幼い守人の悲しみに共鳴するかのように家も慟哭していた。
ということは、今の守人の心の状態、そして家と寄り添おうとしている姿に家も共鳴しているのだろうか。
またはかつての住民が過去は苦しくても今は穏やかに前向きに生きていることを教えようとしているのか。
一歩違えばホラーになりそうな設定を温かなファンタジーに展開してくれたのは作家さんの持ち味だろうか。
初めて読む作家さんなので知らなかったが、他のシリーズとのリンクもあるようだ。
『草食系』を通り越して『仙人』と呼ばれるほど周囲からは内を見せない不思議な青年と見られている守人。そんな彼と対照的なキャラクターにしたいからか、後輩の『べんてんちゃん』こと松村果歩はグイグイ入ってくる。私は少々苦手なタイプだが、彼女の積極性で話が進むところもある。というより思うところをなかなか口に出せない守人では全く話が進まないのだから、べんてんちゃんに任せるしかないだろう。
この第一作ではそうして守人は家の物語を知り、『声』との答え合わせをする構成になっているが、第二作以降はどうなるのだろう。
守人に変化が起こるのか。
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川越は実家の近くなので、ある程度土地勘があり読み進みやすかったです。
特に、後半の話は今ひとつでした。登場人物が増えていって、年頃もよくわからず、関係も薄いのに毎週会っていて違和感。
主人公は大学院生なのに大学でのシーンがあまりに皆無でずっと川越にいるし、おかしいです。そもそも院生って研究と就活でもっと忙しいはず。。
古い建物いいね、で終わってしまうだけの話で少し残念でした。ファンタジーだからなのか、出てくる人がみんな時間とお金余ってて、暮らしぶりが見えてこないです。
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・家の声を聞くことができる体質の青年が歌う家で暮らすことになる。
・「もういいかい」「まあだだよ」という声がする建物。
・川越が舞台。活版印刷三日月堂と同じ世界のようなので知った顔や店が出てくるかも?
・川越のCMでもあるかな?
▼月光荘についての簡単なメモ
【旭爵位文庫】実際にある施設らしい。安藤さんが佐久間さんと藤村さんに紹介したかった建物。写真を見ると昔よく行ってたタイプの店舗建築だった。
【旭湯】銭湯。遠野が月光荘に入った日に行った。リアルにある銭湯だったが最近なくなったらしい。
【安藤万年/あんどう・かずとし】べんてんちゃんの友人のトモちゃんのおじいさん。喫茶店「羅針盤」の経営者。月光荘に昔住んでいた女の子の知人。遠野守人くんの能力の理解者になってくれそうな雰囲気がある。
【家の声】遠野守人が聞くことができる。午前中に聞こえることはあまりなく夕方から夜にかけてよく聞こえるので物怪の一種かもしれないと守人は考えたりしている。
【家守/いえもり】家は人が暮らしていないとすぐ荒んでしまう傾向がある。それを防ぐため誰かに暮らしてもらうこともある。遠野守人くんはそういう役割だろう。「やもり」でもいいようだが両生類のヤモリと混同しそうだしここでは「いえもり」としとく。梨木香歩さんの『家守綺譚』は好きな作品だがなんとなくあれを思い出した。
【一行目】《その声をはじめて聞いたのは、物心つく前だったのではないかと思う。家にいるとどこからか聞こえてくる声。そこにいる人、だれのものでもない声。》p.8。いっとき本や作品の一行目ないしは一センテンスをコレクションしていたことがある。ただ、最近の作品はあまり一行目が魅力的でないのが多くいつの間にかやめていた。Eテレの2355やったかの読書週間特集で一行目を紹介するコーナーがあって「悪くないな」とか思ったんで復活してみようかと思う。
【大隅のおじいちゃんとおばあちゃん】月光荘に前に住んでた人たち。
【かくれんぼ】《かくれんぼというのは、隠れるためにするのではなく、だれかに見つけてもらうためにするのかもしれない。》第一巻p.197。
【菓子屋横丁】川越にある通り。元は菓子の製造卸の店が並んでいたが衰退し、後に駄菓子販売の店が並ぶ通りに変貌。月光荘がある。
【川越】《過去の姿が透けて見える》p.93。
【木谷】Y大学大学院で遠野の指導教官。専門は日本の近代文学で小説の舞台になった町の古い地図と現在の町を比較検証している。
【桐一葉/きりひとは】喫茶店。「活版印刷三日月堂」シリーズに出てくる店の名が出てきたので同じ世界のようだ。
【月光荘】遠野守人が管理人をすることになった町家。島田が老後の住まいとして改装している途中だが現在は利用の予定がなく管理人を探していた。遠野が初めて入ったとき歌声が聴こえた。「月光荘」という名前は近所の人が付けた愛称でなんでも小さな天窓のような丸窓があって夜になると家の中の光が満月のように見えていたかららしい。また家の中からものぼってくる月が見える。
【珈琲を自分で淹れる】《珈琲の時間はひとりの時間です》��一巻p.200。
【佐久間晃平/さくま・こうへい】喫茶店「羅針盤」の古くからの客。珈琲を淹れるのが趣味で焙煎屋を営むのが夢。四十二歳独身。一生結婚する気はないと宣言しているらしい。藤村さんは恋人のようだが?
【島田】月光荘の持ち主。木谷の知人。話し方からすると友人のようだ。
【蒼子/そうこ】本川蒼子。佐久間さんのお姉さん。
【遠野守人/とおの・もりひと】主人公。Y大学大学院生。建物の声が聞こえるタイプ。また、節目節目で彼の向かない方向から回避する道が示される運のいいタイプでもある。後輩からは悪い意味ではなく「仙人みたいな人」と言われている。
【遠野守人の父】実業家にと期待されていたがその道には進まず青年海外協力隊に参加、帰国後は大工になったもよう。
【藤村手鞠/ふじむら・てまり】喫茶店「羅針盤」の古くからの客。デザイナー。徳島出身で実家は和三盆の干菓子をつくっていたらしい。佐久間さんの恋人のようでもあるが? 三十五歳くらい。
【古い家】《古い建物に住むというのは、大きな魔物の腹にはいるのと同じだと思うんです。》by安藤さん、第一巻p.191。
【べんてんちゃん】→松村果歩
【まちづくりガイドライン】川越の旧市街、重要伝統的建造物群保存地区に設定されている規制。
【松村果歩/まつむら・かほ】木谷ゼミの三年。愛称は「べんてんちゃん」。家の松村菓子店が銭洗弁天のある熊野神社の近くだから。松村菓子店はカステラが美味しい。
【真山さん】月光荘の改築を手掛けた建築士。
【羅針盤】大隅さんの前に月光荘に住んでいた一家(月光荘を建てた人たち)の娘が同級生の安藤さんにくれた。くれた理由はわからない。いろいろあって安藤さんは今、喫茶店「羅針盤」を経営しておりその羅針盤は店に飾られている。
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タイトルと、家の声が聴こえる・・・という内容から、もののけの出るお菓子屋さんの話かと早合点した馬鹿です。
読みはじめたら、川越にある菓子屋横丁という場所のことで、古民家に引っ越してくる、遠野守人という大学院生の話でした。(ちなみに、彼は草食系を通り越して仙人と呼ばれていると、他のブクログレビュアーさんのレビューにあり、納得!)
この本に出てくるのは、古地図、古民家、和菓子、和三盆などの古くから伝わる伝統的な産業、文化を持って川越にやってくる人たちです。それが地元の商店の人たちと縁を持って、川越で店を持ったり、資料館を開いたりして実現していきます。
登場人物の広がりが、物語をどんどん膨らませていくので、家の声が聴こえる・・・というファンタジーなしでもいいのではないかと思ったくらいです。
その土地に残されている歴史や、手仕事を見つけ出すこと。地元の人と、外から入って来て新たな魅力を発見する人たちとのコラボレーション。
そして、ほしおさんの物語の根底にあるのは、いつも家族。人々の横のつながりと、それぞれが持つ家族や祖先という歴史のつながりが、物語を深くしているように思えます。
市井の人々を描く物語が好きなので、引き込まれます。
「活版印刷三日月堂」と同じ川越が舞台なので、ご近所繋がりの店も出て来ました。
その後のシリーズでは、さらにスピンオフの物語が出て来ます。
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川越の古民家を舞台にした物語。
大学院生の遠野は、ある日ゼミの木谷先生より、川越の古民家の管理人みたいなことをしてみないか?と持ち掛けられる。
亡くなった祖父の家に一人で住み続ける遠野は、大学から近くなること、今住んでいる家を伯父たちが処分したがっていることから、引き受けることに。
1作目である今作は、舞台となる「月光荘」の歴史や、「月光荘」を取り巻く川越の街並みの説明がほとんど。
川越の街並みが目に浮かぶようだが、説明が多く、やたら知り合いが次から次へと湧いてきて、なかなか話に入り込めない。
遠野の家の声が聞こえるという特殊な能力も今後どのように活かさせて来るのか、1作目だけでは分からず…
木谷先生のコレクション・古地図の話も今後はもっと出て来ると、さらに面白くなりそうだが、どうだろう・・・
「活版印刷」「紙屋ふじさき」が好きな作品なだけに、つい個人的なハードルが上がってしまう…
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ほしおさんの作品は、ここ数年たくさん読んできた方だと思う。
読む前は、主人公が家の声を聴くことができる力を持っているという設定に引いた。
が、読み終わってみると、主人公遠野守人の生い立ちが丁寧に描かれ、ファンタジー設定が浮いていない。
そこはさすがだなあ、と思った。
三日月堂シリーズと同様に川越の町が舞台。
前よりも町が丁寧に描かれているような気がするが、それは一連のほしお作品で私が教育されたからか?
古民家をリノベーションしていく話。
何だか「ふるカフェ ハルさんの休日」を見ている気分になる作品。
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川崎、菓子屋横丁という言葉に惹かれて購入。
仙人みたいな主人公が、縁あって川越の菓子屋横丁で月光荘の管理人に。家と家族の物語。
三日月堂に出てきた桐一葉が登場して、にんまりした。
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2021/07/16 読了。
図書館から。
優しい世界観。
三日月堂の時に出たお店とかも名前が出たりするので、
この先人も出てきたりするかな…。
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「活版印刷三日月堂」に続いて、埼玉県川越を舞台にしたシリーズの第1作。家の声が聞こえるって能力を持つ青年って云うことで、もっとファンタジー色が強いと思ってたら、この巻の2作では、さほど関係ない。次巻からはもっと話に絡んでくるのかな? 川越、行ったことあるが、改めて訪れたいね