『小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常』
2021/12/31 11:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年、荻窪に開店した新刊書店「Title」の店主によるエッセイ集
大手書店チェーンで働いていたころのこと、本を買っていく客とのやりとり、店で開くイベントのクリエイターのことなど、地に足の着いた日常、意志を持った書店経営をスローな文体で綴っていく
〈一冊の本の持つ微かな声を聞き逃さないようにすれば、その店に並ぶ本も次第に光って見えてくる。〉──「あとがきに代えて」より
「コロナ禍の書店」としてまとめられた2020年3月以降の一連の文章は貴重な証言
初出はウェブサイト「幻冬舎plus」の連載「本屋の時間」(2016.12.1〜2021.2.1)
掲載された文章から選び、大幅に加筆・修正して再構成、2021年6月刊
投稿元:
レビューを見る
Titleの本棚、すきなんだよねえ。
Titleも辻山さんもすきだ。
わたしはこれからも、尽きることのない豊かな本の森を彷徨い続けたい。本がわたしに見える世界の解像度を高めてくれるのだ。
投稿元:
レビューを見る
Webでの連載時も時々読み、励まされたり慰められたりしていた。
こうして読んで気づくのは、辻山さんの日々の実践から言葉の重さだけでなく、逡巡しながら葛藤しながらそれでも店を開け続けるその姿そのものに強さが宿っているのだと言うこと。
同じ本を扱う人の息遣いを感じることは、何より安堵を得る。
そして、また前を見ようと思わせてくれる。
投稿元:
レビューを見る
何気ないエッセイの中に、心惹かれるエッセンスがふんだんにあります。
いい本に出会えてよかったなぁと思えるほんでした。
投稿元:
レビューを見る
そこに並ぶ本の小さな声に耳を澄ませる。
一生懸命聞き取ろうとするうちに、自らの内面から言葉が溢れ出す。
Title に行った時に感じる心地よさは、辻山さんの志によるものなんだなと腑に落ちる。
投稿元:
レビューを見る
本屋さんと図書館は、時間がどんなにあっても足りない場所。とはいえ、今の私に行きつけの本屋さんはない。titleみたいな本屋さんが、近くに在ればいいのに。きっともっと世界が拡がる。
投稿元:
レビューを見る
ささやかな日常の変化を拾い上げ、文章となった言葉は、心に沁みる。自分に素直に生きておられるからだろう。それは、幸せを感じさせ、穏やか読後感を育んでくれる。ウーン良い本だ!私も幸せになった!
投稿元:
レビューを見る
新刊書店Titleの日常
書店店主の辻山さんの言葉に
そんなこともあったな、と思いを巡らせ
ページがめくる手が止まる。
P112
〈本屋はいま、『街の避難所』となっているのである〉
私は呼吸をするため本屋へ足を運ぶ。
繰り返される日々の中、それほどの変化もなく
でも時間は過ぎていく。
本書を読んでいるときはゆっくりと時間が流れていくような気がした。
ホロリとさせられ、少し苦い
「父と『少年ジャンプ』」が良かった。
投稿元:
レビューを見る
書店の店主が日常と考えたことを綴っていく。
手のひらの本の重さを感じる。
端末の画面でやり取りするときより、本を読んでいるときの自由さを思う。
本と毎日を過ごしているけど、このように仕事と本と会話をしたことがないないなあと。
コロナ化の非日常、ゆるゆるとコロナ後の日常に移行していくとよいなと。
誰もが、大なり小なりピリピリとして、人との距離をはかっていました。
書店まわりの写真が訪れた気分になって良かった。味わいのある町並み。
投稿元:
レビューを見る
本屋さんの中でも1、2を争う好きな本屋さんTitle。埼玉の片田舎なのでなかなか行けませんが行くと興味のある本が沢山表れて思わず買ってしまいます。
何処で買っても同じと思いますが、買った場所やシチュエーションも含めて本の価値が決まると思っている人には、どこで買ったのかはとても重要な事です。
著者の辻山さんはこの本屋さんの経営者で既に1冊著作が有ります。そちらも本屋さん好きには欠かすことが出来ない名著です。
こちらはコロナの中でどういう風に営業していたのかがよく分かる本です。コロナというよく分からないものに世の中をかき混ぜられてしまっていますが、その中でしっかりと存在している本という存在。今だからこそ本というものがいかに重要か痛感します。
投稿元:
レビューを見る
荻窪にある新刊書店『title』の店主が手記をまとめた一冊。この書店ではカフェが併設されており、ちょっとしたイベントブースもある。時折、作家や写真家やデザイナーがトークイベントや個展を開き、店主の辻山さんもそこに静かに携わる。雨が降る客数の少ない日、東日本大震災、新型コロナウイルス下での営業。目まぐるしく環境が変わっていく中で、様々な人との、些細な会話や考えが暖かに書かれている。
様々な出来事や著名人との会話を題材にしているが
要所要所に心に残る光る言葉があり、日頃ストレスを感じやすい自分のもやもやが解けていく気持ちになります。その中でも特に好きだった一文を抜粋。
『分かったと思う傲慢に身を任せてしまうより、無力に打ちひしがれながらでも自分の足で一歩踏み出したほうが良い。ほんとうの共感は、そこから築いていくしかない。』
筆者が東日本大震災後、記事を書くために東北の出版社の編集者と呑んだその足で、閖上(宮城県)の海岸沿いへ赴いた。今まで抱いていた被災地への共感を胸に記事を書こうとしていたが、なにもない光景に圧倒されて立ち尽くしているシーン。共感力とは一言では言うけれど、その共感とは満足のいくものか?自分の中の価値観にもう一度深く問われている気持ちになりました。
投稿元:
レビューを見る
具体的なことはなにも考えていないけど、個人で書店をするのが最近の夢だ。
知らなかった書店だけど、なんかすごく理想的な時間の流れる書店なんだろうなと感じた。大きな声で主張はしない、でも確実に書店にはその主の選んだ本が並ぶ。
私は本屋をうろつくのが好きだったけど、そして図書館も好きだけど、いわゆるヘイト本や無意識かもしれないけどある対象を傷つける意図を感じる本の主張が強くて目に入るのがつらくなった。
小さな声で、でも光る書棚が並んでいるだろうこのTitleというお店に行ってみたくなった。
投稿元:
レビューを見る
荻窪の書店Titleの辻山さんのエッセイ。街の書店からみた日常や本のこと、街の人や見えない誰かについて。本屋がその街に、その場所に存在しているだけでとても意味のあることに思える。小さくても欠かせない場所がそこにあるだけで心強い。光になれる。
投稿元:
レビューを見る
行ってみたい本屋さんの店主が書き綴った思った言葉たち。そう思うんだと感じたり、そうだよなと思ったり。文章と言葉の選び方が落ち着いていて、Titleというお店らしさが伝わってくる。近くにあったら通っていたなと思い、1回まずは訪ねてみようとも思った。選ばれた本たちをゆるっと見回ってみたくなった。
投稿元:
レビューを見る
近くに住んでいるので、出来た頃に何度か行ったが、確かに光る棚だったし、2階で開催されるイベントや展示が素晴らしい。私自身は基本節約が身についてしまっていて、本は図書館で借りる主義なので行かなくなってしまったが、たまにはカフェでゆっくりするのもいいかなと思った。