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最後まで気になって後半は一気読み
全部伏線を回収された感じだけど、切ない…
沖縄返還を歴史の事実としてしか知らなかったのでそこに息づく沖縄の人たちの生活をのぞき見させてもらった気持ちになった。。
沖縄の基地問題は正直他人事に考えていたけど、、いつも犠牲になっている沖縄の人に思いを馳せるいいきっかけになった。
知らないことも多かったので歴史も併せて学べてよかった
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切ない。沖縄の歴史、今なお続く米軍基地問題、そういう事を知らずに、沖縄最高!沖縄大好き!と脳天気に思っていた自分が恥ずかしくなりました。もちろんこれは小説ですが、沖縄は米国と日本(大和)の二つの国に翻弄されてきた、そして今でもその状態にあるのだと、つくづく思い知らされた。たまたま終戦記念日に読了したが、沖縄のこの様な苦難は史実と共にもっと広く知られるべきと思う。
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基地問題やアメリカ、日本、沖縄それぞれの関係性から沖縄への想いを強くした。過去を追うもの、未来を作ろうとするもの、今を護ろうとするもの、それぞれがそれぞれに傷つき涙したのは何のためなのか。言葉にできない想いに囚われる一冊。
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「宝島 HERO’s ISLAND」。
文庫で上下巻。
コザが舞台の中心になる小説を読むのは、池澤夏樹「カデナ」に続いて2冊目。
時代的にも近いので、互いの理解が進んだ。
20年のスパンの物語なので、人も変われば時代も変わる。
Bob Dylan「Blowin' in the Wind」……。
本格ミステリとは違うが、いわゆる謎の引っ張りと、その真実が明かされる構成も、いい。
が、もっともいいと思ったのは、地の文の語り手が、土地の語り部、というところ。
口調はのんきだが、厳しい現実を見聞きしてきたことがわかる、ゆんたく。
語り部が、いわばカメラを当てるように視点人物(主に3人)に憑依して、語るのだ。
うがひゃあ! あきさみよう! たっぴらかすよ! かしまさんど! とか、言葉がいちいち上等ですね。
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上で、アメリカの基地内で、一人の沖縄反骨の英雄が消息を断ち、仲間達は彼の行方を探して帰還を待ちながら、戦っていました。そして、最後に英雄のその後がわかるというミステリーを含んでいます。
本土復帰が現実のものとなったけれど、沖縄の人達にとっては、何がどうなるか、見極めるまで予断はできない。
小説として感動したというより、戦後の沖縄のことをあまりに知らなくて申し訳ないような気持ちでした。
一度休むと、文章に慣れるまでまた時間かかるから、一気に。たぶん、ゆっくり読んだ方が良いと思います。
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歳を重ねてからの旅行には意味がある。
若い頃は綺麗な景色、美味しい料理を求めて、非日常の空気に浮かれていたが、今回の沖縄旅行では、「土地の意味」みたいなものを考えた。
米兵の犯罪、横暴をどうにもできず、アメリカの言いなりで、おためごかしをしている本土、日本。苦しみを沖縄だけに背負わせてきた日本。そんな中、戦果アギヤーの英雄が残したものは?その答えが導かれる。それがタイトルの「宝島」につながる。
真実の出来事を下敷きに見事な作品を作ってくれた。
しかし、同時に読んでいた新書に、沖縄の反米を中国が煽り、虎視眈々と沖縄進出を狙っていると言う話があった。日本はどうすべきなのか?
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第160回直木賞受賞作品。
独特の文体で語られる物語は正直読みにくく、自分の好みではありません(笑)
しかし、テーマ自体は、沖縄の戦後史という形で、メッセージとして刺さってきます。
戦後から返還前の沖縄の物語、沖縄の人々の苦悩、哀しみが感じられる物語でした。
下巻です。
ここでは、「予定にない戦果」についての謎が語られていきます。
オンちゃんが消えた夜、オンちゃんが手にしたとされる「予定のない戦果」とは?
そして、再び戦果アギヤーからと思われる贈り物が各地に。
オンちゃんなのか?
そして、米軍基地内で隠ぺいされていた事件。
これでもかと語られる沖縄の方々の憤り、怒り、思い。
そして、明らかになる「予定にない戦果」
その哀しい真相。
上下巻を通して、自分の沖縄に対する無知がよくわかりました。
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戦後混乱期の沖縄の若者の物語。
戦後の沖縄で、あまりにも物資、食料が不足したため、米軍基地に侵入してこれらを持ち出す集団が多数存在したようだ。その中ではその後警官になったもの、ゴロツキになったもの、教員兼沖縄開放活動家になったものを中心に描かれている。
沖縄語を多用して当時の沖縄の雰囲気を出そうとしているようだが、かなり読みづらいと感じる。また米軍と県民の間でかなり過激な殺し合いをしたことが描かれているが、本当にこのようなことがあったのだろうか?この点は現実味が感じられなかったが。
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沖縄の戦後から本土復帰までを題材にした小説。
戦果アギヤーや沖縄の人たちが米軍、日本本土に対して抱いていた感情などこれまで知らなかったことをたくさん学ぶことができた。先が読めない展開が続き悲しい出来事も多々起きたが、オンちゃんが残したものが何だったのか、なぜ「宝島」というタイトルなのかを最後まで読むことで理解することができた。この小説を通して個人的に大好きな沖縄の過去を部分的にでも学んだことで、今私達が沖縄を楽しめることに感謝しなければならないと感じた。
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失われたものは取り戻すー。そんな叫びが聞こえるようなクライマックスの暴動の場面には、これまで世界各地で見てきた市民と権力との衝突と、人権を踏みにじられてきた無名の人々の痛みが重なるようであった。題名の「宝島」の宝とは、有名な沖縄のあの言葉にその答えがあり、それがあってこそ、美しさと人々の幸せを願われるものであると感じた。
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面白かった。本当に、胸が熱くなる。
沖縄という土地で生まれ、暮らす人々の、アメリカと本土に制圧されているからこその悔しさとか辛さとか、自分たちの島を守りたい気持ちとか、一体感とか、とにかくすごい熱量が伝わってきてとても良かった。語りが良い。(ハイサーイ!)
最後の最後に明かされる、オンちゃんが嘉手納基地で手に入れた「戦果」に驚かされたし、点と点が繋がりすぎて震えた。グスク、レイ、ヤマコ、それぞれは警察、テロリスト、教員となり、それぞれの人生を歩む。
最後にタイトルの意味もしっかり感じることができる。戦果アギヤーの戦果は、戻ってきている命だし、この大地と海と自然すべてと、目の前の友人とかつての恋人と、同じ目標に向かって進む同士と、沖縄を駆ける風と、空と。沖縄という土地をより好きになれる。日本の宝だと思える、だからこそ米兵が起こす事件や、日本本土にないがしろにされているような描写が悔しい。当時沖縄で住んでいた人たちはもっと悔しかったろう。それでも誇りを捨てずに、共闘して立ちあがろうとした民間人たちの熱さにやっぱり泣ける。
立ち上がれ!!みたいな気持ちがどんどん伝わってきて、グッと力を入れてしまう場面がたくさんあった。
感想を全然言語化できなくて悔しい。アツい、しか言えない。でもとにかくアツい。誇りを。
うちなんちゅー大好き、あきさみよう!!!!
ウタが沖縄の地で、いろんな幸せに触れられてよかった。世界は愛すべきもので溢れている。あきさみよう!!!!!