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紙の本
社会学者の「愛情物語」
2021/08/26 16:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
愛する人を突然喪う悲しみは、いくつであっても同じだ。
これは1930年生まれの著名な社会学者がともに90歳にとどこうという2019年9月に、愛する妻を突然亡くし、そのあとの日々の中で妻との出会いからともに過ごした日々を綴ったものである。
「あなた」と呼びかけられた文章は、確かに「ラブレター」と呼ぶのにふさわしい。
そして、書かれている内容も愛に満ちている。
加藤秀俊さんと妻の隆江さんの出会いは小学校の入学までさかのぼるという。
その当時はお互いを知っている程度で、何しろその頃は男子と女子は別クラスだったそうだ、再会は戦争が終わったあとの青年になってからだった。
しかも偶然の駅での再会。
そして、淡い交際が始まる。
その当時の自分のことを、こう書いている。
「ぼくはどうしてもあなたが好きだった。」
この「どうしても」という言葉に、当時の彼の思いが伝わってくるようだ。
そして、彼がハーバード大学の研究生に招聘されるのに合わせて、二人は結婚する。
1950年代の初め、先に渡米した彼を追って彼女も長い船旅でアメリカにわたる。
彼は書く。
「あの若いころの瞬間をぼくは九十歳になったいまも、ついさっきのできごとだったように鮮明に記憶している。」
この「ラブレター」はこのようにして彼女が心不全で突然死するまでの二人の生きてきた日々を綴っている。
加藤さんは愛する人を喪った悲しみをこうして癒していったのだろう。
執筆している時には、もしかしたらいつも奥さんがそばにいたのかもしれない。
これはなんとも美しい「愛情物語」だ。
紙の本
夫婦で生きること
2021/11/27 09:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
著名な社会学者が65年にわたって連れ添った妻との出会いから失うまでを綴った物語。
人が生きること、夫婦になること、ファミリーになること、二人で生きること、一人になることが綴られている。
突然妻を失った著者は、ようやく妻との思い出を考えられるようになり、本作を書いたのでしょう。
私は60歳を過ぎて間もないが、著者と同じ様に核家族の二人の生活の真っ最中。これからどの様に生きていくのか、妻とよく話をする。
著者のように、好きな家を建てて、好きな家具を揃えて、好きな場所に旅行する ような贅沢な生活は望めないが、気持ちだけは著者と同じように、二人で大切に時間を過ごしたいと思う。
本作は、最初気恥ずかしい内容で読み続けられるかなあと思ったが、途中からは波乱に満ちた開拓精神に溢れた二人の生き様に魅了され、楽しく読ませていただきました。
私たちも、どちらが残っても、大切なものを語られるように、これからお互いを思いやり楽しんで過ごしたいと思った一冊。
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