紙の本
まさに、国民必読です。
2021/11/17 00:22
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投稿者:かなちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回の衆院選での細野豪志さんの姿勢がいろいろ批判が多かったなか、何となくこれまでに何をしてきた方なんだろうと今更ながらお恥ずかしながら調べてみた。そこで出会った1冊。これまでに、対岸の火事に思えたのか原発については無知。それでも心惹かれたのはなぜかわからないが、一気読みをした。普段読む小説よりも引き込まれたのは、それが我が国に起きていた最悪の事実で、それに強靱に誠実に立ち向かう専門家の方々、地元の有志の方々、そしてその方々に丁寧に寄り添い、優しく確実に当時の事実を語らせる細野豪志さん。
原子力発電規制委員会の田中俊一さんや、大熊町町長の渡辺さんの冒涜で誠実な言葉やプロとしての姿勢に日本人の美しさ強さに目を見張る。必読です。
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3.11原発事故発生当時、原発事故収束担当大臣そして環境大臣だった、細野豪志議員と当時、色々な面で福島と向き合った責任者の方々との対談形式の事故の振り返りがなされています。
震災当時、どのような事柄があってどのように対応して現在に至るのかを知ることができたのも大きいですが、福島の現状と未来の為にすべきことが明確に知ることが出来たのもかなり大きいです。
第三章に「福島のために、わが国が乗り越えるべき6つの課題」については、我々他県の住人でも意識して出来ることが掲載されています。
将来、原発事故を振り返るのにも残しておきたい貴重な資料になった一冊だと思います。
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事故当時その中枢にいた細野氏が、事故から10年たった今、改めてその現場の中心にいた人たちに問うと同時に、痛烈な問題意識のもと自己検証した一冊。
この本の素晴らしいところは、細野氏が極めて客観的に、当時の行いと本質を語っているところだ。
私たちはあの時何があって、何が行われ、何が行われなかったのかを知るべきであるし、風評被害という人災がいかにして生み出されたかを知るべきである。
そしてその上できちんと見つめ直し、考えるべきである。
まだまだ課題の多い原発事故の処理、それには政治の力がもちろん必要。細野氏のこれからの行動に期待しつつ、私たちもまた、忘れることなく真実を見る目を養わななくてはならない。
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10年という節目。過去に戻ることはできないが未来のために残さなければならない記録。貴重な資料。
特に遠藤川内村長の姿勢が胸を打つ。
・危機管理はトップのリーダーシップによる。政・学、様々な分野のリーダーが必要。
・100mSv以下の被爆で健康影響は出ない
・除去土壌8000Bq基準の厳格適用と再利用
・食品摂取基準100Bq/食品1kgは汚染物を365日摂取する前提の値で国際基準の10倍。風評被害の原因。
・処理水保管によるデブリ保管場所の圧迫。災害時の漏出リスク。安全側の基準は他のリスクを高める。
・救援要請はできるだけ大きな声で、広く求めるのが危機の鉄則。東電からオールジャパン体制になったのは3/15
・結論だけでなく意思決定プロセス、ファクトの情報発信、誰が言うかの重要性、体制を平時から考えておく
・科学的な判断とは、真っ直ぐ向き合って逃げないこと
・ふたば未来学園
震災を経験した世代が卒業していくこれからこそが、教育の使命
・予断を持って見るとデマ情報を掴むことになる
◯遠藤川内村長の早期帰村(8割)の要点
・被災者の意識の早期払拭:避難することがリスクになる
・確かに事故は不幸だが、今までになかったことができるようになる
例 ひとり親世帯移住サポート政策が帰村だけでなく新規移住者を誘発
大阪からの工場誘致、野菜工場、ワイン
・イノベーションコースト構想における宇宙産業
・「政治的振る舞い」とは、「自らの味方と敵を分ける」言動。どんな話し合いや利害調整をしたところで、根本的なところで価値観・感覚を共有できない対立に判断を下す必要がある。
・政治は、倫理的に善である意図や思い・信念(=信条倫理)ではなく、倫理的に善である結果についての責任(=責任倫理)が求められる。意図と結果のズレの甚しさが福島事故の大きな葛藤。