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【平成育ちによるはじめての決定版平成史】『知性は死なない』『中国化する日本』で知られる歴史学者による、小泉純一郎から安室奈美恵まで網羅した30年間の見取り図。
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【オンライン読書会開催!】
読書会コミュニティ「猫町倶楽部」の課題作品です
■2021年11月15日(月)20:30~22:15
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平成の出来事史、人物史として眺めるには良く調べて書き込まれていて面白いが、作者の目指すところの統一的歴史観というには程遠い編集でした。
団塊世代が泣いて崇拝したインテリな論壇という鎧を着たポマード臭い世界観と、Twitterの200文字で世界を動かす現代との世代間格差を強く感じました。
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平成史と銘打たれてはいるが、扱う分野は論壇、政治、サブカルの3つに限られるので、そこに興味のない読者はひょっとしたら置いてきぼりにされるかもしれない。特にその年の物故者の思想を世相に絡めて論じるスタイルは、これだけ続けて読まされると、亡くなるタイミングという単なる偶然を無理やりこじつけているように感じられ、どうにも白けてしまった。
平成は歴史が無効になった時代との認識は部分的には理解するが、であればまさにこうした文系趣味の語り口こそ、どうでもいいものとして真っ先に遺棄されるだろう事も付言しておきたい。
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序 蒼々たる霧のなかで
第1部 子どもたちの楽園
第2部 暗転のなかの模索
第3部 成熟は受苦のかなたに
跋 歴史がおわったあとに
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以前にも岩波ジュニア新書『10代に語る平成史』(9784005008780)という本のレビューにも書いたけれども、「結局さ、平成ってどんな時代だったん?」と自問した時に、なんか上手く答えられないんですよね。ガッツリ平成育ちなんですけども。
何となく元気で明るくおちゃらけたイメージがあるっちゃあるんだけど、一方ですごく息苦しかったというか濃い影が差しているというか、ジっと見ちゃいけないものの横でシレッと遊び続けていたというか、そんなように身体と心がバラバラのまま過ごし続けていたのがわたしの平成時代だったかな、と。いま振り返れば、だけど。
そんな平成という時代30年を、平成育ちの歴史学者が語りあげた大著。
まずもって納得がいったのは「「成熟」のモデルを喪った子どもたちの時代としての、「平成」」(p48)という、「父たるモデル」(p33)を喪った子どもが‘それっぽいこと’をやり出し始めたのだという点。ここでいう父とはソ連邦と昭和天皇という左右の支えとなっていた正に大黒柱。父を喪った子どもたちによる護憲と改憲の論争はやがて「戦前と戦後の「断絶」」(p116)を顕にし、平成末期の頃には「なんら思想性のない、「劣化戦後」への回帰」(p470)へと至る。
もう一つ胸に残ったのは、平成が大きな転換を迎えたのはいつか?という問い。与那覇先生は「1997年であり、2016年です。」(p472)と挙げておられます。前者はアジア通貨危機により「いまの世の中は根本的に狂っており、次になにが起きるかわからないという恐怖感に覆われ」(同上)た年であり、後者はドナルド・トランプ大統領誕生という「「既成秩序の全否定」への欲求が、現実の政治に溢れ出」(p480)し反知性主義の台頭と国際秩序の崩壊が亢進した年であります。もちろん、国内の出来事として一連のオウム真理教関連の事件や東日本大震災という出来事はありますが。
言ってしまえば、平成は思想・文化・政治etc.あらゆる分野で過去ないし他者との断絶が広がった時代。
過去を見つめ返すことに意味なんてないのか。いわんや自分が生きていた時代をよ。否、そんなことはないと頭のどこかで感じているからこそ、わたしは『平成史』という類いの本に惹かれるんだろうな、と思っている。
書き口が少々悲観に寄っている節があるので、そこはめいめいが見極められたし。まあ、嘆きたくなる事ばかりが起こっているといえばそれはそうなんだけど。
1刷
2024.8.10
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若手の元歴史研究者による平成通史。
自分は昭和60年生まれで、平成はリアタイしたことになります。
当時の世相を研究者の立場からして俯瞰して記述しているわけですが、知らないことや気づかなかったことだらけでした。
与那覇さんの本を読み上げたのはこれで2冊目ですが.文体や言葉選びがとてもかっこいい。
歴史観については全く真反対の立場ですが、面白く読めました。
つくる会の話とか、自民党政権の話とか、批判的につづるとこんなテイストになるんだなと思いました。
平成についての歴史書をもっと読んでみようと思った。