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高校時代にスポーツクライミング部で活躍し、インターハイ出場経験もある筑波岳。
進学した慶安大学でもクライミング部に勧誘されるが、岳は勧誘を断り続けていた。
そんなある日、ひょんなことから変わり者の三年生・梓川穂高に「同じ名前だから」と筑波山への登山に誘われ、初めての登山を経験し、登山部に入ることに。
登山の楽しみを知り始めた岳に、高校時代のコーチ・宝田からの着信があったが、聞こえてきたのは風の音だけだった。
そしてその翌日、宝田が宝剣岳への登山中、岳への電話の直後に滑落死したと知らされ…
“額賀澪がおくる山岳ミステリ”と帯にあったが、ミステリ色よりも、山の頂の、冷たく爽やかな風に洗われる感覚が素晴らしかった。
心無い言葉で宝田を傷つけ、自らも傷ついていた岳にも、飄々としているように見える穂高にも、洗い落とせない痛みと、答えのない問いがあった。
ただ、日常から遠く切り離された山の上でだけは、心の奥をさらけ出すことができる。
それをさせる山と、そこに吹く風が、また次の山へと駆り立てるのだろう。
蒸し暑い下界にいながら、爽やかな気分になれる。
とことん運動音痴な私でも、山に登ってみたくなる。
夏休みの楽しみに取っておいて良かった。
気分爽快です。
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心地良い風を感じながら読めた気がしました。登山とミステリー映画ではよくあるパターンだと思いますが小説で読むと登山をしている気分で心地良かったです。主人公2人の山に関するネーミングもいいですね。身近にある筑波山を登って見たくなりました。あなたも山から吹く風を感じながら読んで下さい。
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なぜ、人は山に登るのか。
額賀澪が描くのは、すがすがしいほどの残酷さと、その向こう側に見える鮮やかな夜明けの光。
山に登ったものだけが見ることに出来る光。
それぞれの胸に秘めた思いと、1人で抱えきれない悔いを解き放ってくれる光。
山に登る、そこに山があるから。
私も一緒に見ている気がした。山の上からしか見えない、その景色を。彼らと共に。
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登山って身体は本当にシンドくてツラい。わかってるんだけど、高山植物とか壮大な景色、気持のイイ風、小川の冷たくて美味しい水、何より登頂した達成感に中毒性がある。やっと下山してすぐに次どこの山登ろうか?ってなる。木曽駒ヶ岳の千畳敷カール行ってみたい。
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高校時代はスポーツクライミング部に所属していた岳。ある理由で、大学は所属しないことを決めていたが、変人と呼ばれている登山部の穂高に流されるまま、一緒に山を登ることに。そんな時、高校時代のコーチから着信が。そして・・・。
額賀さんの最新作で、山岳ミステリーと紹介されていますが、本格的というよりはライトなミステリーになっています。
なぜコーチが滑落死したのか?事故か?自殺なのか?その謎を解くために山に立ち向かいます。
もしかしたら、岳が自殺の種を蒔いたのか?はたまた、別の理由があるのか?自分自身と戦いながらも、山に登っていく姿に壮大な山の情景も相まって、爽やかさや澄み渡る風を感じました。
額賀さんの描く男性像は、負の感情がありつつも、男臭さがなく、クリーンな印象が伺えるので、全体的に爽やかさを放っています。なので、読後感もすっきりとした感覚にさせてくれます。
ミステリーとしても楽しめますが、青春小説としても楽しめました。一つ一つの行動に意味があるかのように後半では、その行動に隠された裏側を描かれています。ミステリーとしての伏線が楽しめましたし、そんなことまでと思うくらい色んな出来事が後に意外な真実が隠されていたことに驚きでした。
また、この作品では様々な山を紹介し、その描写が描かれていますが、雄大な自然の開放感がなんとも言えませんでした。
私も山を登ったことがありますが、モヤモヤした気持ちを解放してくれます。登場人物たちも素直な気持ちになって語りますが、心の奥に隠された思いが、なんとも胸に締め付けるような気持ちになりました。
でも、きちんと自分と向き合うことで、心の棘がとれ、より自分が強くなるかもしれません。
山の美しさ、澄んだ空気を感じられましたし、心に迷いを生じたら、ちょっと山に登ってみようかなと思ってみたくなった作品でした。
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高校時代、スポーツクライミング部でそこそこの成績を出していた岳だったが、大学では競技を続けないと決めていた。だが、ひょんな事から変人と噂されていた登山部部長の穂高に誘われて、登山をするハメになった。そんな中、高校の部活コーチから登山中に無言電話が掛かってきて…
コーチは事故なのか、自殺なのか。
岳にとって、コーチの宝田は良くも悪くも人生に影を落とした恩師。その死の真相を探るべく登山し続けていると、今まで見えなかった物が見えてきて、とても切なかったです。
穂高も岳も心に闇を抱えいて、心の何処かで許しを欲しているけれど、他人からすれば責められる事ではなくて。それを二人で登り続けていけば、いずれ心の枷もなくなる気がしました。
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爽やかな読後ですが、それぞれ背負っているものが重かったです。まだまだ二人とも人生これからなので、どうか前を向いて顔を上げて人生の乱高下激しい山を登り切っていってほしい。多分、彼ら二人なら出来るのでしょう。登山をテーマにした作品を読むと、絶対登りたくなる。今回もそうでした。近場の幼稚園児でも登れる山に行ってみようかしら。
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山岳ミステリーというより日常のちょっとした謎解きと登山の楽しさをプラスしたような流れ。主人公の葛藤より変わり者の穂高さんの優しさとトラウマが気になって読んでいたが、最後には解決するものの、全体的に軽く何となく不完全燃焼。
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景色の描写がとても気持ちよいので、
見てみたいと思い、
インスタで山の名前を入れて検索したら、たくさん出てきた。
すごい景色。
これは本当にすごい気持ちよさそう。
高校の時のクライミングのコーチが、自殺したのだとしたら、
背中を押したものや人の中に、間違いなく俺がいる。
だから事実を直視する責任がある。
そして登った宝剣岳にはちゃんと答えがあった。
穂高先輩の話も呼吸が止まるほど壮絶で、仲間を見つけることができて本当に良かったと思った。
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→https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/816e8bb7eaa1bfd537bbd94099f5db6e
「旅ゴコロと感涙と」
久しぶりに、額賀澪作品を堪能!
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岳が抱える罪悪感に穂高と一緒に向き合うクライマックスが迫真。それぞれが自分だったら、と色々考えたラストでした。2人が登った山を読後に検索したら楽しさ倍増。装丁も内容と合ってて素敵すぎる!トロルの舌にも寄ったのかな。
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登山って、すごい浄化作用あるんだな。
インドア派の私でさえ、
ちょっと登ってみたいと思う。
本当に登るのは…だけど。
もう一つの話の軸は、
スポーツに打ち込んだ人のセカンドキャリア。
オリパラ終わった今、
なんだか複雑な気持ちで読み終えた。
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ミステリ要素は薄めでした。純粋に、山や自分の将来や、過去のことに向き合おうとする人たちの話。山登りたいなぁ。
2021/8/25読了
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大学1年生になった筑波岳は、コンビニにでも行くような感覚でいつも山に登っている3年生の梓川穂高に出合う。そんなとき、岳の高校時代のクライミング部のコーチが、宝剣岳での滑落事故で亡くなる。ふたりは、クライミング部のコーチの事故の真相を、滑落事故か自殺かを追求することになる。
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2021.11.11 読了。
星2.5
小説自体短いからか、全体的に浅くてあんまり入り込めなかった。
自分も大学時代に登山をしていて、筑波山や木曽駒ヶ岳は登ったことあるから、なんか物足りなかったのかな。