紙の本
著者より
2003/10/21 09:48
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投稿者:小田中直樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学3年生のときのマクロ経済学の授業で落ちこぼれてから、20数年。それなのに何の因果か大学で「経済学史」の授業を担当することになって、苦節○年。経済学の歴史を追体験しつつ、ついでに「アマチュアにとって経済学は役に立つのか」とか「経済学を勉強することの意味は何か」とかいった大問題を(偉そうに)考えてみた結果が、この本になりました。で、結論は、というと、経済学の見取り図を作っておくと、やっぱりおトクです。
紙の本
内容紹介
2003/10/23 13:08
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投稿者:勁草書房 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済学は生きている。「分配」から「失業」まで、経済学者が悩み続ける問いを整理し、アマチュアにとって必要な経済学を考える。
国家や社会にとってではなく、わたしやあなたにとって必要なのが経済学だ。「分配」や「再生産」から「生存」や「企業」、そして「失業」や「開発」── こんなにもアクチュアルな問題とむきあい、人まかせでない自分なりの判断をもちたいと願う全てのアマチュアヘ。「教養としての経済学」の入門講義。
関連書: 『歴史学のアポリア ヨーロッパ近代社会史再読』(山川出版社)
《目次》
序章 なぜ、いま、経済学の歴史なのか
【経済学入門としての経済学史】
【経済学史にとりくむ準備をする】
第1章 分配
1・1 アリストテレス
1・2 分配をめぐる考察の系譜
第2章 再生産と価値
2・1 スミス
2・2 再生産をめぐる考察の系譜
2・3 価値をめぐる考察の系譜
第3章 生存
3・1 モラル・エコノミー論
3・2 生存をめぐる考察の系譜
第4章 政府
4・1 デュピュイ
4・2 政府をめぐる考察の系譜
第5章 効用
5・1 限界革命三人組
5・2 効用をめぐる考察の系譜
第6章 企業
6・1 ヴェブレン
6・2 企業をめぐる考察の系譜
第7章 失業
7・1 ケインズ
7・2 失業をめぐる考察の系譜
終章 ふたたび、なぜ、いま、経済学の歴史なのか
【経済学史のアクチュアリティ】
【読書案内】
あとがき
文献
人名索引/事項索引
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経済学の基礎知識があればめちゃくちゃ読みやすい。内容も初歩で簡単だから怠慢な学部生向け。中古で売ってたら買いたい。
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5/5(水):
経済学の入門書としてとてもいいと思います。
そもそも経済学とはどのようなもので、どのように進化してきたのかが良く分かります。
この本を読むまでは、経済学を学びたいと思っても、何から手を付けてよいか分からず、興味ある分野から少しかじっては、理解できずということを繰り返していたように思います。
いろいろな分野の様々な学派が存在するため、個別のものをちょっと理解しただけでは、有機的な繋がりがなく、腹落ちしなかったためです。
経済学と一口に言っても、いろいろな分野(研究対象)があり、それぞれに様々な立場(学派)があるので、その全体像や流れをつかむと、今までの断片的な情報が、すっきりと理解できるようになりました。
(もちろん、ざっくりとした理解ですが。)
まずは全体像をという方にはオススメです。
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今につながる経済学の歴史が分かりやすくまとまっています。
歴史全体に触れる、というよりも今主流の経済学への流れを説明している感じです。
もう少し図があるとわかりやすかったかなと思うので星4つです。
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経済学の概要を掴むため選択。
ある学問を学習する前に歴史をたどる意味に懐疑的でしたが、結果として最初に読んでよかった一冊となりました。
その後マンキューマクロ経済学を読んでいますが、新古典・古典派といった言葉と、その背景にある考え方の概要を知っていた&そこに至るまでの(それこそアリストテレスの時代まで)過程を知っているということは、学習効率だけでなく学習継続といった効果もありました。
歴史をたどることの意味を、筆者自身が冒頭に書いており非常に真摯な印象をもちました。
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著者の講義をもとにした経済学史の入門書です。
本書は、「分配」「再生産と価値」「生存」「政府」「効用」「企業」「失業」というテーマ別の編成になっていますが、おおむね時系列にしたがって経済学者たちの学説がとりあげられており、それでいてテーマごとに基本から説明がなされているので、経済学の知識がない読者にとっても経済学史を学ぶことのできるように工夫された内容だと思います。
さらに終章では、「経済学史のアクチュアリティ」というテーマについて著者の考えが提示されています。著者は、経済学を専門としないアマチュアにとっての経済学、すなわち「教養としての経済学」の意義とはなにかという問題を提起し、それはなによりもアクチュアルな問題に対処するためのツールでなければならないとこたえます。本書は、そうした経済学の非専門家にとって、現代社会においてさまざまなかたちで問題になっている事柄に対処するために、上述の七つのテーマに沿って経済学者がどのように考えてきたのかを学ぶことが役に立つと考えています。
本書につづいて書かれた『ライブ・合理的選択論―投票行動のパラドクスから考える』(2010年、勁草書房)や『ライブ・経済史入門―経済学と歴史学を架橋する』(2017年、勁草書房)も本書と同様、非常にわかりやすいことばで書かれていますが、とくに本書では、なんのために経済学史を学ぶのかという根本的な問題についての著者の考えが明瞭に示されており、興深く読みました。
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▼ 主題選択に工夫があり、歴史順ではなく、七つの論点(分配・再生産と価値・生存・政府・効用・企業・失業)に沿って、経済学上の諸説を追うスタイルになっている。この点が非常に明解で理解しやすい。ブックガイドとしても有益。
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分配、再生産等の経済学における主要命題ごとに関連する経済学者等の名前を挙げて解説していく経済学史の本。
日常生活に結び付けられて各命題について論じられており非常に理解しやすいのが良い点。ただ学者毎の思想が別々でまとめられている訳ではないので誰がどんな思想をもっていたのかいまいち覚えにくいのが難点、そのため経済学者の思想というより経済学における主要な命題の歴史についての解説本と考えたほうがよさそう
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よくある本だと歴史に沿って全体の話をするため、さっきまで分配の話をしてたのに今度は政府の話?などと話題がすぐ移るが、この本は重要な主題を挙げその歴史のみを追うのでわかりやすい。