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これは面白かった!
学びの総論という感じ。
子どもも大人も学ぶ。
どう教えるか、ではなく、子どもが学んでいる事実があるかどうか。
学びとは自分をつくって、なりたい自分になって
自分もみんなも幸せになっていくことなのだなと
改めて確認できた。
やっぱり最上位の目的にいつも迎えているかどうか。
そのための手段はなんでもよいということ。
そして、汐見さんのいいなと思うところは
幸せとか学びという抽象語を具体で語っていること。
例えば幸せはこう考えてる。
『人間が心の深いところで求めているのは、「生きてるっていいな」という感覚です。それが幸せであり喜びだと私は考えています。』
生きることへのよろこびが幸せにつながるということ。
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はじめに、から赤線とドッグイヤーの連続!
この人の元で教員になりたいと思う人はたくさんいるんじゃないかなあ。
教育に携わる人もそうでない人も、親も子供も、ぜひ読んでほしい。何で勉強するの?これは将来に役立つの?という問いを持ったことのある人ならぜひ。
休職教員としての感想。
私はこんな授業、あんな活動、どんどん実践アイデアが出てくる。ただし、現場に出た時にできるかどうか。無理な気しかしないというのが本音。
子ども食堂についての地域コミュニティの話や、午後は授業でなく体験的にとか、とても理想で実現してほしい!と強く思う反面、そんな余裕どこにあるの?先生以外の誰が賛同してくれるの?という思いも強い。世の親が未だに知識重視とか、教育だけでなくしつけまで学校任せとか、そう思うエピソードがたくさんあるから。
だからこそ、こういう風に考えて、本を書いて、影響力のある人とともに何かできたら、支えられたらと思う。他の本も読もうと思った。
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<目次>
第1章 なぜ、いま教育がいきづまっているのか
第2章 「教え」の教育から「学び」の教育へ
第3章 「学び」と「教養」
第4章 「学び」は体験から始まる
第5章 「学び」を支えるための教育
第6章 「学び」は続くよ、どこまでも
<内容>
現在の教育の問題から、最近の学者がいう、「教える」から「自律的な学び」へを謳う本。第5章あたりからちょっと内容が散漫になる。まあ、著者の専門は、幼児や小学生ぐらいらしいので、「わかるけど、観念的だな」という感想は、高校教師だからか⁈
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アクティブラーニングの、アクティブとパッシブの捉え方、「そのまま」に世界を受けとめるパッシブな体験が学びにとって大事であるという指摘、また、語義と意味の違いの話が興味深かった。
教えの時代から、学びの時代へ、考えを変える機会を得た。
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・教える側ではなく、子ども達の側に立った教育が考えられている
・「教えから学びの転換」
・「子どもが「生きているっていいな」と思える場をつくる」
・「全ての学問はつながっている」
・教師達が「これが大事だ」と思っていることの大部分が、子どもたちにとってはつまらない
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教育関係の新書の中ではかなり読みやすかった!
読みながらたくさん折り目をつけられた!
気づき
・世界大学ランキング10年連続1位のマサチューセッツ工科大学では、音楽や芸術を重視
・いわゆる仕事ができるかできないかと、選考での筆記試験の結果は一致しない
→勉強だけが出来ればいいわけではない
・受動的な学び、能動的な学びそれぞれの効果を有効活用する どちらかに偏らない
・社会で与えられた意味=語義meaningを理解し、さらに自分の経験に基づく価値のある意味=senseを上乗せしていくことで理解が深まっていく
→語義だけ無理やり覚え込んでも真の理解にはなっていない
・「認知的スキル」読み、書き、計算、問題解決、思考力などに加え、「非認知能力」忍耐力、自制心、レジリエンス、責任感、好奇心、精神的な安定を備えることも求められていく
→言われた通りにやるだけではなく自分で考えて行動することが重要
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まさに現代の教育について書かれており、読みながら「たしかに」「なるほど」と何度も呟きながら読んだ。面白い。
以下、自分の考えとつなげて本書の紹介。
教育の目的の一つとして、自分が生きている世界や社会の課題を具体的に知り、その解決と夢や希望をつなげることとあった。学習指導要領に書かれている教育の目的は、自分の人生と社会をより良くするために必要な力をつけるといったような内容もあったと思うので、この部分とつながると感じた。(間違っていたらすいません)
また教科や学年を分けるというのは、そもそも特殊なことであり、年代を超えて学ぶことや教科の枠にとらわれないことも大切だとあった。これは子どもの視点から見て賛成する部分もあるが、やはり今負担が大きい教師目線からすると、教えやすさを多少は重視することも必要なのではないかと思う。ただ教科学習をする中で、目先の知識ばかりでなく、人間の面白さや深さを徹底的に体感することも重視することは必要だと思う。すぐに役立つ知識ばかりを教えないということにつながるかも…
学校だけでは学びの場ではない。学校以外の場での出合いが子どもの学び(成長)のきっかけになる可能性は大きい。
子どもだけでなく、子どもに関わる大人(教師や親など)も主体的に学ぶ姿勢を大切にする姿勢は大切だということには大賛成である。大人が主体性を大切にしているからこそ、その大人との関わりの中で子どもの主体性(学ぶ意欲)も育つ。
主体性の原点は、問いを持つこと。これは小学校の先生が教材との出会いをどのようにするかあれこれ考えることからも、繋がる部分がある。問いから始まる授業が理想的。
・エージェンシー=当事者性
・語義は一般的/意味は自分的にどうか
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この本は、これからの教育のあり方に、学びの本質から読者と考えていく本だ。
人に教えるとはどういうことか考えていた私は、その方法にばかり考えていた。
しかし学びの原動力は「楽しい」「面白い」「不思議」と思うことにあり、その環境を作ることが最も必要なことであると気付かされた。
そう、「どのように教えなければならない」→「どうしたら学びを得られる?」ということを考えると、今まで思いつかなかった面白いアイデアが浮かんでくるかもしれない。
子どもたちが熱中できる学びの場とは、何だろうか。探求し続けたい。
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盛りだくさんの内容である。一般向けではあるが、教員養成の学生にとっても参考になることが多いので読んでみて損はない。
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教育関係でぶっちぎりに面白く素晴らしい本だった。
まず、自己研鑽に対して日頃大切にしている成長マインドセットについて、精錬された文章で言語化されている一面に驚き、勇気をもらえる。まさか、教育分野の知見を深めようと思って読み始めた本で、自己啓発の面で感銘を受けるとは。だから本との出会いはやめられない。定期的に繰り返し読み込むべき本だと思う。
学びとは、脳の中に情報処理の回路が新しくできること。教育とは、子供たちが没頭する、熱中する時間を作ること。
子供に教え、子供から学ぶ、そんな心構えを大切にしながら、実践と本書の反芻を繰り返して、子供の教育と自分の成長を豊かなものにしていきたいと思う。
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これまで出会ったどの教育本よりも分かりやすく、また深さに感動した。親の願いも子どもの思いもまるごと吸い上げて、学校の未来を描き切る。汐見稔幸さんという方は教職や研究職にとどまらず、人の生き方を説く賢者だ。
ギリシア、ドイツ哲学や古事成語、果ては東西宗教に至るまで、見識の広さに加えて引用がわかりやすい。蛍光マーカーだらけの重要文がゆったりと語られる。何かを掴みとったような気になってしまうが、咀嚼できるまで何度も何度も読み返したい。
抜粋したくても一冊まるごと素敵。その中から敢えて下の一文には、なんだか涙さえ浮かんだ。
──(語り婆のように絵本の読み聞かせでは)子どもたちのために心を込めて語り、子ども同士の心を作品の世界の中で結ばせ、少し騙して、最後に現実に戻ってこさせる─
愛情深い、なんてぴったりな表現なんだろう。大人が真剣になって、子どもを少し騙す。ムキになって理屈を並べなくてたって良いのだ。肩の力がスッと抜ける。ありがとう汐見先生。
我が家の語り部はアンパンマンからドラえもんになった。ここから手塚治虫にいって、とは親のエゴ。悲しいかなYouTubeに置き換わりつつあるが、子どもが寝る前だけはいつまでも読み語りしたい。語りは子どもとのどつきあいだ。
朗読の練習にも熱がこもる。Audibleナレーターになりたいわ。
学校に行かない子は自己選択児。学校教育は一本道ではない。マサチューセッツ工科大には音楽の授業もある。文理合一。
lessonからstudyへ。
子どもの自発的な学びや喜びを、大人はそっと添え手するだけでいい。理想論ではなく方法までイメージできるよう丁寧に説明してくれる。文句なしに名著。ブクログにも感謝。
車とトイレにも1冊ずつ買っとこ。
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新書なので手軽に読めると思ったが、読んでみるととても内容が濃く、これからの教育がどうあるべきか根本から問い直そうとしている良書。
効率的に早く知識だけを詰め込むことは、その子の世界感が育たない。そうではなく、社会の定義を教えそこからその子の意味、世界観を作っていくべきという考えはとても納得した。また、学びは子供の体験、日常から発せられ問いから始まる。ということは、学校の中だけの授業では子供をより良い人生に導くためや、主体性、彼らの世界観を育むための教育とはならない。そうではなく、学校と地域の連携を密にし課外授業の割合を増やしたり、著者の言っている学校を午前で切り上げて午後からは自分の興味のあるものをやっていくことが必要。
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受験の課題図書として読みました。新書は初めてで読む前は手を付けにくい印象がありましたが、分かりやすく、これからの教育についてよく考えさせられる良い本でした。
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これからの時代の「教育」に必要なことは何かが書かれている。
知識を教えることに重点が置かれており、なぜ学ぶのかという問いと向き合うことが疎かにされていた。何のために学ぶのか、どう生きるのかを問いつつづけていくことが学ぶ目的であり、教育の役割とは知識をただ入れるのではなく、学ぶ力を育てていくことにある。
学びとは、実際の体験で感じたことをきっかけに疑問を持つ、もっと知りたいと感じることから始まる。
子どもの疑問や興味を大切にし、さまざまな体験を通して熱中する、感動する、といった経験をさせることが重要だと感じた。
ただ上べの知識を得るのではなく、自らの経験を通してその意味をmeaningからsenseへと昇華させることで学びは深まっていく。既存の学校教育ではmeaningを詰め込むことにエネルギーが割かれていて本質的な学びになっていないと考える。
教育に携わる方にも本書で学び、これからの時代の問題解決に必要な力を育むためには、どのような教育が求められているのかを見直して欲しいと感じた。
MIT等で音楽学科を重視しているという話は初めて知り興味深く、もう少し調べて見たい。
最後の「子どもって面白いな」と思い続けていることが教師や親の役目という言葉を心に留めて、子どもと向き合っていきたい。
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教えから学びへ
教育にとって一番大切なこと
著:汐見 稔幸
紙版
河出新書 035
行き詰まっている教育をどう改革するか、その方法が、「教え」から「学び」へです
教師が教えるのではなく、生徒が自らが学ぶ これが本書のメッセージです
気になったのは以下です
■なぜ、いま教育がいきづまっているのか
・「学び」は学校でのみ身につけられるようなものではなく、一生続く営みです
・科学技術は、人間の生活を改善するものではなかったのか
・自然などの環境を考慮しなかった日本の科学技術、それを支えてきた人材、そして、そのような人たちを育ててきた理科教育には、根本において何か欠けていたのではなにかと考え始めました
・19世紀になると、学問はさらに専門分化が進みます
科学は、科に分かれた学問という意味の言葉です
分化したものは、再び統合していくことが必要です
しかし、近代の学問においては、統合が忘れ去られていました
■「教え」の教育から「学び」の教育へ
・教師が子どもたちに啓蒙する教育の時代は終わった
・時代の変化が速くなればなるほど、世代による感覚のズレが大きくなり、年長者の経験は古く役に立たないものになっていきます
・優秀な職員には次のような特徴があることがわかりました
文化の違いがあっても、それを踏まえた上で相手の真意を聞くことができる
対立している人を含めて、尊厳をもって他者を前向きに励ますことができる
・そして、人間関係において、お互いの影響力やそれぞれの政治的立場を素早く理解でき、リーガルリテラシが高い
・3つのR(読む、書く、計算力)と、4つのC(批判的思考力、コミュニケーション、協調性、創造性)が必要である
・当事者を大事にするという考え方は、日本でも独自に生まれています
・科学というのは1つのものの考え方にすぎない
・ある仮説をもってしか、ものは見えない
・発想はグローバルに世界規模で考え、行動はローカルに住んでいる地域や身の回りでできるところから実践していく グローカルという
・ダイバーシティーとは、多様であることこそが、豊かである、という考え方です
・インクルージョンとは、多様性を尊重し合い、共に成長することを意味します
■「学び」と「教養」
・わかるの3つのレベル
①言葉・名前を知る
②その対象の属性を知る、属性とは備わっている性質や特徴のことです
③現象の背景にある法則に気づく
・能力とは、IQ,語彙、言語処理速度、学ぶ能力、成し遂げる能力、可能性を最大に発揮する能力です
・3つの教養論
①教養とは、分化した知識をつなげて、つながりのある知識にすること
②教養とは、感心の発展的システムをもっていること、いろんなものに関心をもちアンテナを立てる
③教養とは、全体との関係で自分や自分の知識を位置づけること 知識を何度も反芻し、消化して、他の知識と合体していくこと
・教育というのは、学ぶ意思のある人が師と仰ぐ人を見つけ、「どうぞ教えてください」とお願いするところから始まります
・「学び」が苦痛なものになってしまったのは、本来の学びのあり方から逸脱した強制的なシステムができたことが原因です
■「学び」は体験から始まる
・対話とは、自分の考えを言葉にし、相手の考えを言葉で聞くことで、お互いの違いや共通するもの、どこまで一致しているのかを共に探すやり取りです
冷静な意見表明、論点整理など高度な知性が必要です
・読書は、とにかくたくさん読めばいいというものでも、知識や情報を抜き取るためにするものでもありません
・読書によって鍛えられるのは、さまざまな思考の力です
・相手を深く理解するためには、たとえ自分の土俵や発想の仕方と相手のそれらが全く違うとしても、その人の語りの世界にまず入ることが必要です
・自分の土俵にたったままで、相手の土俵を理解するのは不可能です。本当に理解しようと思うなら、その人の土俵にこちらが身を寄せる必要があります
・そして、その上で、もう一度自分の土俵に戻る
・相手の土俵と自分の土俵を往来するうちに、だんだんと自分の土俵が大きくなっていきます
・相手から学び、同時に自分を失わない
・相手から学び、同時に自分が豊かに大きくなっていく、それが「信じて疑う」という読み方です
・人間の促成栽培はできません、早く熟せば、早く腐る
■「学び」を支えるための教育
・自分のものとなった知識を実際に使うためには、新しいスキルを身につけることも必要です
・自分が何をわかっていて、何がわからないのか、をはっきりさせていくことも必要です
・人が編み出したメソッドをそのまま受け入れても自分自身のスキルは高まりません。必要なメソッドは自分で考えるのが一番です
・大事なのは自分なりの計画を持つことです
・子どもが学ぶということは、それを知ろうと夢中になることです、そのようなときに学ぶは深まります
・熱中し没頭する時間をつくる
■「学び」は続くよ、どこまでも
・全ては仮説にすぎない
・学びが起こるきっかけは、問いです
目次
はじめに
第1章 なぜ、いま教育がいきづまっているのか
第2章 「教え」の教育から「学び」の教育へ
第3章 「学び」と「教養」
第4章 「学び」は体験から始まる
第5章 「学び」を支えるための教育
第6章 「学び」は続くよ、どこまでも
参考文献一覧
ISBN:9784309631363
出版社:河出書房新社
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:890円(本体)
発売日:2021年07月30日初版発行
発売日:2022年01月30日2刷発行