ダブルクロス・リプレイ・ヴァリアント 消え去りし楽園 みんなのレビュー
- 著者:矢野 俊策, 著者:F.E.A.R., イラスト:しのとうこ
- 税込価格:682円(6pt)
- 出版社:KADOKAWA
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紙の本
平安の都で鬼退治!
2006/03/13 10:22
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書に収録されている2本のリプレイ。注目すべきは1本目の「京城月影抄」。平安の都を舞台にした、純和風のシナリオだ。妄執の強さから“鬼”となった貴族に、プレイヤー達は侍や陰陽師などになって立ち向かう。
和風ファンタジーというのは、なかなかに難しい。どうせフィクションだからと時代考証も何も考えずにシナリオを作れば、まるっきりのでまかせ、つまりは真剣に遊ぶに値しない軽薄なものになってしまう。かといって時代背景でがんじがらめに縛りつけたのでは、息苦しくて楽しく遊べない。特有の時代背景を壊さずにどこまでフィクションを盛り込めるか、シナリオライター=GMの腕の見せ所である。
この「京城月影抄」の著者は見事。実際にプレイヤー達がそこまで細かく台詞を喋っていたのかどうかはともかく、時代に見合った語り口を貫いている。雅な世界は宮中限定のことであり、平安京内であっても郊外はかなり荒び、その外はそれこそ魑魅魍魎の跋扈する荒廃した土地だったという、当時の時代背景はしっかりと踏まえた上でシナリオを組んでいる。だからこそリアルで、感情移入して遊べるというものだ。
実際に我々が遊ぶ際には、正確な言葉遣いにまで気を配る必要はなく、「こんな感じかな」という雰囲気のノリで構わない。だが、「当時はこうだったんだよ」という前提がしっかりしていれば、極端に外れた行動はしにくくなるはず。しかも、「ならば、こういった行動が出来るはず」と、その時代に即した行動もしやすくなる。緻密なゲームシステムと計算されたシナリオ。二つが見事にマッチすれば、このリプレイのような展開も夢ではないのだ。
もう一本のリプレイは、舞台をMMORPG(大規模人数同時参加型ネットワークRPG。『ファイナルファンタジー11』など)世界に設定してある。こちらは“きくたけ”こと菊池たけしがプレイヤーとして参加しているので、ハチャメチャ振りは言わずもがな。今回もまた、ワイワイガヤガヤ、シナリオ崩壊寸前リプレイの見本である。
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