電子書籍
カナ主役
2021/07/02 21:31
6人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
痴話げんかカップルがとうとう殺人事件に発展。
何度も警察に通報があったということで事件を防げなかったのかカナは悩む・・・
でも自分からより戻してしまう人なんてどうしようもできないよ・・・
紙の本
カナの正義
2021/08/30 12:43
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うーよー - この投稿者のレビュー一覧を見る
カナは警察を辞めて良かった。正義を振りかざす人々に家族が押しつぶされてしまい、正義の側に立つことを渇望して警官になったけれど、それでもカナの苦しみは続いた。今、カナはカンボジアに移住し、目に見える正義から解き放たれた。アロマオイルを製造するカナの仕事は、現地の人々の生活を護っている。フェアトレード(適正価格売買)は、正しく意義あるものだ。彼女は、この地で彼女の正義を見つけることが出来た!…しかし、警察官に必要な資質は、体力では無く、自分も他人も追い詰めない心の強さなのだなと、ハコヅメを読むたび思う。
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現在のマンガの最高峰の一つ。深みのある人物描写と巧みなストーリーテリング、そして多層にわたる関係性とその奥の重い主題、優しい人たち、全てが素晴らしい。悪をただの悪として突き放さない著者の優しさも含めて、読後は涙が止まらない。黒田カナ役を伊藤沙莉さんにお願いして映画化希望。
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カナはどこか裏がありそうというか、過去が描かれてないからなんかあるだろうなとは思ってたけど、想像の10倍ぐらい壮絶だった。
そんなカナが警察官になることを選んだけど…まあ、しんどいよな
カナの周りにはいろんな人がいたけど、眩しかったよな辛かったよな。みんながみんな周りの人間たちみたいに陽の人間じゃないんだよ…。
カナの教官が横井教官でよかった。カナのこと好きだったし、西山さんも好きだったけど、退場は仕方ない。カナ、カンボジアで幸せでいて。
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苦しくて、悲しくて、辛くて、救われて、何度も泣いた。
シリーズの番外編としてではなく、これ一冊だけで価値ある本。
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本編で空白期間になってた「死体遺棄事件」のお話。読んでいてしんどかったけど面白かった。メディアからの情報だけで知らない人のこと想像でとやかく言う人にだけはならないようにしよう……
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ハコヅメ読むなら読んだ方がいい、というコメントや作者への取材記事を読んで購入しましたが、うん、間違いなく読んだほうがいいです。
まさか源の実父がなくなった土砂崩れ事故の原因となった避難しなかったおばあさんがカナの曾祖母で、源サイドから見ると「なんですぐに避難しなかったんだ!それがなければ皆が苦しまずに済んだのに‥!」と感じるけど、それを原因にカナの実家が営んでいた建設会社は村八分にあい祖父は自殺、父母はそれぞれ別の人と消えてしまい、カナは祖母との暮らしに。ここでカナを置いていく感情がよく理解できないけど、そのおばあさんの血が流れてる存在をもう近くに置いておきたくなかったのかな‥
そしてグレてしまうカナを救ったのは防犯パトロールのおじいさん‥そう、源実父のお父さん。様々な話をしてくれるなかで警察官を志した‥が、その裏には「原因となったおばあさんの家族を責める世間の正義」というマジョリティに傷ついたカナが警察という絶対的な正義の立場に立ってみたかった‥という悲しい理由が。
そして警察学校に入るも、優しさで差し出される手には仲間を感じられなかった‥という。これは肩を並べて走ることもできない劣等感から対等な関係を築けなかった、ということなのかもしれない。でも秘匿捜査官として才能を開花させたはずなのに隣の芝生は青かったまま‥だったのか、劣等感と仲間ではない認識は変わらなかったんだね。
そして起きてしまう殺人事件。これは本編を見続けている人なら言葉を失うと思う‥あれだけ繰り返し登場させておいて、モブキャラに身近さを持たせた上でこれは、登場人物の心情に読者を近づけたテクニックだなぁと。
事件を追う番記者は事前にトラブルがあった二人への警察対応に問題があったのでは、という正義をかざして取材を行い、近隣住民は自分たちの街を守るという正義で役に立たない警察を排他的に扱い、警察は必ず事件を解明するという正義で操作を続ける。自分の対応に過ちがあったのでは、と責め続けるカナ。フォローに入る西川、しかしすでに西川の限界は超えていた‥
難航する捜査、世間の正義に押し潰されそうになるカナはついに警察官としての裏切りである「拳銃自殺」を図る‥そうか、これが本編で描かれた「ユダの裏切り」だったのか‥想像していなかった裏切りの形で驚いた。山田のおかげでなんとか未遂に留まったが、そこまで追い詰められていたんだね。
その後、カナは自らがかけた言葉から被害者の足取りを予測し犯人逮捕につながることとなった‥が、西川の死や警察官としての裏切りを経てカナは警察官を辞めることを決意。カナを秘匿捜査に任命した係長(?)あっさり認めたのは優しさか、それとも使い捨てとしてもう価値がないと感じたからか。意外と冷酷な人が多いハコヅメだとどちらだかわからない‥
そして警察を飛び出したカナは、防犯パトロールのおじいさんから教えてもらった選択肢の中から海外の人々の選択肢を広げることにつながるような活動を始めた‥
結局警察官のときは仲間という絆という鎖に縛り付けられていたけど、ハコを出て(=アンボックス?)その絆と繋がっているんだろうなぁと思いました。
しかし表紙のカナと山田、あくまで推測ですが背を向けるかつ山田は17巻の表紙と繋がって藤や源の方へ向かっていて、かつその集団とは背を向けている=秘匿捜査、仲間に感じられない、警察との別れといろいろな意味を持たせていたのね。
この漫画、本当にすごいしどの回の何気ないやり取りが先々に繋がっているかわからないのがすごすぎる‥
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最終話、西川係長の「カナ 覚えてるか?」から涙と鼻水止まらなくなった
先にハコヅメ全話読んだから2人が離れるのは知ってたけど、それでも心揺さぶられた
ずっと言われてた裏切りって誰だっけ?って読み終わってからふと思ったけど、拳銃自殺のことだった…
ハコヅメとアンボックス読み終わって山田がいい人すぎる
最初は若くて単純でアホなやつみたいな登場だったのに…
山田は報われてほしいし、幸せになってほしい
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本編における唐突な展開にビックリしたけど、ここでそれが語られている訳ね。確かに、この内容を本編に入れてしまうと、ここだけシリアス過ぎて浮いてしまうかも。でも個人的には、こっちの方が存分に楽しめたのでした。もともとのキャラ設定とかを知っているからこそ、ってことだろうし、最初からこのトーンだと、ここまで人気が出たかは微妙かもしらんけど。自分の勝手な思い込みも少なからず影響してるけど、警察物語には、こういうシリアスなドラマが馴染む。主要キャラが抜けたりは切ないけど、こういう展開の物語、また描いて欲しいと思っちゃう。
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本編を一気読みしこちらへ。確かにキツい内容。生々しい。それでもオチはちゃんと晴れやか。表紙に写っている背中とか、「裏切り」とか、本編の諸々の関連話を読み返すと改めて感嘆……。「構成力の鬼か」と唸る。にしても『ハコヅメ』っていわゆるモブキャラがいない。山田はほんとに最高だな。読者は皆、最後の横井教官と同じ気持ちです。
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正直感動した。
まだドラマ化する前にゲオで三巻くらいまで借りて読んで、その頃は昔警察官だった人が暴露本みたいな感じで書いたのかな?って、それきりでしたが、ドラマがなかなか面白くて、ちょこちょこ借りて読んでます。
このアンボックスはスピンオフ的な感じだと、思うけど、本当に今の叩きの文化を的確に表している良い作品だと思ったし、正直泣けた。
警察官だってサラリーマンだし、人間だし、心が傷つくし、失敗する事はあるし、でも間違える事は許されなかったり、大変な仕事だな、と。どうしても警察って敵、ってイメージになってしまう気がするけど、この漫画を読んでからは考え方が変わりました。
軽々しく、苦労してて大変ですね、とは言いませんが、でも感謝されるべき、尊い仕事だと思いますよ、とは伝わると良いな、と。
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実質的に「ハコヅメ」17.5巻。
17巻と18巻の間の話なので、17巻読んだら「アンボックス」を読んだ方が良いと思います。
でないと、18巻でどうしてカナちゃんがいなくなったのかがわからない。
それにしてもカナちゃんだけ、酷い目に遭い過ぎのような……。
山田が男前すぎて泣ける。
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本編を9巻まで読んだところで、本屋さんで見かけて購入。
責任感、矜持、尊厳。いろいろなものが悪意で、無意味な悪意で塗りつぶされてゆくのが、とてつもなく重く暗い。この物語の主人公にカナを持ってきたのが、それに拍車をかけている気がする。
「ハコヅメ」の登場人物は、皆が己の仕事に対して露悪偽悪的な面を見せながらも、心の底には曲げられない揺るがない理念や信念を持っていて、それを新人の川合の成長を通じておもしろおかしく伝えているように思います。その中でも、淡々として要領よくこなしているカナが、追い詰められ潰されてしまうというのは、落差が強く事件のやるせなさも相まって、物語を重く暗くしています。
そもそも冒頭の「岡島災害」の件から、この物語の暗さを予見していたように思う。あの事件の顛末というか裏側にこんなことがという話なんですが、9巻までの人間なので、とんでもないこと人間関係があるのだ、という衝撃。
この過去をもつカナが、万事要領よくこなし、つながりすぎない人間関係を築いてきたのは、自己防衛のためだったのかと気づく。
多数の「正義」に潰された過去をもつ彼女が、多数の「正義」の側に立ちたいと思ったのは、深くつながらない何かと繋がりたかったのでしょう。そのつながりは要らないけども、つながることに興味はある、という中途半端な立ち位置が、今回の事件で究極に追い詰められてしまった精神状態になったのか。
山田のようにバカであれば、よかったのに。ことはそう単純ではないだろうけど、どうしてもそう思ってしまうよ。バカは偉大。
なんというか、お仕事コメディでのほほんと読んできた「ハコヅメ」が、別章のせいで気楽に読むことが怖くなってきた。
9巻以降、どんな事件が起こるのか。どんな過去が明かされるのか。
覚悟が必要になるとは。
どんなことがあっても、日々は続くし明日はやってくる。明日が明るい日だと決まってはいない。であるならば、明後日が明るい日だと思って、明日とは違う明日が来ると思って進むしかない、のかなぁ。その積み重ねが、明日であることを信じさせてくれるのかなぁ。
ラストを見て、そう思った。
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この作者は絶望を描くのが上手い。
とはいえ希望が持てる着地でよかった。
シリーズで一番泣いた。
こんなに命削って日々働いてる人達がいるんだなあと考えさせられた。