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北海道と思しき大学の寮に暮らす、我慢していい子で育っちゃったんで家族の愛に飢え気味の、高校時代の仲間がみんな輝いて見えちゃう不器用な男の子の青春記。
最近ミステリー小説ばっかり読んでいるので謎解きや伏線のないストーリーにちょっと戸惑っちゃいました。
天真爛漫な母親をふんわり包み込めちゃう双子の弟の絢太君も、きっと心に深い闇を抱えているに違いない。
走馬灯のように駆け抜ける高校時代の思い出は別の作品だったのね。長編の最終章かと思って読んだので何だかまだるっこしかった。
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高校、大学に通った経験のある人は昔を思い出し、読んでいて心に刺さる部分もあると思う。日常の物語ではあるが、主人公の気持ちを揺るがす大きな出来事もいくつか起こる。
主人公が双子という共通点や、物語と自分の経験が重なるところもあり、昔の出来事や考えていたことを思い出しながら読み進めることができた。
思春期の自分の悩みを解消しきれず苦しんでいる高校生にも読んでもらいたい。モヤモヤ苦しい気持ちやを解消するヒントにもなるかもしれないと個人的には思う。
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北海道の大学の寮に住んでいる大学三年生の啓太。サークルや大学のPR活動、寮でのイベントなど青春を謳歌している。そんな時、社会人の双子の弟・絢太から母親がいなくなったと連絡があった。「さがさないでください」という書き置きがあって、家族は混乱状態。結局、月日が経っても、戻ってこず、家族は日常の生活を送っていた。しかし、秋の時期に啓太に想いもかけない出来事が起こる。
啓太の大学生活のある1年間を描いた作品でしたが、大学の模様が瑞々しく描かれていて、その頃の記憶が思い出されました。
啓太の様々な活動を見ていると、自分も「ああしとけば良かったな」「こうしとけば良かったな」と後悔することばかりが思い浮かぶくらい充実していて、羨ましい限りでした。
そんな中で起きる母親の行方不明。特に事件性はなく、意外なところで発見されます。それをきっかけにお互いの家族の向き合い方が変わっていきます。
母親側の視点がないため、どう思っているのか、なかなか把握しづらいですが、内に秘めていたストレスは、長い期間があった分、相当あったと思います。
そういった意味では、作品のアクセントとなっていて、母親の息子として、どう成長していくのかが楽しめました。
その後の人生が良い旅路であることを願いたいです。
その他にも啓太にふりかかる出会いや別れが登場しますが、良い場面もありましたが、辛い場面が印象深かったです。同じ時を過ごしてきたからこそ、心にズシンと響くものがありました。
後半では、高校生の啓太が描かれています。どのようにして、北海道の大学を選び、なぜ一人暮らしの道を選んだのか?
大学生編に登場していた同級生も登場していますが、「別れ」の描写があった分、楽しいところもちょっと辛く感じてしまいました。
他の椰月作品を読んだからか、ちょっとした驚きを期待していたのですが、特にそういった部分はなく、啓太の心理描写を楽しむことができました。
今後、家族がどうなっていくのか、詳細には描かれていませんが、一人一人が後悔のない人生を歩んでくれたらなと思いました。
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北の大地の季節毎の情景がみずみずしい。主人公には母親や友人をめぐって事件が起こり、それにいろいろ悩んで葛藤して、でも前に進もうとする物語。大学生らしくて、悩みや空回りも懐かしい気がしました。自分の大学時代を思い出して、そして今の自分ってどうなの?とも思った。このあたりがまさにこの物語っぽいけど。
自分の出身大学がモデルのようで、そこも楽しめました。
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「おれたちの…」から、先に読んでみた。これは、センターじゃなくて共通一次の時の話じゃないのか?と思いつつ、今から本編読むところ
「誰にでも、同じことか、似たようなことが起こる」をてんこ盛りにした話でした。
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大学青春小説と巻末高校青春小説のセット。巻末の高校編がキモでこれがないと相当つまんない。発表は時系列順で高校編が先なので大学編は後から書かれてものらしい。時系列順だったら大学生活をもっと楽しく読めたのに!
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また1つ「青春小説」を読み終えました。
スピード感はなく、季節の移り変わりとともに双子の兄・啓太の大学生活を描いた作品。
北海道を舞台に美しい自然も、わちゃわちゃと賑やかな大学寮生活もいい感じ。
学生寮ならでは行事や役割分担も、大変そうだけどとにかく楽しそう!
その時、その場所にしかない青春のキラキラと若者のエネルギーを感じました。
深刻な悩みも心を痛める出来事もあるけど、作品全体に漂うのは穏やかな雰囲気で学生時代の記憶を呼び覚まされる作品。
他作品「しずかな日々」にも、どこか通じる気がした。
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淡い青春群像かと思ったら、そうではなかった。
若い危うさが弾けながら、事実が重くのしかかってくる。
順番が高校生活が後になっていることで、時間の儚さがより鮮明になる感覚がある。
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解説の斎藤孝さんも書いてらっしゃるが、「青春とは人生のある一つの時期ではなく、一生持ち続ける心の在り方」という、サミュエル・ウルマンの有名なフレーズもあるけれど、やはり青春時代は一時期のもので懐かしくなる。
小説では『青い山脈』『青が散る』。古くは『たけくらべ』と読んだものが浮かぶ。
その現代版のひとつ。
タイトルが青じゃなくて緑濃い季節になっているところ、青は古めかしくて緑が新しいというわけでもないが、清冽な印象であった。
「緑のなかで」が大学生生活で、併編されている「おれたちの架け橋」が高校時代。子の側から見た親子の関係と両親の大人事情、学生生活での友達との関わり。
わたしから言うとライトノベル風だが、ユーモアも交えてさらりと描く現代風と言おうか。それもいいなあと思う。
若き時代の思い出をいつまでも色あせさせないのが、若さの秘訣かも。
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大学生活の1年間。
ゆったりと過ぎていくただの日常。
母親の失踪とか友達の自殺とか一応事件も起きるけど特にオチもなく、正直物足りない。
青春の儚げな雰囲気はあるし伝えたいこともなんとなくわかるけど…。
こういう大学生活を送ったことがある人には響くものがあるんだろうか。