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紙の本
虫もたくましいが館長もたくましい。
2021/12/14 10:48
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物の糞などを食べている甲虫である糞虫。名前からだけだとちょっと遠慮してしまいそうですが、表紙の写真の虫の輝く濃い青。この綺麗な甲虫も糞虫で、しかも日本にいるとしたら一寸興味がわくのでは。
本書の著者はこの綺麗な虫に惹かれ続け、ついに糞虫だけの博物館を作ってしまいました。本書ではたくさんの糞虫を紹介するだけでなく、著者の博物館の話も載っています。著者の人柄を感じさせるような暖かい語り口で読ませてくれました。
Chapter1はQ&Aの形でどんな虫かを紹介。分かりやすいのは、多分館長として著者はこんな質問を何度も受けているのでしょうね。
Chapter2は図鑑。日本のものはほとんど著者が地元の奈良公園で観察したものらしいです。奈良公園は糞虫の宝庫。シカがたくさんいるからでしょうけれど、糞虫のなかには違うもの食べているものもいるのだとか。世界の昆虫は、カブトムシなどに負けない美しさと造形美がたくさん。
Chapter3は糞虫館の紹介とフィールドワークの仕方。糞虫館には「フンコロ菓子」も置いてあるそうですが、どんなものなんでしょう?フィールドワークにはやはり「フンを相手にする作業」なのでそれなりの用意(道具も、心も)必要なようです。「長い間しゃがんでいると心配して人が寄ってくるので、目立たない服装がいいかも」なんて、著者の体験から来たような言葉もありました。
放し飼いの犬や猫が減ったせいで、イヌ、ネコの糞を主に食べる糞虫は激減したとか。食用に外国から持ち込んだヤギやヒツジも、そのフンを食べてくれる糞虫がいない場所では飼うのが大変だったとか。物質循環の一端を教えてくれるような話もあって面白かったです。
どんな生き物にもいろいろな顔がある。糞虫もたくましいけれど、ここまでこの虫を追い続けている館長もたくましい。
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