紙の本
色んな要素が詰め込まれている
2022/07/02 23:56
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
VR空間で起きた事件が実は現実世界での出来事と深いつながりがあったことは、うっすら予測できたけれども、具体的にソレが何なのかはわからなかった。
そういうところはよく練られているのだと思う。
ミステリではあるけれども、いろいろな愛の形と人の成長の物語でもあると感じた。
あちこち読み返しながら読み進むので、時間がかかり、重厚な印象でした。
ミステリはあまり読まないけれど、ミステリの可能性を追求していくというか幅をひろげていこいという姿勢を感じた。
紙の本
発想はいいが、全体的に惜しい
2022/01/02 21:48
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
非暴力が設定されているVR空間で、クラッキングによって隔絶されてしまった館で起きる本格クローズドミステリー。
2つ目と3つ目のトリックは解けなかったけど、それ以外はすぐにわかったので、特に紅の謎にみんなが辿り着かないのが逆に不自然に感じた。
だって食事や排泄を必要とせずにログインできるなんて、それ以外最初から思い浮かばなくない?
非暴力設定の中で殺人が起こせる謎も、1つ目の段階でこれしかないでしょって感じだったから、2つ目のトリックが解けなくて混乱した。
トリックと情報の出し方はさすが本格。上手かったです。
作中でいじめ、差別、障害を扱っているけれど、心が傷ついている人に優劣なんてないと思うので、いじめから引きこもった主人公が、自身が健常者だから紅達の方が苦しんでいる、と考える展開が稚拙に感じた。
現実が嫌だからVRで生きたいという逃避の気持ちに健常者と障害者の優劣なんてないと思う。選択肢があるから幸せだ、なんていう考えこそが傲慢だと思う。
急に恋愛要素を絡めて主人公を前向きにさせたのも、陳腐だったかなぁ。
ミステリー部分は良いけど、主人公周りが残念だった感じがする。
それに、この世界にVRゲームがBWしかないなんてことは一切ないので、紅達がBWに執着する必要を感じない。
非暴力などの設定に安息を見出したなら、その話を入れておくべきだったのでは。
あと、ログアウトせずに長時間VRゲームをやれているのなら、VRMMOなんかのかけた時間が長いほど強くなる系のゲームでこそ有利で気持ち良く生きられる可能性もあると思うんだよね。
その辺りを考えると、動機も強引だったかなぁ。
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小学生の時の初恋で、相手にふさわしくなる為に猛勉強して、トップクラスの進学校の高校でついにトップを取るアキ。以前は1位だったカリスマ的な存在だった西園寺和馬にデートに誘われて断った事により、いじめに発展し引きこもる様になった。
VRのゲーム・B.utterfly Worldにハマりその世界を現実にしたいアキは、そのメンバーであるマヒトに、ゲームのログアウトしない人が住む館の居場所を見つけたと持ちかけられ…
非暴力の世界で起こる殺人事件。真相に近づくアキに接触してくるトラウマの元凶・和馬との再会。アキにとって現実はとても辛い場所だったけれど、知られなかった和馬の一途な想いと不器用さが歯痒かったです。
もし、あの当時にその言葉を聞いても、アキは受け入れなかった気がします。あれだけの月日がやっと前へ進む勇気を持たせたのと、弟の存在は大きかったと思いました。
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バーチャルゲームButterfly Worldは暴力のない世界。しかしそこで変死体が見つかった。ログアウトしないユーザーとの関わりとは。
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気になっていた岡崎琢磨さんの長編。一気に読めた。舞台は仮想現実だけど、使う人にとってはもはや現実。非暴力の世界でも怒った事件のトリックが今までにない視点で面白い。
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特殊設定、ロジック、挑戦状...
こんなことを帯に書かれたら読まないわけにいかない。
本書は特殊設定ミステリではあるものの、技術が進歩すれば現実世界でもありえないとは言いきれない設定であり、その"バーチャルの世界"と"現実世界"の絡ませ方がミステリーとしても、そして一つの小説としてもとても巧い。
ミステリーとしては「非暴力の世界でどうやって人を殺すのか」という答えに完全に盲点を突かれた。
紅の正体も驚き。
登場人物の考えなどに共鳴するところもあり、繰り返しになるが、ミステリーとしてはもちろん、一つの小説としてもとても印象に残る作品だった。
岡崎琢磨さんの他の作品も読みたい。
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特殊設定&本格ミステリ。日常の謎の名手からの挑戦状。
いじめから引きこもり、世界的人気のVRゲームバタフライワールドに入り浸るアキ。相棒はマヒト。
非暴力が徹底されている世界で起こる「殺人事件」。舞台は孤立した館。起こるはずのない殺人、しかも密室。何が起こっているのか、誰が起こしているのか。
ヴァーチャル世界と現実とのリンク。解き明かされる謎。
作者から突きつけられる挑戦状。受けて立つが玉砕。全然わかりませんでした。
ゲームからログアウトしない「紅」たちの秘密に震える。
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VR空間のゲームで、起きないはずの殺人事件!
わくわくしますね。
さっぱり分かりませんでしたが、紅の謎だけはあたりました。(笑)
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VR空間であるButterfly World、通称「BW」にはまったアキはログアウトしない人々の噂を聞き調べ始めた。「BW」に陶酔しているアキはログアウトしない人々、「紅」と呼ばれている人々に憧れ彼らが集う館を訪れる。そこで待ち受ける未曾有の出来事そして住人の死体、非暴力の「BW」の世界で誰が何の為に殺したのか?VRの世界と現実の世界を行き来し謎に挑む。
特殊設定によるミステリー、序盤で謎の多くが想像でき他にもいじめや恋愛等詰め込みすぎる感がある。
ロジックは単純明快な特殊ミステリー。
★★★✩✩ 3.0
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前半までは割と好みの話でで面白かったんだけど、後半ちょっとアキのキャラや引きこもりになった経緯も微妙に感じ、マヒトの正体も想像がつき始めてから話の展開が失速した気がする。
紅の秘密もなるほどと思うけど、バタフライの殺人事件もわかってしまえば、強引な気がして微妙。
和馬のアキに対する気持ちも現実的ではない。
確かにそーゆー意味では恋愛小説なんだけど、登場人物がみんなひとりよがりで浅い。
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VR空間に憩いを見いだすアキは、現実世界に戻らない者たちの噂を聞き、相棒のマヒトと共に彼らが暮らす館に向かう。二人がそこに着いた後、サイバー攻撃を受けて館は孤立する。そして、住人の死体が発見される。その空間では非暴力が徹底されているはずなのに。
サイバー攻撃を仕掛けた男は、頭がよすぎるがゆえのこじらせ男子で、ツンデレ要素がなかなか楽しい。別の話なら探偵役になりそうなキャラ。アキの弟もいい奴でうらやましい。現実世界は頭の悪い差別主義者が横行しているけれど、そうじゃない人もいるのが救い。VRは引きこもりが入り浸るのはどうかと思うが、そこが救いとなる人たちもいるのも事実。活用が求められる。
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岡崎作品と思い期待して手に取りましたが、ちょっと自分には合わなかったみたい…。それでも中盤以降は話しの盛り上がりもあり、集中して読み切ることができました。紅の正体は序盤でわかってしまいましたが…。
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岡崎さんのインタビュー記事で「『屍人荘の殺人』を念頭に書いた」と書かれたいたが、たしかに謎がロジックによってきれいに解決されるところは似ているかも。他には、特殊設定のミステリということで、直前に読んだ早坂吝『四元館の殺人』や榊林銘『あと十五秒で死ぬ』、斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』なんかを連想した。このジャンルにもまだまだ可能性が残されている。そういう意味で言えば、一昔前「変格ミステリ」と呼ばれた作品群は、先見の明があったということかもしれない。
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「夏を取り戻す」がとても良かったので期待大で読み進めたけれど…うーん、残念だったなあ。
最近流行りの特殊設定ミステリ。VRの世界で一切ログアウトしない「紅」の正体も早々にアタリがつき、お説教くさくなるのかなあ、嫌だなあと思ってしまった。
現実世界に西園寺と弟、VR世界にマヒトとクリスと、主人公を支える男性陣が多いのも疑問。そちらに注力するなら、もっと紅ひとりひとりの物語を描いてほしかったかなあ。
さらに、クリスと突然恋仲になるが、何が他の人と違うのか?「優しくしてくれたから」というのも理解できない。
題材自体はいいのに、逆にもったいなくて、私にはとても残念な印象の1冊だった。
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VR空間での連続殺人事件。
読者への挑戦状があり、紅の正体だけは最初から想像できていた以外は完敗でした。まあいつものことですが(笑)
現実でもVR空間でも人の根底にある差別意識っていうのは厄介なものです。自分だけは大丈夫とは言えない。
切ない終わり方でしたが、アキの今後に幸有れと願います。
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VRゲームの中で起きた「殺人」の謎をめぐる話。
ゲーム内のルール・制約に照らせば、
不可能なはずの事件はなぜ起きたのか。
主人公のリアルでの引きこもり事情を交えつつ。
興味深く読めたし、
謎解き部分についてはお手上げだったが、
最大の焦点である「紅」の正体、
については早い段階で見当がついてしまった。
そこを覆してくれたら星4つ以上だったかな。